ヒマラヤンやエキゾチック・ショートヘアなどのペルシャ系の猫に多い遺伝性疾患「多発性嚢胞腎」とは

2016.07.31

ヒマラヤンやエキゾチック・ショートヘアなどのペルシャ系の猫に多い遺伝性疾患「多発性嚢胞腎」とは

多発性嚢胞腎は、ペルシャ系の猫によく見られる遺伝性疾患で、腎臓の内部に液体が入った袋がボコボコといくつもでき、最終的には腎不全の症状を引き起す病気です。多発性嚢胞腎とはどのような病気なのか。原因、症状、治療法、予防法についてご紹介します。

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ヒマラヤンとは?

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ペルシャとシャムを交配させた長毛種の猫種で、目の色はブルーの一色。ブルー・ライラック・シール・チョコレート・フレーム・クリームなどの毛色が存在します。
性格はペルシャの温和な性格を強く引き継ぎ、もの静かで、高いところに登ることなどせず、家の中でじっとしていられる猫です。


痩せているのにわき腹が腫れていたら、多発性嚢胞腎を疑って。

この病気はその名の通り、腎臓に嚢胞が次々と出てくる病気です。子供の頃から発症し始めますが、最初は嚢胞も小さく数も少ないため、飼い主も気づくことはなく、腎臓に4分の3程ダメージを受けないと症状が現れないので、発見が遅れてしまうのです。

飼い主は、体を外見から常にさわり、異変がないかチェックすることを心がけましょう。
この多発性嚢胞腎の症状はわき腹が腫れ、内臓が圧迫されることで、食欲も減り、嘔吐することもあります。
ただ、痛みはないので、食事と体の変化があったら、すぐに動物病院を受診しましょう。

また、ペルシャ系の猫を飼う場合、ペットショップで親や兄弟で多発性嚢胞腎を発症している猫がいないか、確認することが重要です。
確率は1000匹に1匹の割合で発症すると言われ、親猫のどちらかが多発性嚢胞腎である場合は、50〜100%の確率で子猫もこの病気を発症してしまうと言われています。
1歳前後になったら動物病院で健康診断を受けることをお勧めします。


適切な治療方法は?

遺伝性疾患は進行性で、いったん発症し始めれば治療法がないので、症状が悪化する一方です。
特に大きくなった嚢胞の水分を抜いたりする場合もありますが、嚢胞が次から次へと出てくるので、この治療では限界があります。
腎臓は、肝臓のように再生する機能がないため、できるだけ早く病気を見つけ、なるべく腎臓の負担を減らし、腎不全の進行を可能な限り遅らせる対処療法しかありません。

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適切な治療法は常に新鮮な水をたっぷり与え、尿毒素のもととなるたんぱく質などの少ないフードを与える食事療法です。
もしむくみが出たり、血圧が高くなったりすれば、腎臓への負担も高まるため、利尿剤や降圧剤を投与します。
さらに症状が悪化すれば、尿毒素などの有害物質、老廃物を吸着する吸着剤を与え、貧血を補う薬剤の投与、脱水症状の改善やビタミン、ミネラル補給のために皮下に輸液を注入する輸液療法なども有効です。

しかし、多発性嚢胞腎を発症すると、腎機能が低下してくるので感染症になりやすく、また、嚢胞内には抗生物質などの薬剤が浸透しにくいので、治りにくくなります。


予防方法は?

ペルシャ系の猫を飼ったら、まずは検査を受け、病気の素因があるのかを確認し、陽性であれば、素因を持つ血統の猫たちを避妊・去勢して、不幸な子猫が生まれるのを防ぐことが大切です。
また、病気を発症していなくても、食事には気を付けてあげましょう。
常に清潔な水を用意してあげること、フードは蛋白質や塩分が多い食事は避けるようにしましょう。

発症したら、病気とうまく、気長に付き合っていく方法を考えましょう。
飼い主さんの中には、「治らない遺伝性疾患」という事実を知らされ、ショックを受けるでしょう。しかし、できるだけ冷静に病気を受け止め、気長に慢性腎臓病の進行を遅らせる対症療法に取り組んでもらいたいです。

いかがでしたでしょうか。
近年は猫ブーム到来で、ペットショップにも猫を買い求めに来る人が大勢やってきます。
そんな中でもペルシャ系の猫はとても人気がありますが、遺伝性疾患を発症する率がこんなにも高いのであれば、ブリーダーは、全ての成猫・子猫を超音波検査もしくは遺伝子診断をして、多発性嚢胞腎の存在の有無を確認し、この遺伝病がひろがるのを防いでいってほしいと思います。

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nanatsu

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猫は子供の頃からずっと一緒で、大人になった今でも猫を4匹飼っております。保護猫活動のお手伝いもしておりますので、一日が猫に始まり猫で終わるという生活になりつつある今日この頃です。

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