【獣医師監修】【猫の皮膚病】猫の皮膚はどんなしくみ?かかりやすい皮膚病について

2017.06.24

【獣医師監修】【猫の皮膚病】猫の皮膚はどんなしくみ?かかりやすい皮膚病について

猫ちゃんにも私たち人間にも共通してある皮膚ですが、動物と私たち人間の皮膚の仕組みや機能は同じなのでしょうか。今回は、猫の皮膚の仕組みや機能を知り、猫ちゃんがかかる病気「ノミアレルギー性皮膚炎」「ツメダニ症」「皮膚糸状菌症」などの皮膚病に関して勉強してみましょう。

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動物の皮膚の仕組みと機能について

まず、私たち人間にもある皮膚に関して勉強してみましょう。

◆皮膚の仕組み

皮膚の仕組み

皮膚というのは、猫ちゃんも私たち人間も共通して、3つの皮膚組織から出来ています。体の表面から体の内部に向かって、順に表皮・真皮・皮下組織という3つの皮膚組織です。

みなさまもよくご存じと思いますが、一番外側の表皮の表面に、角質層があります。この角質層の細胞は、表皮の一番下の基底層の細胞が分裂を続けて、表皮の表面へと移動して表皮表面の細胞を補給し、垢として剥がれ落ちていくということを、繰り返すのです。

◆皮膚の役割

この皮膚ですが、いったいどういう役割があるのでしょうか?

・水分の蒸発を防ぐ
猫ちゃんの体も私たち人間の体も生物の体は約70%が水分だそうです。この大切な水分が蒸発してしまうということを防ぐということも皮膚の大きな役割の1つです。

・抗体を作る
紫外線や細菌や有害物質などが体内に侵入することも防ぐ為に抗体を作るという役割もあります。

・感覚や温度を感じる
真皮には知覚神経といって、感覚・痛覚・熱感・冷感・などを感じる器官があって、ものに触れた感覚や痛みや温度を感じるということも出来ます。

・衝撃から体を守る
皮膚と皮下脂肪によって、外部から受ける衝撃から体を守るという役割もあります。

その他にも、「脂肪、栄養を維持する」「血圧を正常な状態に保つ」といった役割もあります。

このように改めてみてみると、皮膚の役割というのは、体にさまざまな影響がある大切な器官ということのようですね。

◆人と猫の皮膚の違い

ここからは、猫ちゃんの皮膚と私たち人間の皮膚で違うことを見ていきましょう。

まず、大きく違うのは、猫ちゃんの皮膚はそのほとんど全身が被毛で覆われていること。

そして、猫ちゃんの皮膚をつまみ上げると、私たち人間の皮膚よりも伸びて持ち上がるということ。これは、皮膚の下にある筋肉と皮膚がゆるく結合している為だということだそうです。ちなみに、猫ちゃんの皮膚は、一番外側にある表皮が人の表皮よりも薄いそうです。

また、私たち人間とは違って、猫ちゃんには汗を出すエクリン汗腺が足の裏にある肉球にしかないので、私たち人間のように汗をかいて体温調節をするということができないのです。

では、実際に猫がかかりやすい皮膚病にはどのような病気があるのかみていきましょう。


猫がかかりやすい皮膚病の種類、特徴は?

◆ノミアレルギー性皮膚炎

ノミアレルギー性皮膚炎

ノミは高温多湿という環境を好み、年間を通して室内で繁殖をし続けます。日本には70種類以上のノミがいると言われているそうです。

その中でも、猫ちゃんに寄生することが多いのはネコノミとイヌノミで、ネコノミによるものがほとんどです。イヌノミの頭部は太く丸く、一方でネコノミは頭部が細かく前方に突き出ているのが特徴です。ノミは家族にも感染し、皮膚炎を起こしてしまう可能性もあります。

ノミは、卵→幼虫→さなぎ→成虫の4期を、通常は2~3週間で繰り返します。
ネコノミにとって最適な環境のである温度:18~27℃、湿度:75~85%というなかでは、卵は1~10日で孵化するそうです。幼虫は9~10日の間に3回も脱皮をし、さなぎは5~10日間で成虫になるのだそうです。そして、成虫になったノミは3~4週間も生息します。

