ウイスキーづくりに猫が必要なのはなぜ?世界で働くウイスキーキャットたち

2018.05.23

ウイスキーづくりに猫が必要なのはなぜ?世界で働くウイスキーキャットたち

適度な量で気持ちをリラックスさせる癒し効果があるお酒。毎日の仕事の後の楽しみにしている人も多いでしょう。ビールやウイスキー、カクテルなど、お酒にはたくさんの種類がありますが、今回はウイスキーづくりに猫が必要だといわれている理由と、そこで活躍する「ウイスキーキャット」についてお届けしたいと思います。

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ウイスキーづくりに猫が携わっているって本当!?

猫,ウイスキー

スコットランドでは、美味しいウイスキーづくりに「猫」が携わっています。彼らは地元では「ウイスキーキャット」としておなじみ。いったいどんな猫達なのでしょう。

◆ウイスキーの産地として有名なスコットランド

ウイスキーは世界各国で作られていますが、世界5大ウイスキーとして名高いのが「スコットランド」「アイルランド」「アメリカ」「カナダ」「日本」。
なかでも、生産量がナンバーワンなのがスコットランドのウイスキーです。

英国の北部にあるスコットランドは、古くからウイスキーづくりが盛んな地域です。スコットランドの蒸留技術の歴史はかなり古く、研究と開発が進められてきた伝統的があります。
ビートの独特な香りが特徴的なスコッチウイスキーは、世界でもファンが多いお酒と言えるでしょう。

◆ウイスキーづくりに猫が必要な理由とは?

100を超える数のウイスキー蒸留所では、かつては、「猫の存在なくしては美味しいウイスキーが作れない」と言われていたくらい猫達は重宝されていました。

日本では、忙しいときに「猫の手も借りたい」などという言い回しをすることがありますよね。だからと言って、猫が手足を使ってウイスキーづくりに直接携わることは難しいでしょう。

猫がウイスキーづくりで必要とされるのは裏方作業ですが、美味しいウイスキーづくりには欠かせない重要な作業。それが何かというと、「ネズミ捕獲」です。

◆ネズミ退治で大活躍した猫たち

ウイスキーの原料といえば、大麦やトウモロコシ、ライ麦といった穀物類。ウイスキー蒸留所には、その穀物類を求めるように小動物が集まり、特に「ネズミ」が集まってきます。ネズミは「蒸留所の仕事の邪魔をする敵」とも言える存在だったのです。

しかし、体が小さく、すばしっこいネズミの姿をとらえるのは人間にとっては至難のわざ。まさに「猫の手も借りたい」と言わんばかりの状況だったのでしょう。

困った人間たちは、ネズミ退治が得意な猫の力を借りることにしたのです。そこで活躍した猫たちが「ウイスキーキャット」です。


スコットランドで活躍した「ウイスキーキャット」

◆蒸留所で伝説の猫「タウザー」

1775年からの創業「グレンタレット蒸留所」は、スコットランドのなかで最も古い蒸留所。その蒸留所を語るうえで、外せないのが「タウザー」というメス猫がいた事実です。

タウザーが生きた年代は、1963~1987年。24歳という生涯を閉じるまで、グレンタレット蒸留所にて、なんと28,899匹という大量のネズミの捕獲をしたネズミハンターだったのです。
この生涯のネズミ捕獲量は世界一なので、ギネスにも認定されているんだそうです。そのことから、ものすごい働きをしたことが分かりますよね。

タウザーが「24歳」まで生きていられたのは、猫としてはかなり長寿なのではないでしょうか。ネズミを捕まえる仕事という使命感をどこかで悟り、長生きに繋がっていたのかもしれませんね。

◆グレンタレット蒸留所にはタウザーの銅像も

Paul Koudounarisさん(@hexenkult)がシェアした投稿

グレンタレット蒸留所には、このタウザーのことを忘れまいと銅像にまでなっています。銅像になった凛々しい表情のタウザーを見ていると、今でも愛するグレンタレット蒸留所のことを見守ってくれているような気がします。

3万匹近い捕獲量で蒸留所の仕事に貢献したタウザーは、ウイスキーキャット達のなかでも「ヒーロー」的存在と言えそうです(タウザーはメス猫なのでヒロインと言った方がいいかもしれませんね)。

