外飼いの猫は幸せなの?家と外を行き来するリスクが知りたい!

2021.06.01

外飼いの猫は幸せなの?家と外を行き来するリスクが知りたい!

猫は自由意識の強い動物だから、室内だけではなく外に行き来できる生活こそが幸せだ。 このように外飼いを推奨している方も、たくさんいらっしゃることかと思います。 たしかに猫にしてみれば、そのような生活は幸せのような気もします。 ですが、果たしてこのような外飼いの猫は、本当に幸せだと言えるのでしょうか? 今回は猫の外飼いについて、考えていきたいと思います。

猫の外飼いとは

屋根の上にいる茶トラ猫

猫は、私たち人間と共存して生活することが当たり前となってきている昨今ですが、一昔前の猫は愛玩目的のペットとしてではなく、ネズミを狩るための家畜として人間の傍に置かれていました。

人間の役に立つだけではなく、その愛らしさからペットとして人間の傍に置かれるようになっていった猫ですが、自由奔放な性格から家と外を自由に行き来することのできる外飼い猫が主流だった時代もあるのです。

最近では、猫は室内飼いが当たり前と認識している飼い主さんも多いですが、空前の猫ブームが到来してからは、完全室内飼いを推奨する飼い主さんが多くなってきているのです。

そんな時代の流れの中でも、一定数の外飼い支持の飼い主さんが居るようですが、完全室内飼いをされている飼い主さんには、どのような飼い方なのか分からない方もいらっしゃるかもしれません。

猫の外飼いとは、以下のような飼い方を指しています。

◆家と屋外を行き来させること

外飼いとはその呼び方の通り、家の中と外とを自由に行き来できる放し飼い状態の飼い猫のことを言います。

家の中でご飯を食べて眠り、暇になったり室内に飽きたりすれば、外に出て外の世界で猫なりの過ごし方をするといった生活です。

外飼いの猫は、外の世界にもテリトリー(縄張り)を持っていることが多いので、パトロールも兼ねて外に行く必要があるようです。

お腹が空けば家に戻り、爪とぎやトイレは外で済ますなど、猫によって外飼いルールは異なりますが、外飼いのメリットはストレスが堪り難くなるといったところでしょう。

◆完全室内飼いとは

外飼い猫は家と外とを行き来できますが、その反対に完全室内飼いの猫は、室内だけで暮らし、外に出ることがありません。

このようなことからも、外飼いを推奨する方にとって完全室内飼いは窮屈に感じられるかもしれませんが、しっかりと室内の環境が整ってさえいれば家の中だけの飼育でも満足できるのです。

完全室内飼いはメリットも多く、デメリットが少ないので、愛猫の幸せを願うのなら室内から出さないことが一番と言えるのではないでしょうか。


猫の外飼いにはリスクがたくさん

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その反面、猫の外飼いにはさまざまなリスクがつきものです。

猫の自由を奪うことを望まない方が、飼い猫を外に出すという行為には、どんなリスクが考えられるのでしょうか。

◆交通事故

外飼いの猫が常に危険と隣り合わせと言えるのが、交通事故です。

交通事故は完全室内飼いであれば、まず遭遇することはありません。

特に家と外を自由に出入りする猫は、外で暮らしている野良猫より警戒心が弱いので、事故に遭ってしまう危険性が高いのです。

ほかにも屋外でパニックになったり、不本意に家から離れた場所まで行ったりした場合、さらに交通事故のリスクが高くなってしまうので危険です。

年間で猫のロードキル件数は30万頭を超えるとも言われています。

◆喧嘩などによる怪我

外飼いの猫は基本的にテリトリーが狭く、家からそう離れた場所まで行くことはないと言われてはいますが、ほかの猫のテリトリーに入ってしまうこともあり、不本意ながらにも喧嘩になってしまう場合もあります。

