野良猫の飼い方は?保護までに気をつけるポイントと保護してからについて

2020.08.10

野良猫の飼い方は?保護までに気をつけるポイントと保護してからについて

野良猫を保護して、家で飼い始めたいと思ったときにどのような準備をすればいいのでしょうか? 野良猫を保護するまでに考えたいポイントや保護の仕方、保護してから気をつけることについてまとめてみました。

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野良猫を保護したいと思ったら

野良猫 子猫 飼い方

野良猫を見かけて連れて帰ろうと思っても、少し様子を見てみましょう。
保護するまでにどんなことに気をつけるかのポイントをまとめました。

◆実は飼い猫である可能性も

野良猫と思って連れて帰った猫が実は飼い猫だった場合、無断で連れて帰ると窃盗罪になってしまいます。
よく人に慣れている、毛艶が良い、栄養状態が良好、明らかに純血種、といった様子の猫ならば、首輪をつけていない外飼い猫や迷子猫の場合もあります。
保護した付近での問い合わせや迷子猫の張り紙、動物病院や保健所への連絡、SNSの利用など、本当の飼い主がいないかを確認しましょう。
マイクロチップが入っている場合は飼い主さんと連絡がつきます。読み取りの機械は動物病院にあるので、保護した際に確認してもらいましょう。

◆仲良くなるために安易に餌付けをしない

野良猫を保護する際に、仲良くなるために食べ物をあげるという手段を考える人もいるのではないでしょうか。
しかし、食べ物を与えてしまうと他の野良猫たちが集まってきてしまうこともあります。避妊をしていない成猫は、栄養状態が良くなるほど妊娠してしまう可能性も上がるでしょう。猫は一度で3~5匹の子猫を出産することも珍しくありません。
また、猫は食べるだけではなく排泄もします。ふん尿が迷惑の元となってご近所トラブルに発展してしまうという事も考えられますので、安易な餌付けは絶対に避けてください。

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◆迎え入れることができる環境か考える

野良猫を保護しようと思ったら、まず迎え入れることができる環境かどうかを考えましょう。
猫の寿命が延びている最近では、長ければ20年以上生きる子もいます。子猫はもちろん成猫を保護する場合でも、10年20年経ってもきちんと面倒が見られる環境なのかを考えなくてはなりません。
そして、猫を保護するとなれば捕獲や動物病院での検査代、その後飼っていくためのエサや用品にもお金がかかります。
迎え入れるための準備にかけるお金が十分にあるか、猫がケガをしていたり、病気が見つかってもきちんと治療をしてあげられる費用を準備できるかを考えましょう。
「かわいそう」という気持ちだけで保護し、再度手放したり不適切な環境で飼育したりすることはより猫を不幸にしてしまうだけです。猫を飼う事に大きな責任が伴うという事を理解しましょう。

◆迎え入れる準備をする

偶然捨て猫を拾ってしまった、など想定外の事態では仕方がないですが、あらかじめ野良猫を保護しようと決めている場合は野良猫を保護する準備をしましょう。
野良猫を保護したらまず動物病院に連れていくことになりますので、キャリーバッグは必ず準備をします。
また、家に帰ってきてからもスムーズに生活を始めてあげられるよう、食器や給水器、トイレ、ケージ、ベッド、キャットフードなど生活に必要なものを揃えておきます。
既におうちに先住猫がいる場合は、必ず先住猫と別に用品を用意してあげてください。

◆野良猫の保護の仕方

既に人に馴れている子や、子猫の場合は保護も簡単にできる場合が多いですが、あまり人馴れしていない長く野良生活をしていた子などは保護にも一苦労することでしょう。
また、人馴れしている子でもいざ保護するとなると、嫌がって暴れたり逃げたりする場合もありますので保護は慎重に行ってください。
馴れていない子を保護する場合は「捕獲器」という装置を使用して捕獲することになります。
捕獲器は動物病院や保護団体などでも貸出を行っている場合があるので、事前に問い合わせをしておきましょう。
公道や他人の私有地に捕獲器を設置することはできませんので、必ず許可を取るか自分の家の敷地内に設置する必要があります。
使用する前には捕獲器の使い方を教わって、安全に使用しましょう。


野良猫を保護したら

◆病院で健康チェック

野良猫の場合、健康そうに見えても何らかの病気を持っている可能性が高いもの。子猫の場合は抵抗力も弱く、ほんの少し処置が遅くなったことが命取りになることも。
またおうちに先住猫がいる場合はその子に病気やノミダニをうつしてしまう場合もありますので、家に迎え入れる際には必ず動物病院に連れて行きましょう。