◆アメリカにもいた!宣伝活動が得意なウイスキーキャット

蒸留所を守るウイスキーキャットの存在は、スコットランドばかり…と思いきや、遠く離れたアメリカにもいました。

アメリカ、ケンタッキー州のウッドフォードリザーブ蒸留所で活躍していたのが「エリヤ」という猫。
エリヤは、フレンドリー過ぎる性格から蒸留所を訪れる人々の人気者になり、食べものをたくさんもらっていたのだそうです。「ネズミを捕獲して食べなくてもみんながくれる!」と知っていたのか、自らネズミを捕る行動はあまりしなかったと言われています。

ただ、エリヤ目的に蒸留所を訪れる客たちも多かったので、「ネズミ捕獲」という仕事よりも、宣伝活動の任務の方を日々こなしていたのでしょう。エリヤ人気は、写真を通じて広く発信されていました。

実は、エリヤも20年以上と長生きした猫。スコットランドのタウザーと同じように、多くの人に愛され、日々接客活動をしていた「仕事」のおかげで長生きできたのかもしれませんよね。

◆美味しいウイスキーが飲めることは猫たちのおかげでは?

ふだん何気なく飲んでいるスコットランドのウイスキーには、こういったウイスキーキャットの猫の陰ながらの働きが隠されていたと思うと感慨深いものがありますよね。

猫のことを思いながら味わうと、さらに美味しさがアップするかもしれませんよ。


今もウイスキーキャットは活躍している?

◆蒸留所のネズミの数は激減している

穀物を狙うネズミが多数いた頃の時代と比較すると、スコットランドの多くの蒸留所では衛生面や設備面でも環境が整ってきた理由から、ネズミの数も激減しています。

猫たちにネズミの捕獲を頼まずとも、そもそも見かけないのだとか。一年を通じても、ネズミの数は1匹もしくは2匹という数のことがほとんどとなってきているようです。

◆近年のウイスキーキャットは「マスコット的存在」

現在、さまざまなウイスキー蒸留所で日々任務を遂行しているウイスキーキャットは「ネズミを捕まえることを目的」ではなく、「マスコット的存在」に任務が移行しています。

可愛すぎるウイスキーキャットを一目見ようと、蒸留所に訪れる人の数は多いです。
猫たちもとても人懐こい様子で、集まった人々に対し「蒸留所にようこそ」と言っているかのように看板猫となっています。人間に慣れているため、サービス精神旺盛から愛嬌たっぷりな表情や動きを見せてくれているようですね。

◆SNSでも大人気のウイスキーキャット

特に、人気を集めているのはウイスキーの樽の上でゴロゴロとくつろぐ猫の様子。実際に訪れないと見ることができない蒸留所ならではの光景は貴重です。

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そんなウイスキーキャットの様子を「可愛い」とカメラで撮ったお客さんたちが、インスタグラムやフェイスブックなどのSNSで拡散していきます。
それを見た人々が実物のウイスキーキャットを見たくて蒸留所に訪れる…という流れ。

現在のウイスキーキャットは、まさに広告塔のような活躍ぶりを見せているのだそうですよ。

昔とは任務内容も異なり、数も減ってはきていますが、今でもウイスキーキャットは蒸留所に必要な存在です。


世界中で働く「猫」たち

ウイスキーキャットのように人間の右腕にもなる働きをする猫ちゃん達は世界中にたくさんいます。

勇敢にも見えると同時に、健気に働く猫の姿が可愛らしく注目されている、そんな働く猫たちをご紹介します。

◆イギリスにいる公務員として働く猫!!「首相官邸ネズミ捕獲長」

イギリスでは公務員としてイギリスの首相官邸に勤務している猫がいます。思わず、「えっ?!」と思わず聞き返したくなりますよね。

首相官邸のあるダウニング街には、古い時代からネズミ被害に頭を悩ませていました。ネズミの被害は、食べ物を狙うだけでなく、建物にもかなりのダメージを与えるもの…。
そんな被害を減らすべく雇われたのが「ネズミハンター」として名高い猫たちだったのです。

1500年代初め頃からネズミ捕獲のために飼われた猫たちは多かったものの、彼らの優秀な働きぶりが評価され1924年になると役職名をつけて正式雇用される運びとなりました。

