血統書付きの猫だから優秀は勘違い?猫の血統書の意味や種類について

2017.05.16

血統書付きの猫だから優秀は勘違い?猫の血統書の意味や種類について

ペットを飼っている人たちとの会話をしていると、「血統書つき」というワードを聞くことがありますよね。「血統書」という言葉は「純血の猫を証明するもの」「しっかりした生まれの猫」などと、かなり優秀そうなイメージが強く定着していますよね。そもそも血統書とは何なのでしょうか?そこで、「何が書かれている?」「発行場所は?」「血統書で知っておきたいこと」など猫の血統書について解説していきたいと思います。

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そもそも猫の「血統書」って何?

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血統書と聞くと、猫の保証書のように「猫が優秀ですよ」という証明書だと思っている人もいるかもしれません。

ひとことで血統書を説明するなら、まずは「猫の戸籍証明」ということになります。
人間と違って猫たちは生まれてからすぐに親や兄弟と離ればなれになりますよね。そこで、生まれた猫について血統書に登録することで、両親や祖父母がどんな猫なのかが分かる「戸籍」のようなものになっています。

猫の血統書があるということは、ブリーダーさんが猫の出生をきちんと登録団体に届け出た証とも言えますので、「しっかりとしたブリーダーさんである」という信頼できる見極めにもなります。血統書がない場合には、「どうして血統書がないのだろう?」と思いますよね。悪質な業者である可能性も否定できません…。

猫の出生証明的なものなので、「血統書=優秀」とは言い切れませんが、「血統書=不正ではない」という安心感を抱くという方も多いでしょう。

では、具体的に血統書にはどんなことが書かれているか、内容について紹介していきます。

◆どんなことが書かれている?血統書の内容とは

血統書に記載されている項目は、「猫の名前」「猫の種類」「猫の毛色」「猫の生年月日」「両親と祖先」「繁殖者」「所有者」「登録年月日」「譲渡年月日」「登録番号」などかなり細かい事柄が記載されています。血統書の書式など書類の詳細については、発行する団体によって若干異なります。

祖先については、両親と祖父母、曽祖父母までの系統図が記されています。それを見ればその猫の血筋が分かるようになっています。

◆血統書はローマ字表記?!どうやって見ればよいの?

血統書を見ると何やらローマ字でいろいろと記載されています。記号で書かれていることも多く、何をどうやって見たらいいか分かりにくいと感じる方も多いでしょう。

用語についても各団体によって表記方法が異なることもありますが、一般的なものについて見てみましょう。

– 一般的な事項に書かれている用語 –

【Name of cat】
猫の名前のことです。繁殖した人の名前、登録されたときの猫の名前が記載されます。

【Sex】
登録された猫のオスかメスかという性別の記載です。

【Breed】
猫の種類のことです。

【Color】
登録猫の毛色です。

【Eye color】
登録猫の目の色です。

【Rasistration NO】
登録された年月日です。

【Date of birth】
登録された猫の誕生日です。

【Breeder】
登録した猫を繁殖した人の名前です。

【Owner】
登録された時点の所有者の名前です。

– 系統図に記載されている用語 –

【CH】
チャンピオン

【GCH】
グランドチャンピオン

【PR】
避妊去勢済猫(プレミア)

【NW】
ナショナル・ウィナー

これらの用語は、祖先として記されている猫たちが「キャットショーなどでどんな経歴があるか」について記載しているものです。
上記以外でも、どんなタイトルをとったかなどが詳しく記載されています。


血統書はどこから発行されている?

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ひとくちに血統書と言いますが、実は発行場所は一ヵ所ではありません。世界的に通用するものなのか、日本の団体が独自に出しているのかの違いもあります。

単に「飼い猫として育てている」というだけなら、どこで発行している血統書でもそれほど違いはありません。
ただ、キャットショーに出るなどの際には世界的に通用する団体で発行された血統書でないと、認められないことがあります。

◆世界的にも通用する血統登録団体は?

世界各国には、いろいろな血統登録団体がありますが、世界的に通用する血統登録団体を紹介します。

・CFA(The Cat Fanciers Association)
CFAは、アメリカ、オハイオ州に本部がある世界で最も大きい愛猫団体です。アメリカ全土をはじめ、ヨーロッパ、アジア、カナダ、ロシア、日本などに所属クラブがあります。

活動としては、血統書の発行やキャットショーの開催、書籍やビデオも発行されるなど、「猫」関係の広い活動が行われています。世界的にも知名度があり、愛猫家なら知っていることが多いでしょう。

CFAの血統証明書は、厳しい審査のうえ認められた猫たちという証でもあります。世界最大級のCFAで発行された血統書は、世界的にも公式のものとされています。

・TICA(The International Cat Association)
TICAは、1979年設立で純血猫の血統登録や繁殖情報の提供、キャットショーの開催をしている団体です。キャットショーを開催している世界最大級の団体です。

◆日本での血統登録団体は?

日本には日本独自のキャットクラブがたくさんあります。それぞれで、猫たちの血統を管理して証明書を発行しています。
世界的に共通するCFAやTICAの証明書とは記載内容や方法も異なる部分はありますが、「猫種」「生年月日」「登録番号」「両親や先祖の名前」などが書かれているのは同じです。

ただ、日本独自のキャットクラブが発行したものだと、キャットショー出場などにおいて、世界的には通用しないものとなります。


血統書の役割って何?