ちなみに、ノミに刺されるという物理的な刺激によって起こる皮膚炎である「ノミ刺咬性皮膚炎」とは区別されます。
ノミ刺咬性皮膚炎の症状は、耳の周囲、首、背中、尾の付け根を掻きむしったりするなどです。ノミ刺咬性皮膚炎の場合、ノミ取り用の櫛を使ってノミを見つけた時には、殺ノミ剤で駆虫をするそうです。

– ノミアレルギー性皮膚炎の原因 –

猫がノミに噛まれた時、ノミの唾液中にある物質に対して過剰なアレルギー反応を起こしてしまうことが原因です。

ノミに刺された猫ちゃんがみんなアレルギー反応を起こすかというとそうではなくて、ノミに対して過敏症の猫ちゃんに起こります。また、ノミが寄生している数が少なくてもアレルギーは起こるそうです。

– ノミアレルギー性皮膚炎の症状 –

・耳の周囲や首、背中、尾の付け根などのノミに刺されやすい部位の痒み
・脱毛(背中の中心部分から臀部など)
・発疹
・かさぶた

– ノミアレルギー性皮膚炎の予防法 –

猫ちゃんの体の表面と周囲環境の両方からノミの駆除が必要です。市販でも駆虫剤が売っているので、飼い主さんの判断だけで購入することもできます。

ですが、獣医さんに相談した場合、有効性が高く、副作用も少ない駆虫剤を教えて頂けるので、安全性を考え、獣医さんに相談することをお勧めします。

また、猫ちゃんの住んでいる環境下にはノミの成虫、多数の卵やサナギがいます。掃除機などを使ってこまめにお掃除をして常に清潔な状態を保ちましょう。

– ノミアレルギー性皮膚炎の治療法 –

まずは、原因のノミの駆除をします。そして、副腎皮質ホルモンの投与をすれば改善するようです。また、二次感染がある場合には、抗生物質の投与も必要になるようです。

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◆ツメダニ症

ツメダニ症

ツメダニの成虫の体長は約0.4~0.5mm。顎の部分の触肢の先端に名前の由来にもなっている大きな爪状の構造があります。猫ちゃんの体表で産卵して、その卵は、そのまま宿主である猫ちゃんの体表で孵化し、幼ダニになり、成長して成ダニになります。

ツメダニには種類があって、ネコツメダニ、イヌツメダニ、ウサギツメダニなどがあり、主に猫ちゃんにはネコツメダニが感染します。

– ツメダニ症の原因 –

ツメダニが猫ちゃんの皮膚や被毛に寄生することが原因で発症します。殆どの場合、感染を受けた動物との接触によって感染してしまうようですが、環境による感染もあるそうです。また、長毛種の猫ちゃんへの寄生が多いようです。

– ツメダニ症の症状 –

・フケが増加する
・急にかゆみが生じる
・皮膚の角質層が大小の角質片となって剥げ落ちる(落屑)

– ツメダニ症の予防法 –

感染を受けた動物との接触によって感染してしまうことがほとんどということですから、まず第1に、感染を受けた動物との接触を避けることが必要です。

また、このツメダニの寄生を受けている猫ちゃんから私たち人間へ感染することもあるそうです。その際、激しいかゆみや皮膚病変を起こしたりすることがあるそうですので、猫ちゃんが感染していたら、早急に獣医さんの診察を受けて猫ちゃんの治療をして頂いて、私たち人間への感染してしまう事を避けましょう。

– ツメダニ症の治療法 –

ツメダニの駆除をします。その際、シャンプーをしたり、お薬を使用したりして治療するそうです。ピレスロイド系・カルバメート系・有機リン系の各種の殺ダニ薬、イベルメクチン、セラメクチンというお薬を使うようです。

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◆皮膚糸状菌症(白癬)

皮膚糸状菌症(白癬)

皮膚糸状菌症は、皮膚糸状菌という真菌、つまりカビによって起こる感染症です。

普通は若い猫ちゃん、子猫ちゃんに発症しやすいそうですが、最近では5歳以上の比較的高齢の猫ちゃんにも発症してしまうこともあるようです。高齢の猫ちゃんに発症した場合には、栄養や免疫、ホルモン異常などの病気にかかっているかも知れません。