野良猫は基本的に単独行動を好む動物なので、部外者を徹底的に追い出そうとします。

そしてそのような部外者にも手加減はしないので、家の中だけで暮らしていれば決して無いような怪我を負ってしまうこともあるのです。

◆感染症

家の外で別の猫に遭遇する機会があれば、感染症のリスクも高くなります。

ノミやダニなどの寄生虫をもらってしまうこともあれば、ウイルスなどの感染症をもらうリスクも必然的に高まりますよね。

猫だけでなく蚊やマダニなど、虫から媒介する病気に感染する危険性もあるので、完全室内飼いよりも病気を患ってしまう外飼いの猫は非常に多いです。

◆連れ去り

外飼いの猫はいくら身なりがキレイであっても、野良猫に間違われることがあります。

野良猫だと思って捕まえて自分の家族にしようとする人、そしてもっとも恐れるべきは虐待をするために連れ去ろうとする人です。

人に馴れた外飼いの猫ちゃんであれば、人間が近づいても強く警戒することがないので、連れ去りのターゲットにされてしまうことも多いのです。


猫の外飼いはトラブルの元になることも

猫好きにとって、猫は愛すべき動物に間違いありませんが、すべての人が猫好きだとは限りません。

SNSなどを見ていても、一部のユーザーからは外飼いをしている飼い主に対してマナー違反を訴えているコメントなども見られます。

外飼いは違法ではありませんが、猫のどのような行動がマナー違反として受け取られてしまうことがあるのでしょうか。

◆糞尿被害

猫はどんな狭い道や場所もスルスルと通ることができるので、放し飼いにしていると自宅以外の敷地に侵入してしまうことがよくあります。

庭に花壇があるご家庭では、猫がその場所をトイレとして使用することもあり、排泄前後の砂かきで植物が掘り起こされてしまうことも。

このような猫の糞尿被害は、猫を飼っていないご家庭では迷惑でしかないので、外飼い猫と判明すれば苦情やトラブルの原因となってしまうことも多いです。

◆器物破損

猫は冬などの寒い季節になると、暖を求めて車やバイクなどのエンジンの熱を求めることがあります。

所有者の居る車のエンジン部分に潜りこんでしまったり、バイクの椅子部分で爪を研いでしまったりと、傷を付けてしまうこともあるようです。

このような場合には、飼い主さんが器物破損で訴えられてしまう可能性も否めませんので、外飼いのリスクとして認識しておかなくてはいけません。

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◆生態系への影響

外飼いの猫が増えてしまえば、必然的に生態系を脅かす存在が増えることとなります。

猫は狩猟動物なので、獲物になる対象が居れば、本能的に仕留めたいという思いを抱くことでしょう。

「たかが自分の家の猫一匹ぐらいで…」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、この考え方をする飼い主さんが何千、何万人も居れば、その数分だけの外飼い猫が生態系に影響を与えかねないとは言い切れません。

特に小さい島などでは、その島にしか住んでいない固有種が存在していることがあります。

その固有種を外飼いから増えた野良猫が捕食してしまい、数が減ってしまっているケースもいくつか問題となっています。

このようなことからも猫を排除すべきと考える方々も一定多数は存在していますので、猫を捕まえて保健所に連絡し、殺処分されてしまうこともあるのです。

大切な愛猫を守れるのは飼い主さんだけですので、外飼いはトラブルの元であるということをしっかりと理解しておくようにしましょう。

なにより、大切な愛猫が近所の人から「迷惑な存在」として認識されてしまうのは悲しいですので、屋外への放し飼いをしている場合は一度考え直した方がいいかもしれません。


猫と長く一緒にいるために

猫が外へ自由に出ることができるのはとても幸せなことのように感じますが、病気やケガのリスク、ご近所トラブルなど後に問題が起きてしまうことがほとんどです。

それだけでなく、外飼いの猫は完全室内飼いの猫よりも寿命が短いとも言われているので、長生きしてもらうためにもデメリットの多い外飼いはおすすめできないと言えるのではないでしょうか。

猫と一日でも長く一緒にいるために、飼い主さんができることとは何かを今一度考えてみましょう。

◆完全室内飼いをしよう

やはり愛猫を危険に晒さないためにも、外飼いではなく完全室内飼いにしてあげるのが一番です。

外の世界が自由だったとしても、常に危険と隣り合わせであれば、家の中で暮らした方がずっと幸せではないでしょうか。

飼い主さんが健康を管理し、常に愛情をいっぱい注いであげれば、きっと猫ちゃんも幸せに感じてくれるはずです。

また、家の敷地内に小屋を用意して飼育するなども外飼いと変わりませんのでもちろんNGです。

猫は犬のように外で首輪とリードを付けて暮らすことは不向きなので、家の中で安全に暮らせるように環境を整えてあげましょう。

◆キャットタワーやおもちゃでストレス発散

生活環境を整えてあげるだけで猫のストレスは軽減し、外に出たい欲求もなくなるので、快適に過ごせるようなお部屋を目指してみるのもおすすめです。

家の中でも運動ができるようにキャットタワーやステップを設置し、かまってほしいとおねだりされればおもちゃなどで遊んであげると良いでしょう。

毎日少しでも一緒に遊ぶ時間を作れば、運動不足も解消され愛猫とコミュニケーションをとることもできます。

そして落ち着いてゆっくり休める場所があれば、ストレスを溜めず退屈せずに毎日を過ごすことができますので、外に出たい欲求も抑えることができるかもしれません。

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◆脱走防止の対策をしよう

外飼いの猫を完全室内飼いにしたとしても、はじめのうちはほとんどの猫ちゃんが外に出たがるはずです。

飼い主さんが玄関や窓を開けたときなど、隙あらば外に出ようとすることでしょう。

愛猫が脱走しないためにも、猫が脱走しそうな場所は柵や鍵などを用いて、しっかりと対策をすることが大切です。

また、万が一脱走した場合でも捜索が可能なように、身元表示のできるアイテム(名札付きの首輪、マイクロチップなど)を取り付けておくことも検討しましょう。

愛猫が脱走して不安な日々を過ごすことがないように、さまざまな事柄を想定して行動することによって安心して過ごすことができますよ。

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まとめ

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自由を好む猫の気持ちを尊重して外飼いを推奨する飼い主さんはいらっしゃいますが、猫が傷つき辛い思いをしないためにも外に出すことはおすすめできません。

この世に生を受けた動物が幸せに暮らすためには、美味しいご飯を食べ、毎日を平和に過ごすことではないでしょうか。

外の世界にはさまざまなリスクが付きものなので、生活環境の整った家の中で完全室内飼いをしてあげることこそが、猫にとっても一番幸せなはずです。

昨今の私たちの生活でも不要不急の外出自粛を求められているように、猫もしっかりと外出自粛をして、安全な毎日が過ごせるようにしてあげましょう。



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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。


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