【獣医師監修】猫の血便の原因と対処法は?健康状態はうんちでわかる!

2018.09.23

【獣医師監修】猫の血便の原因と対処法は?健康状態はうんちでわかる!

猫は体調が悪いと暗くて狭いところでじっとしていたりします。とはいえ単に気に入った場所で過ごしているだけなのか、体調不良なのかわかりにくい猫。猫の体調不良を判断する例として、うんちを観察する方法があります。 特にうんちは出ているかどうか、うんちの状態が健康なものかどうかとてもわかりやすいのです。そんなうんちが血便だった場合は、獣医さんへいくサイン。猫のうんちを片付ける時、ぜひ健康チェックを一緒にしてあげましょう。

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猫の正常なうんちとは?

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◆猫の正常なうんちの状態を見極めよう

うんちは、毎日出ているかどうかで便秘かどうかわかりやすいですね。ただ、猫によってはうんちの硬さや回数は個体差がありますので、すぐに体調不良とはならないかもしれません。

判断基準として、毎日のうんちの状態を見て、便秘気味の猫なのか、軟便気味の猫なのか知っておくことが大事です。
特に、猫のうんちが血便だった場合は、最も緊急事態。獣医さんへ行くサインです。また、血便の他にも、正常なうんちと体調不良のサインのうんちがあります。

一般的な猫の健康的なうんちについてご紹介しましょう。

◆猫のうんちのチェックのしかた

1)猫のうんちの回数
猫のうんちの回数は、一日に1~2回が一般的です。

ただ、子猫と成猫でもうんちの回数は違います。子猫は一日で小出しに複数回ということもありますので、うんちが固まっていて食欲があれば、心配することはありません。

食事の回数と同じ回数のうんちか、1回少ない回数が目安です。

2)健康的なうんちの状態
猫の健康的なうんちについては、以下のチェックをしてみましょう。

・うんちの長さは人間の大人の人差し指くらい
・コロッとしている
・うんちをすくって崩れない
・うんちをすくってみて猫砂があまり付着しない
・うんちにつやがある

うんちの水分が適度なものの場合、うんちにつやがあります。また、猫砂もうんちの表面にあまり付着しません。

3)体調不良を判断するうんちの臭い
通常は、食べている餌によってうんちの臭いが違ってきます。猫は同じ餌だと飽きて食べなくなってしまい、何種類か交互に与えることが一般的。餌を変えた時期に臭いが違ってきても、慌てることはないのです。

下痢のうんちの臭いは特有で、人間の下痢の臭いに似ています。下痢や体調不良のときは、うんちの臭いが鉄さびのような血の臭いや、消化不良の腐った卵の硫黄の臭いなどがします。

4)猫のうんちの中身
うんちの中に未消化の餌やビニールの破片、紐状のものなどが混じっていないか確認しましょう。
異物を食べている場合は、消化器官を傷つけている可能性があります。誤飲するようなもので遊ばせたりしないこと、うんちに血便が混じっていないか観察しましょう。

紐状のものを誤飲すると、うんちが連なっておしりからたれていることがあります。慌てて引っ張ると腸を痛めますので絶対NGです。そのまま獣医さんに連れて行ってくださいね。

また、誤飲以外でも、食べ物などによる消化不良をそのままにすると、体調不良の原因になります。餌の量を調節したり、柔らかくしたりして様子を見ましょう。

5)猫のうんちの色
うんちの色は、体調の異常を見分けやすいポイントになります。うんちが赤ければ、血便というのはわかりやすいですね。さらに黒い場合も血便の可能性があります。

血便が赤いか黒いかは、出血している場所で違ってきます。うんちが黒い場合は、出血しているのが胃だとドス黒くコールタールのような軟便になります。血便については次で詳しくご紹介します。

うんちの色は、食べたものに左右されやすい特徴があります。加工食品で紅い色素を使ったものを食べさせると、そのまま赤いうんちが出ることがあります。食べたもので色が変わりやすいため、日頃の観察が判断基準のためにも大切です。