血統書が発行されていると安心感があり、イメージが良い感じもしますが、実際にはどんなときに役立つものなのでしょうか。

◆純血種が受け継がれていることが分かる

世界的に共通する血統書では、証明書のなかにスタンダード(基準)が定められています。スタンダードは、その猫種が持つべきものの特徴、標準的なものとうことです。
例えば、「長い毛、長い足、長いしっぽが魅力」という猫種がいたとしましょう。すると、代々その基準をクリアした親、祖父母、曽祖父母から生まれた猫は、将来的にもスタンダードの審査に認められるほどに成長していくと考えられますよね。

つまり、血統書の系図でお父さんやお母さん、おじいちゃんやおばあちゃんまで確認し、交配が正当にされていると分かれば、「猫種そのものの基準が受け継がれていますよ!」という証明となります。

悪質な繁殖者のなかには、「純血種ですよ」といいながら、異なる種類を交配させていることも少なからずあるようです。血統書で系図を見れば、それについても分かるので安心感には繋がるのかもしれませんね。

◆キャットショーに出るときに役立つ

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キャットショーに出るときには血統書が必要になります。正式に通用するものは、CFA、TICAなど世界的に通用する大規模な愛猫団体のものです。
キャットショーを考えているひとには、大事な役割を持つ証明書となるんですね。

◆繁殖をするなら血統書が必要

これから繁殖する可能性があると思っているなら、血統書を持っている必要があります。


血統書の名義変更ってどうすればいいの?

血統書が発行されている猫ちゃんを購入したら、手元に血統書が送られてくることでしょう。ただ、この時点では所有者は登録した時点の繁殖者のものとなっています。

◆名義変更をした方がいいの?

ペットショップやブリーダーさんから渡された血統書の「名義を変更するか?しないか?」については、個人それぞれの考え方によって異なるでしょう。

今後、ショーなどに出す可能性がある、繁殖の予定がある場合には、早めに名義変更をしておくといいかもしれませんね。

◆名義変更は早くすべき?費用はかかる?

名義変更では、その血統書が発行された日から一定期間を過ぎると、手数料が高めとなってしまいます。そのため、購入した時点で「名義変更をするつもり」と考えているなら、費用が安く済む期間に手続きをした方がいいでしょう。

また、名義変更するためには、血統書が発行されている団体への加入が必須です。入会金や年会費など、費用がかかります。
会員となれば、名義変更をした新しい血統証明書が送られてくるとともに、クラブで発行している会報が送られてくるなど特典があり、団体の活動を知ることもできます。名義変更して会員になるなら、手続きに費用がかかることを事前に理解しておきましょう。

◆名義変更しなくても大事に保管しておこう

キャットショー出場の予定、繁殖の予定がなく、「ペットとして可愛がるだけ」ということであれば、名義変更をしないという飼い主さんも多くいることでしょう。
名義変更をしないでそのまま所有するにしても、書類は失くさないように大切に持っておくようにしましょう。

もし、途中で気が変わって名義変更する場合でも、手数料は高くなってしまいますが手続きは可能です。書類は失くさないように大事に保管しておいてくださいね。


血統書があるといいものなの?

日本では「血統書付き」と聞くと、グレードが高く品質がよい高級感というイメージを抱く方も多いでしょう。なんとなく、血統書を持っているというだけで「優秀だろう」と思えてもきますよね。

実際には血統書があるからといって、高い品質が保証されているということとは、イコールとは言えませんが、どんな血筋を受け継いでいるのかが「血統書」を見れば分かるメリットもあります。
前項でお話したように、「キャットショーに出したい」「繁殖をしたい」という場合には、血統書が必要になりますが、そういった予定がない場合には必ずしも必要とは言えません。なかには「血統書がなくても大丈夫」と考えている飼い主さんもいるでしょう。一緒に仲良く幸せに暮らすことには変わりないので、こだわりを持たなくてもいいかもしれませんね。
血統書つきの猫を購入するかしないかについては、それぞれの考え方次第なので「どうすべきか」については正しい答えはないものですよね。

逆に血統書にこだわって購入したとしても、しっかりと育てることができなければ、猫ちゃんとの関係もよくないものになります。
「血統書」という証明書だけにこだわるだけで、猫ちゃんに必要な知識を理解しようとしなければ、健康状態が悪くなったり、病気を発症してしまうこともあるでしょう。それに、しつけがしっかりできなければ、いくら血統書がある猫であっても「問題猫」となってしまう可能性もあるのです…。「血統書がある」ということだけで飼育を怠れば、猫に対しても可哀相で不幸な思いをさせるだけになってしまいますよね。

大切なのは、血統書にこだわるだけでなく、「責任と愛情」を持ってしっかりと飼育していくことなのかもしれません。


まとめ

いかがでしたか?

「血統書」とひとくちに言っても、発行する団体もたくさんあり、その内容についてはそれぞれ異なります。

血統書は猫ちゃんたちのルーツを知るうえで「純血種」の証となる大切な書類です。ただ、血統書があるから優秀、血統書がないからそうではない…という基準になることではありません。

血統書で認められた純血であっても、そうでない雑種であっても、ペットとして家族に迎えたなら、同じように大事でかけがえのない存在です。「血統書があるかどうか」ということよりも、愛猫のために食事管理や健康管理をしっかりすること、飼育する環境を整えること、飼い主としての責任を持つこと、知識をしっかりと持つことなど大切なことがたくさんあります。

一緒に笑顔になれるようにコミュニケーションをしっかりとって、愛情をたっぷり注いであげたいものですね。



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中岡 早苗

中岡 早苗

可愛い猫ちゃん達に囲まれながら、猫の知識や暮らしを日々学んでいます。 学んだ情報はどんどんお伝えしていきます。楽しいネコライフをおくりましょう。

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