日照時間で猫の繁殖周期をコントロール!?猫と光の不思議な関係~筒井敏彦先生の「猫の繁殖の特徴」に関する講習会から~

2016.07.15

日照時間で猫の繁殖周期をコントロール!?猫と光の不思議な関係~筒井敏彦先生の「猫の繁殖の特徴」に関する講習会から~

あなたのお家にいる猫ちゃんがどうやって生まれたか知っていますか?自宅で猫ちゃんの繁殖をされたことがないとあまり知る機会が無いかもしれませんね。猫ちゃんの本能や体の秘密は驚くことばかりです!!今回はそんな猫ちゃんの繁殖や生態の秘密について知り、愛猫ちゃんの両親について考える機会にしてみませんか。

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 7月5日に行われた「猫の繁殖と疾病の予防管理」に関するセミナーで、
国際小動物医学部研究所所長 日本獣医生命科学大学名誉教授
筒井敏彦先生が「猫の繁殖の特徴」についてお話された中からピックアップし、紹介していきたいと思います。

光によってコントロールされる?

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 猫は光に当たる時間により繁殖周期をコントロールされる生き物と知っていますか?
多くの動物たちは繁殖期と呼ばれる時期があり、一年に何度か繁殖が可能な期間があります。
ちなみに、私たちにとても身近な動物である犬は「周年繁殖」と呼ばれる季節に影響を受けない動物です。
この周年繁殖動物は、他にも牛・豚・モルモットなどがいます。
繁殖時期は動物によってさまざまであり、猫の場合、春の少し温かくなり始める時期から始まります。
つまり、日照時間が長い時期が繁殖期ということです。
 こうした光に左右される動物は「季節繁殖動物」と呼ばれる種類になり、さらに、猫のように
春から夏にかけての日照時間が長い時期に繁殖を行う動物を「長日繁殖動物」と分けられます。
猫の他にも、長日繁殖動物には馬・熊・オオカミ・タヌキなどがいます。

どうやって判断ができるの?

 日照時間に左右されるということですが、猫はどうやって光の当たる時間を判断することが
できるのでしょうか。もちろん、時間を計って計算しているとは思えませんよね(笑)
実は、脳の中にある松果体(しょうかたい)という器官が大きく関わっているそうです。
この松果体での光の認識により、メラトニンと呼ばれる物質が分泌されます。
そして、このメラトニンにより、猫の繁殖はコントロールされているのです。

光はどれくらい必要なのか?

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 筒井敏彦先生によると、猫は1日8時間以下の照明であった場合、発情はせず、
1日12時間以上の照明であった場合、発情をするという調査結果を発表した。
そのため、日照時間の比較的短い9~12月は全く発情をしません。
また、冬の期間雪に覆われ、日の光が少ない日本海側は発情が遅いという
調査結果も出ています。

猫の性周期って知ってる?

 人の赤ちゃんの誕生は10月10日と言いますよね。
では、猫の妊娠から赤ちゃんが誕生し、離乳するまでの流れはどのようなものでしょうか。

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 妊娠から出産までが平均67日、2ヶ月ちょっとで生まれるんです、早いですよね。
そこから、猫の子育ては始まります。
ですが、子育て中に繁殖期に突入した場合、どうなると思いますか?
実は、ミルクを与えている間は発情をしないからだになっているんです。
また、子宮の修復が早いため、残念ながら産まれた赤ちゃんが少なかったり、死んでしまった場合
すぐにまた子供を産む準備ができるのだそうです。

まとめ

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①季節繁殖は、日照時間によってコントロールされている
②1日8時間以下の照明では発情は発現しないが12時間では可能になる
③日照関係と繁殖の関係は、脳に存在する松果体から分泌されるメラトニンに
 よってコントロールされている

 少し難しいお話になってしまいましたが、猫のからだの秘密や光との関係について
知っていただけたでしょうか。子孫を残す為に猫のからだには多くの機能が備わっているんです。
お家の猫ちゃんにも、もちろんその機能は備わっています。
愛玩動物としてお家で暮らしていく場合には
避妊・去勢手術をすることで、こうした発情などが抑えられることもあります。
上記の3点を理解し、猫ちゃんへの理解をさらに深めていきましょう。

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坂本 絵美

坂本 絵美

ペットのお出かけスポットやエンタメ情報などを日々追いかけて取材、撮影、執筆までオールラウンドに担当。7.1kgのBIGサイズなチワワ(※肥満じゃないよ)と自由気ままに暮らす4年目の新米ライターです。愛犬を愛でるのと同じくらいスノーボードを愛し、年間30日以上は雪山を渡り歩いてます。フットワークの軽さと動物への愛を武器に皆様へ素敵な情報をお届けします!


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