◆うんちの量が多ければ健康というわけでもない

太くてりっぱ、硬すぎず柔らかすぎず、そんなうんちをたくさんすると、つい腸内健康と誤解してしまうことがあります。

実はうんちの量が多いというのは、餌の消化する割合が少なく、そのまま体内に排出している可能性もあるのです。十分な栄養が吸収できず、栄養不足になってしまうことも。質の良い餌は、意外にうんちの量が少なめだったりします。

うんちを観察して、便秘や下痢などで数回続くなら、獣医さんに連れて行くと判断しますが、血便の場合は緊急度が高いと思ってください。


猫が血便になる原因は?

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血便は、うんちの表面や中に血が付いている状態を指します。同時に、食欲不振や倦怠感、下痢や嘔吐、便秘などの症状がある場合があります。

◆猫が血便になる様々な原因

血便の原因には、次のようなケースや病気が考えられます。

・異物の誤飲:猫が異物を飲み込んでしまい、消化器官を傷つけ出血している場合。
・便秘や下痢:硬い便を出そうとして、肛門付近が傷ついてしまう場合。また、下痢を繰り返すとやはり肛門付近で出血することも。
・大腸や小腸のトラブル:うんちが血で覆われているケース。
・胃のトラブル:うんちが黒い場合やうんちの中に血が混じっている場合。

◆出血箇所の特定が大切

うんちに血が混じっているということは、うんちが通ってくる途中で出血している箇所があるということ。

赤い血便の場合は、比較的排便する間近の箇所、大腸や肛門付近ケースと考えられます。出血している場所の特定と原因究明が必要です。獣医さんへ連れていきましょう。

実は、血便で獣医さんへいく猫は珍しくありません。血の色や猫の年齢、うんちの硬さや状態によって、原因や症状の重症度が違っています。

◆血便の状態で考えられる出血の部位

1)うんちの中に血が混じっている場合
うんちの中に赤い血が混じっている場合は、胃で消化された後の小腸や大腸の前半部分で出血があったことを意味します。

2)うんちの表面に血がついている場合
うんちの表面に赤い血がコーティングされている場合は、出血箇所が大腸の後半から肛門付近を意味します。

3)うんち全体が黒い場合
便全体が黒い場合は、餌を口にした段階から、胃や小腸など消化する過程で早い段階に血が混じったことを意味しています。

4)下痢で血便の場合
赤い下痢は、胃や腸が炎症をおこし出血しているケースがあります。


猫の血便から考えられる病気は?

猫が血便になった場合、以下のような病気になっている可能性があります。

◆大腸の病気

・大腸炎
寄生虫や細菌感染、植物アレルギーなどが原因になり、大腸に炎症が起こります。下痢、血便、嘔吐、食欲不振、体重減少などの症状が多く見られます。

大腸炎やウイルス性腸炎は、炎症を抑える食事療法や抗菌薬など投薬します。下痢が完全に良くならない場合は、ステロイドや免疫抑制剤を使用することもあります。

・大腸の腫瘍
悪性腫瘍(ガン)や良性のポリープが原因の場合があります。

・猫汎白血球減少症
原因はパルボウイルスで、このウイルスは重度の腸炎を引き起こします。激しい下痢や嘔吐で衰弱してしまい、致死率が高い恐ろしい病気です。うんちに鮮血が混じることもあり、黒いうんちが出ることもあります。

パルボウイルスの治療としては、体力の低下を防ぐため点滴やインターフェロン製剤が使われます。また、二次感染の予防として、抗生剤投与などが基本になります。

残念ながら罹患した場合の特効薬はありません。予防のワクチン接種が大変重要な病気です。

◆小腸の病気

・小腸の腫瘍
猫の小腸にできる腫瘍は悪性(ガン)である可能性が高く、転移しやすい傾向にあります。下痢や嘔吐、体重減少など、血便の他に様々な症状が確認されます。

・寄生虫
鉤虫症は母子感染なども多く感染力の高い寄生虫です。小腸に鉤虫が住みつき、腸の粘膜に噛みついて血を吸うため貧血や下痢、便に血が混じることがあります。

寄生虫が原因の場合、まず治療は駆虫薬の内服になります。あまりにも体力が落ちている場合は、点滴などで栄養補給することも。とにかく寄生虫を体外に出すこと治療の第一優先になります。