野良猫がかかっている可能性の高い病気は以下のものがあります。

– 猫ウイルス性鼻気管炎感染症 –

いわゆる猫風邪と呼ばれるもので、咳、くしゃみ、目やに、鼻水などの症状があります。

– 下痢 –

原因は様々で、回虫症やコクシジウム感染症やジアルジア症は寄生虫が原因です。コロナウイルスとその変異株の猫伝染性腹膜炎などのウイルス性のものもあります。
子猫の下痢は治療が遅れると治りにくくなってしまい、体力をどんどん奪っていくことになります。

– 皮膚病 –

ダニ、ノミ、カビ(真菌)、細菌などが原因です。体を痒がり、部分的に毛が抜けたり、ただれたりしています。

他にも空腹のせいで異物を食べてしまう誤飲や、猫同士の喧嘩や人間によるいたずら、交通事故などが原因の外傷があるかもしれません。しっかりと病院で検査、処置する必要があります。

– 子猫がかかりやすい病気についての記事はこちら –
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また、成猫の場合は脱走してしまった迷い子の可能性もありますので、動物病院でマイクロチップの確認もしてもらいましょう。

◆すぐに病院に行けない場合は

本当なら野良猫を拾った当日、遅くても翌日には病院に連れていくことが好ましいのですが、都合が悪くすぐに連れて行けない場合は何をすれば良いのでしょう?

・すぐに共同スペースに入れない
野良猫は先に述べた人畜共通感染症を持っている確率が高いので、ケージや段ボールで隔離します。体力があり、人に慣れていてシャンプーができるようであれば、ノミ取りシャンプーで体を洗ってあげてもいいですね。
シャンプーが難しい場合は、顔や体を綺麗に拭いてあげるだけでも良いでしょう。

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◆子猫のお世話は慎重に

生後間もない子猫は排泄の世話が必要です。歯が生えていない場合は猫用ミルクを哺乳ビンで人肌に温めて与える必要があります。子猫は体温調節が未熟なので保温してあげることも重要です。

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◆ワクチン接種

成猫の場合はもちろん、お母さん猫からの免疫が失われる生後8週〜12週以降の子猫も、病気にかかったときの苦痛を軽減するためにワクチンを接種しましょう。
ワクチンは1〜7種と、組み合わせによって分類されていますが、猫ウイルス性鼻気管炎カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症に対するワクチンは、全ての飼い主さんに受けておいてほしいコアワクチンに指定されています。

– 子猫のワクチン接種についての記事はこちら –
子猫のワクチン接種はとっても大切!必要な理由や接種時期を知ろう

◆里親を探す

偶然子猫を拾ってしまったけど家庭の事情で飼えない、たくさん拾ってしまって全部は飼えない、など自分で抱えきれない場合は里親募集をすることとなるでしょう。
現在は様々な方法で新しい家族を探すことができます。ポスターを近所や動物病院などに貼る、SNSなどで募集をするなど、拾った方に合った方法で探してあげてください。
SNSはインターネットを介してたくさんの人に見てもらうことができますが、猫を引き取って虐待をしたり、飼育放棄や捨ててしまうといった心のない人の里親詐欺に遭う可能性もあります。
里親募集の際には名乗りを上げた人をしっかりと見極めて、猫ちゃんを幸せに育ててくれる人を見つけましょう。

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◆不妊手術を受ける

成猫で不妊手術がされていない場合、妊娠を望まないのなら避妊手術を受けさせましょう。避妊手術は避妊効果だけでなく、乳ガンや子宮内膜症、子宮蓄膿症などの病気を防ぐこともできます。
オス猫の場合は去勢手術によってマーキングのスプレー行為、大声で鳴くといった問題行動が減少するようです。
しかし、不妊手術を受けることも、麻酔のリスクや太りやすくなるなどデメリットもあります。
これからの飼育スタイルを考慮しながら、避妊・去勢手術を受けるかを決めましょう。


まとめ

野良猫 子猫 飼い方

野良猫を保護するまでと、保護してからの飼い方について解説いたしました。
保護の際には近所に迷惑をかけないよう注意し、捕獲器の使用については十分注意をしたうえで保護してあげてください。

月齢の小さい子猫や、元々人馴れしている野良猫の場合は、人から譲り受けた猫と大差ない飼い方ができるでしょう。しかし、人馴れしていない野良猫はまるで誘拐されて来たような気持ちでいることは想像できますね。
最初は威嚇したり、猫パンチが出たり、ご飯さえ食べてくれないかもしれません。外に出せ、と夜中じゅう大声で泣き続けるかもしれません。飼い方がわからなくなって、途方にくれるかもしれません。けれど気長に、ゆっくりと何年もかけて付き合う心構えでいましょう。

野良猫は家猫とくらべ寿命が極端に短いものです。でも、飼い主さんのお世話によってはもちろん長生きしてくれるでしょう。
「あなたのことが大好き」「あなたを守るよ」そんな気持ちで接していれば、いつの日か臆病だった野良猫が愛らしいパートナーに変身しているかもしれません。



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