健康診断はなぜ大事?猫が「いつも通り」の生活を送るためのヒント

2016.03.27

健康診断はなぜ大事?猫が「いつも通り」の生活を送るためのヒント

猫は適応能力があり、我慢強い生き物です。 体に痛みがあったり、怠かったりしても、その状態に自分を適応させていきます。 そのため、飼い主が猫の不調に気が付いたときには、病気がかなり進行しているということも少なくありません。 とくに高齢猫の症状は、加齢と病気を区別することが難しいケースも数多くあります。たとえ猫が病気になっても、「いつも通り」の生活を送るために、私たちは何ができるのでしょうか。 そこで、健康診断を受けることのメリットを、筆者が経験したことを事例に考えてみたいと思います。

focebookシャアツイート

健康診断で、健康時の数値を把握しよう

猫は、体に不調があっても、それを具体的に飼い主に伝えることはできません。
また、猫は我慢強い性格ですので、自分の不調を隠す傾向があります。
猫が元気そうなときは、健康診断を受けなくてもいいかな、と思いがちです。
しかし、定期的に健康診断を受けて、猫の健康なときの状態を数値で把握することで、異変が生じたときに気が付きやすくなるというメリットがあります。


健康診断では、何が分かる?

健康診断の項目は、猫の状態や年齢を踏まえて、組み合わせることができます。
健康診断のベースになるのが、体の隅々まで触って状態を確かめる身体検査です。
内臓が腫れているか、腫瘍らしきものがあるか等を触診します。身体検査は、予防接種など別の用事で来院したときに、簡単に実施してくれる場合もあります。
体重は、猫の状態を把握するうえで、ひとつの指針となります。とりわけ体重の過度な増減は要注意です。
とくに体重が減少している場合、病気の可能性を疑います。
そこで、内臓の異常やウィルス感染の有無を調べる血液検査、泌尿器系や消化器系の異常の有無を調べる尿・糞便検査に進みます。
動物病院で健康診断を受ける場合、身体検査、血液検査、尿・糞便検査の3点がセットになっていることが大部分です。
そのうえで、「もしかしたらこの病気では?」と先生が予想して、レントゲン検査、超音波検査、心電図検査などに進むというパターンが多いようです。

健康そうに見えてもチェック

慢性腎臓病は最もよく見つかる病気

慢性腎臓病は、猫が最もかかりやすい病気で、健康診断で発覚することが多いことでも知られています。
10歳ころを目安に、加齢と共に症状があらわれます。
慢性腎不全は、猫の体質や生育環境により、若くても発症することがあります。筆者が飼っていた猫は、元野良で幼少期の栄養状態が悪かったこともあり、4歳ころに腎機能の低下が分かりました。
まず、体重の減少により、慢性腎臓病が疑われます。
食欲が落ちていないか、頻繁にトイレに行っていないか、先生に聞かれます。
慢性腎臓病の場合、おしっこが濃縮できなくなり尿が薄くなります。そこで、尿・糞便検査を受けることで、腎機能の状態を把握することができます。
一定以上の腎機能が失われて初めて、尿検査・血液検査の数値にあらわれます。
そのため、数値にあらわれていなくても、体重が落ちている場合には、慢性腎臓病の可能性を疑って、腎臓サポート機能があるキャットフードに切り替えるように助言されます。
筆者の猫は、家に来てから6年で腎不全により亡くなりました。
しかし、キャットフードを腎臓サポートに切り替え、脱水の症状が出てきたら輸液を行い、ぎりぎりまで普通の生活を送らせることができました。

元野良と腎臓

口内トラブル

歯科検診では、歯石が付着しているか、口内炎や歯肉炎などの炎症、できものの有無などを調べることができます。
筆者がいま飼っている猫は、キャットフードを食べたときに口内を気にする仕草を見せたため、歯科検診をお願いしました。
すると、歯肉炎であることが発覚、食事の量が減っていたのか、体重も減少していました。
炎症が進んだら抜歯しないと食事が難しくなるそうです。
しかし、まだ歯茎がしっかりしているため、様子を見ることになっています。
猫は口のなかを見られることを極端に嫌います。
そのため、飼い主が口内のトラブルを確認することは難しいことが多いです。
動物病院の先生ですら、猫があまりに嫌がる場合、麻酔をかけて対応せざるを得ないことがあります。
しかし、口臭、口の動き、体重の減少は、口内トラブルの可能性を疑うきっかけになります。
そこで、臭いや仕草で気になる点があったら、歯科検診を受けることをお勧めします。

口の中を嫌がる

甲状腺機能亢進症

甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンの数値が高くなる、高齢猫に多い病気です。
甲状腺ホルモンは、「元気ホルモン」と呼ばれるなど、体の代謝をよくして活動を活発にする働きがあります。
目がギラギラして、食事もたくさん食べるので、元気であると思っているうちに、病気が進行してしまうことも多いようです。
症状が進むと、元気がなくなり急速に痩せてきます。病院で診療してもらい、初めて病気であることを知る飼い主も少なくありません。
たくさん食べるのに痩せている猫の場合、甲状腺機能亢進症を疑ってみましょう。該当する行動や様子があるようでしたら、血液検査を受けておくと、たとえ違ったとしても安心できます。


猫が「いつも通り」の生活を送るために

猫は体が小さいため、病気が発覚したとしても、大がかりな手術や投薬が最善の策であるとは限りません。
病気の進行を軽減する対症療法を勧められることもあります。
筆者の数匹の飼い猫は、慢性腎不全、歯肉炎、猫免疫不全ウィルス感染症(猫エイズ)等を発症しましたが、健康診断の数値を参考に、できるだけ「いつも通り」の生活ができるように対応しました。
動物病院に行くこと自体を嫌がる猫も多いため、ついつい健康診断は後回しになりがちです。
しかし、飼い主が注意しているつもりでも、猫の体内の状況を把握することは簡単ではありません。
また、健康診断により、悪性の腫瘍など大きな病気が発覚することもあり、飼い主の気分が乗らずに足が遠のくこともあると思います。
たとえ病気が発覚したとしても、慌てたり落ち込んだりする必要はありません。適切な対応をすれば、その後も長く生きる、苦痛を感じることなく見送ることができます。「いつも通り」の生活、これが猫にとって一番の幸せであると思います。
定期健診は、そのような生活を送らせてあげるために何をすればいいのか、考えるきっかけになるのではないでしょうか。

96016ed70a29ac741e1ca2d5a5ff94d8_s

focebookシャアツイート


– おすすめ記事 –

・猫の健康チェックをしましょう!
・見て触って感じる。子ネコの健康状態チェックガイド
・健康チェック《おしっこ編》
・かわいすぎる!!マンチカンから発生した「短足シリーズ猫ちゃん」

 わが家の引っ越し大作戦!(前編)


 もし、猫がOLをやったら・・・想像してみました13枚!


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
中岡 早苗

中岡 早苗

可愛い猫ちゃん達に囲まれながら、猫の知識や暮らしを日々学んでいます。 学んだ情報はどんどんお伝えしていきます。楽しいネコライフをおくりましょう。

関連するキーワード


記事に関するお問い合わせはこちら