◆胃腸の病気

食べたものによる中毒や胃潰瘍などが原因の場合があります。胃に炎症が起きている状態で、嘔吐するケースが多く、うんちが血便になる場合は、同時に吐いた物も血が混じっている可能性があります。

猫に多い胃腸の腫瘍には、リンパ腫・腺癌などがあり、内視鏡や開腹手術で病理検査します。全身状態が悪く、体重が減少して様子がおかしいと獣医さんに連れていくケースも多く、病期の進行と治療がスピード勝負になります。

治療は、リンパ腫の場合では抗がん剤の化学療法が主体。腺癌の場合は、外科手術で切除がされます。術後に抗がん剤の投与などや検査などの治療が継続されます。


猫が血便したときの対処法は?

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◆獣医さんに連れていく判断基準

血便は緊急性が高い病気の場合が多いので、すぐに獣医さんに連れていきましょう。あきらかに数日うんちが出ず、便秘で肛門が切れている以外、時間外の場合は救急病院につれていく必要があります。血便はそれほどの緊急事態だと思ってください。

たまたま食べたものの色素が排出されたものや、病気からくる血便かどうか判断できないときも、まず獣医さんにうんちを診てもらう事が大切です。

◆獣医さんには必ずうんちを持参

獣医さんでは、血便の原因を特定するためうんちを検査します。病院には、必ずうんちを持っていくようにしましょう。

うんちの色や形、臭いも原因を特定する重要な手がかりです。特に血便の場合は、血の色や混じり方でどの箇所からの出血が起こっているのか予測できます。

排便直後の便を持参するのが一番ですが、半日程度ならラップやビニールで密閉して乾燥しないように持参します。

●うんちを採取するときの注意点

・うんちが血便だったらできるだけ早く採取
・ラップやビニールなどで密封し、水分を保つ
・うんちの量や形状も大事な判断材料、可能な限り全て採取
・血便以外に混じっていないかも確認

うんちを獣医さんが検査するPCR検査(遺伝子検査)では、一回の検査で10種類の病原体を調べることもできるのです。大切な原因究明の手がかりになります。

◆診療のときに獣医さんに伝えること

診療を受けるとき、獣医さんに伝えるポイントがあります。長い付き合いの獣医さんになら、日頃から猫の体質などを把握してくれていますが、緊急外来の場合は特に大事な情報になります。

・ぐったりしていないかどうか
・食欲はあるかないか
・うんちの回数
・異物を飲み込んだりしていないか
・嘔吐や下痢など、血便以外の症状があるかどうか
・これまでの既往症の有無など

診察では体重の減少や、触診して痛みや異物、腫瘍などがないかを確認されます。肛門周囲から出血していることもあるので、おしりも念入りに見られるでしょう。


猫のうんち・血便についてのまとめ

血便の原因は思ったより多く、原因によって治療法は違います。罹患すると特効薬がないものの、予防法があるものや、治療薬はあるのに予防は難しいものなど。

日頃から猫のうんちを確認して健康状態を知ることが大切です。猫によって個体差がありますので、うんちの回数や形、色などもよく観察しておきましょう。

異常の早期発見、細かな情報を獣医さんに伝えることで、検査や治療がより早くでき、猫に過度な検査やストレスを与えずにすみます。

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※


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にゃんこ

にゃんこ

子供の頃から柴犬と捨て猫を拾って育ちました。今は二匹のねことマンション暮らし。ペットとの生活で、一戸建てと集合住宅の便利さ不便さをそれぞれ経験し、楽しく暮らしています。

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