公務員として正式採用されている猫たちは、なんとお給料までもらっているのだとか!かなり本格的なお仕事なんですね。

ただ、お金をもらっていると言っても猫が自由に使えるわけではないので、「彼らの食費&生活費」として使われているのだそうです。

◆ネズミ捕りが苦手な首相官邸ネズミ捕獲長「ラリー」

「捕獲長」として活躍してきた歴代猫のなかには、ネズミハンターとしての能力が足りない子もいて「クビ」になりかかった猫もいます。
それが2011年から雇用されているラリー。

ラリーは、社交性のある性格で来訪者を温かく迎えるなど注目されていましたが、本来の業務である「ネズミ捕り」に関しては成績が良くなかった模様…。

しかし、現在でも彼なりに仕事を頑張っています。首相官邸のネズミを退治するべく日々奮闘、イギリス中から注目の的になっています。

◆イギリス外務省でも雇用開始!ネズミ番の猫の活躍がすごい

首相官邸に続き、イギリスの外務省でも正式雇用されることになったネズミ番の猫が2016年4月に採用された「パーマストン」です。

もともと野良猫だったパーマストンが保護施設で暮らしていたところを「ネズミ捕獲係として」とお声がかかったのが雇用された経緯です。

パーマストンの仕事ぶりは、かなり優秀です。雇用後1年弱で、なんと20匹以上ものネズミを捕獲したのだとか!
人間が見つけただけでも20匹以上ということなので、もしかしたら見えないところでもそれ以上の数をハンティングしているかもしれませんね。いずれにしても「スゴイ能力」です。

◆ライバルのラリーとパーマストン

ちなみに、近所であることから、首相官邸のネズミ捕獲長「ラリー」と外務省のネズミ捕獲長「パーマストン」は、道端で顔を合わすこともあるのだそうです。
しかし、彼らはどうやら相性がよくないようで、お互いをライバル視している様子が伺えます。

パーマストンが雇われて数か月後に初対面したとき、パッタリ会った2匹の間にはパチパチと敵対する火花が散っていた様子が確認されています。
その後、本格的な闘いにより、お互いがケガをするという深刻な不仲ぶりがイギリス中の注目の的になっているようです。

それから数年たった2018年の初めにも「ケンカ勃発しそう」な画像が公開されています。

◆おもちゃ倉庫の番猫…イギリスの警備員猫ちゃん

イギリスにあるおもちゃ倉庫の番をする任務で雇われた猫もいます。

番猫として雇用された猫がいるのは、有名なおもちゃメーカー「バンダイUK」の倉庫。商品が多数管理されている倉庫では、部外者に侵入されては困るものですよね。
忙しい時期を迎えると「不審動物&不審人物」が外から侵入するのを防がなければなりません。

そんなときに任務をまかせられたのが一匹のメス猫だったのだそうです。

彼女はとても注意深く「慎重派」で、倉庫を守る番猫としてぴったりの性格。おもちゃを守る役目に適任だったため、正式雇用となったのです。

しかも、母印ならぬ「足印」を押しつつ交わしたという彼女とバンダイとの雇用契約書には「仕事の対価としてキャットフード&魚を与える」という文章がきっちり書かれていたとのこと。かなり本格的な雇用契約を交わしたそうです。


まとめ

いかがでしたか…?

愛猫家の人のなかにも「ウイスキーが好き」という人は多いかと思います。ウイスキーづくりの長い歴史のなかで、猫たちが働く背景があったと知ると美味しい気持ちもさらに高まりそうですね。

また、ウイスキーキャットだけに留まらず、世界では正式に「お仕事」として働いている猫ちゃん達も多くいます。仕事をきっちりこなす猫の姿を見ていると、なんだか感動しますね。

ツイッターなどでもその働きぶりを知ることができるので、猫好きな人は是非一度チェックしてみてはいかがでしょうか。彼らの可愛らしい働きぶりを写真で見ると、遠くからでも応援したくなることでしょう。



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中岡 早苗

中岡 早苗

可愛い猫ちゃん達に囲まれながら、猫の知識や暮らしを日々学んでいます。 学んだ情報はどんどんお伝えしていきます。楽しいネコライフをおくりましょう。

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