大の猫好き歌川国芳
幼い頃から絵を描くことが好きだった国芳は15歳の頃、その才能を認められ初代歌川豊国の元に入門します。
ところが兄弟弟子の国貞がデビューを果たし、どんどん売れっ子になっていく傍らで国芳はなかなか世間に認められず、鳴かず飛ばずの不遇の時期が続きました。そんな国芳が一躍脚光をあびるきっかけになったのが、当時一大ブームを起こしていた「水滸伝」を錦絵にする大仕事。鬼気迫る描写の「通俗水滸伝豪傑百八人之壱人」シリーズでは大成功。もともと才能があり努力の人であった国芳は「武者絵の国芳」と称され、人気絵師の仲間入りを果たしました。

国芳の人物像は多く伝えられていませんが、べらんめえな江戸っ子気質で情に篤い人だったようです。彼の人柄を慕って多くの弟子が国芳の元に集まりましたが、国芳は決しておごることなく弟子たちとは家族のような関係であったと言います。
そして特筆すべきは大の猫好きだったということ。
国芳の周りには常に猫がいました。数匹から多い時には十数匹。家には猫の仏壇があり、死んだ猫には戒名をつけてその位牌を仏壇に飾りました。なんと猫の過去帳があったというのですから、一匹一匹へ愛情を注いでいたことがうかがわれます。
国芳は、そうした猫へのあふれんばかりの愛情と関心と豊かな発想力で次々と素晴らしい作品を生み出しました。
神戸で開催中の展覧会に行ってきた

JR三宮駅から徒歩10分。開館直後の神戸市立博物館はまだ人影もまばらで、じっくりと作品を観ることができました。お昼も近くなると入場者も増えだして、絵の前に列ができました。
この展覧会ではなんと写真撮影が許されているのです!あの絵もこの絵も写真取り放題!ということで、国芳の描いた猫を中心に写真を撮ってきました。

会場の入り口には巨大な骸骨が!!「相馬の古内裏」が記念撮影用のブースになっていました。国芳の描く骸骨はそれまでの非現実的なものとは比べ物にならないほどのリアルなものだったのです。

伍助の着物の模様をよーく見てみると・・・

なんとこの髑髏、いろんなポーズを取っている猫で描かれています。国芳の実家は染物屋なので、色彩感覚やデザインのセンスは幼い頃から培われていたのでしょうね。

入り口の記念撮影ブースの絵です。3枚続きの絵は迫力満点です。

真ん中の化け猫が怖い・・・のですが、左右の手ぬぐいをかぶった猫がかわいい!


大きな魚と烏天狗が幻想的です。魚の鱗一枚一枚が美しい。