– 皮膚糸状菌症(白癬)の原因 –

猫ちゃんには、皮膚糸状菌の中でも代表的なミクロスポルム・カニス(犬小胞菌)という真菌が皮膚や被毛、爪に寄生することで感染します。みなさまの中には耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、私たち人間の水虫も皮膚糸状菌の一種なのです。

– 皮膚糸状菌症(白癬)の症状 –

・顔や耳介や四肢などをはじめとして全身に軽いかゆみを伴う小さな円形の脱毛
・脱毛部分のフケ
・かさぶた
・皮膚の角質層が大小の角質片となって剥げ落ちる(落屑)

毛に覆われているところでは、この円形の脱毛を見つけることが難しいこともあるようですが、毛を刈ると小さな円形の皮膚病変がはっきりわかります。
爪に感染した場合は、爪が変色したり、爪の周りの皮膚が腫れたり、爪が抜け落ちることもあるようです

– 皮膚糸状菌症(白癬)の予防法 –

感染している猫ちゃんやワンちゃんなどとの接触を避けるましょう。猫ちゃんが普段いる生活している環境下に菌が落下することもありますので、普段からこまめにお掃除や消毒をすることが予防になります。
おふろに入る事が可能な場合、猫ちゃん自身もシャンプーをして清潔な状態を保ってあげることも予防につながります。

また、私たち人間にも感染してしまいますので、猫ちゃんを抱くことが多い人は、猫ちゃんが感染していると抱っこした人にも感染して、皮膚が赤くなり、その赤みが円形に広がったり、脱毛したりすることもあるそうですので注意が必要です。

– 皮膚糸状菌症(白癬)の治療法 –

自然に完治する場合もありますが、多くの場合で抗真菌剤を外用薬または内服薬で使用するそうです。重症の場合には、患部だけ、または全身の毛を刈る方が、効果があるようです。その他、薬浴剤で洗浄することも効果があるようです。

症状が治まるまでには1か月位かかり、さらに、その後2~4週間、お薬の投与を継続しなければならないケースもありその場合には治療には数ヶ月を要します。


皮膚病を予防するためには?

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猫ちゃんの皮膚病の種類はワンちゃんほど多くないようですが、皮膚病が重症化しやすいようです。

その原因は、猫ちゃんは毛繕いするので猫ちゃん自身が患部をなめてしまったり、引っ掻いてしまったり、自己治癒能力が低下している場合もあるようです。
また、ブラッシングのし過ぎも良くないようです。シャンプーをする場合、猫ちゃんの体質に合ったシャンプーを使用するようにしましょう。

その他、飼い主さんが猫ちゃんの異変に気付いていても放置したり、気付かなかったり、諦めてしまったりということも重症化になる原因のようです。異変に気付いたら、早めに獣医さんの診察を受けることをおすすめします。

猫ちゃん皮膚病を予防するには、猫ちゃんがかゆがっていたり、皮膚が赤くなっていたり黒くなっていたり、くさい臭いがしたり、毛が抜けるなどの症状がある場合には、早目に獣医さんの診察を受けることが予防に繋がります。


皮膚病で獣医さんにかかる場合

獣医さんの診察を受ける際に役立つと思われることをいくつかあげておきますので、参考にしてください。

・いつからこの症状が発症しているか
・最初に発見したときより症状が悪化しているか
・かゆみがあるか
・飼い主さんが何かお薬を使用しているか
・シャンプーをしたのはいつか
・猫ちゃんが舐めたり噛んだり掻いているか など

それにプラスして、発症している季節、猫ちゃんの暮らしている環境、どんなものを与えているかという食餌の内容、他に同居している動物の様子などもあわせて診断するそうですので、こういったことも獣医さんにお伝えできるようにしておきましょう。

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※


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生きてる半分以上にニャンのいる生活をしている、ニャン大好きな神戸のおばさんです。 現在は居ないのですが、ニャンの居る生活をしたい!と家族を説得中です!(=・・;=)キビシソウデスガ

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