猫のしっぽの形ってどんなものがある?
猫を見ていると表情や模様などに見とれてしまい、しっぽの違いになかなか気づかないという方もいるかもしれません。
しかし、実は猫にはしっぽの種類もいくつかあって特徴があるのです。
しっぽは基本的に長さの違いで呼ばれ方が異なります。体の大きさと等しいほど長いしっぽの「長尾」の猫は、約25~30㎝にも及ぶ長さで「フルテイル」とも言われています。
約5㎝程度と短いしっぽを持つ「短尾」の猫はボブテイルとも言われ、日本にも多くいるしっぽの形です。
長尾と短尾の中間程度の約10~15㎝程度のしっぽです。
しっぽの中にある骨が曲がって形が変わり、かぎのような形になっています。
しっぽが短い短尾の猫よりも短く「しっぽが無い」という状態の猫もいます。
九州には「尾曲がり猫」が多い!?
しっぽが曲がった、いわゆる「尾曲がり猫」は、実はとても幸運をもたらすと言われている縁起の良い猫。
そんな幸せの象徴とも言える猫が九州地方では全国的にも割合が高いと言われています。
一口に「尾曲がり」と言いますが、その曲り様はいろいろとあります。しっぽの先がクルンと曲がっている、まるで団子の様に丸まっているなど・・・。
そんな尾曲がり猫について研究を行ったのが京都大学の野沢謙名誉教授です。
教授の研究によると、全国の中でも長崎・鹿児島・宮崎・熊本などに尾曲がり猫のいる割合が高いということで、研究によりいろいろな事が明らかになりました。
そもそも尾曲がり猫はインドネシア周辺に多く生息していたと言われています。
インドネシアに生息していた猫がどうして日本に・・・?と思ってしまいそうですが、それには古い時代の貿易が関係していました。インドネシアには、江戸時代に日本とオランダとの貿易を繋ぐ東インド会社の本社があったのです。日本の中で貿易の拠点と言えば長崎でしたね。
当時、オランダとの貿易では、木造の大きな船に乗せて大量の荷物が運ばれていましたが、運ばれてくる荷物の中の穀物などを食べていたのがたくさんのネズミ。
運ばれている間に荷物がダメになっては大変ですよね。そこで、ネズミを駆除するという大役を担っていたのが「猫」だったのです。猫達の働きにより、荷物が守られていたのですね。
駆除役として一緒に船に乗ってインドネシアからやってきた猫達が長崎に上陸し、そして自然に増えていったため九州には「尾曲がり」の猫が多いということのようです。
また、長崎にある「長崎尾曲がりネコ学会」が行った調査でも、長崎の猫の「尾曲がり」率が高いことが分かっています。
こちらの学会でも、長崎の猫は江戸時代の貿易により繁殖したものだと推測されています。九州にユニークなしっぽの猫が多いのは、鎖国時代に唯一海外との交流の場であった証として考えると、何だか心温まる感じもします。
しっぽは重要な部分
形がいろいろとある猫のしっぽですが、しっぽの動きで猫の気持ちが分かるとも言われている大事な部分です。
言葉が話せない猫達だからこそ、ボディランゲージは人間とのコミュニケーションに大きな役割を持つ重要な部分なのです。
しっぽを丸めて股の間に挟む時には「怖い」、しっぽを垂直に立ててゆっくりと振る時は「喜び」、しっぽをブワッと大きな毛並にする時は「怒り」など・・・。
知れば知るほど猫の気持ちに近づく感じがしますよね。
また、九州に多い尾曲がりの猫の中のかぎのような形をしたしっぽは、「幸せ」をひっかけてくれるということで、日本だけでなくヨーロッパなどの海外でも好まれている人気の猫です。九州では尾曲がりの猫が多く珍しくありませんが、海外では「かぎ」のような形のしっぽの猫ちゃんは少ないですから、九州で多くの尾曲がり猫と遭遇したら気持ちが高まって幸せな気分に感じるかのかもしれません。
猫と触れ合って癒されるだけでなく、幸運をもたらしてくれるなんて素敵なお話ですね。
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