サーバルキャットについて知りたい!日本で会える場所はあるの?

2021.01.02

サーバルキャットについて知りたい!日本で会える場所はあるの?

猫好きの方であれば、ネコ科の動物にも自然と興味が湧くものです。 その中でも容姿がより猫に近く、見た目も可愛いネコ科動物といえば、サーバルキャットを思い浮かべる方も多いことでしょう。 大きな耳や細長い四肢が特徴的なサーバルは、人気アニメの影響もあり、知名度が一気に上がりましたが、生態については知らないという方も多いのではないでしょうか。 サーバルキャットについてもっと知りたいという方のために、彼らの生態をより詳しく紹介していきたいと思います!

サーバルキャットの特徴

周りを見回すサーバルキャット

サーバルキャットの「サーバル」という言葉の意味には諸説あり、ポルトガル語で「スペインオオヤマネコ」や「猟犬」などを意味するとされ「lobo-cerval(鹿のような狼)」が由来になっているとも言われています。

そんなサーバルキャットですが、どんな環境で生活し、どんな性格の動物なのか特徴なども知りたいところですよね。

サーバルキャットには、どのような特徴があるのかをまずは見ていきましょう。

◆身体的特徴

サーバルキャットを動物園などで見たことがない方であれば、写真や動画などでその姿を見て知っている方が大半だと思いますが、見た目は猫に似ていてとても可愛らしいですよね。

ですがサーバルキャットは猫よりも体が大きく、体長は60~100cm程度、尻尾の長さは20~45cm程度、体重は6~18kg程度と言われています。

体の比率的に猫と比べてみると、尻尾はやや短めですが、その変わり猫よりも細長い四肢を持ち、先端が丸みを帯びた大きな耳を持っています。

頭部が小柄で手足が長いことからも「サバンナのスーパーモデル」といった呼ばれることがあるそうです。

そしてサーバルキャットのもっとも印象深い特徴と言えば、美しい斑点模様ではないでしょうか。

体毛は柔らかい短毛となり、体色は黄色から黄褐色、そして全体的に黒い斑点が入っていますが、頭部から肩にかけては筋状の黒いラインが入っています。

この黒いラインはサーバルキャットの目の下にも入っており「ティアーズライン」と呼ばれ、日光の眩しさを軽減させてくれる効果があるのだとか。

お腹や四肢の内側、耳の裏などは白っぽい体色となっていますが、中にはクロヒョウのように突然変異を起こして、真っ黒や真っ白の個体が産まれてくることもあるそうです。

全体的に小柄なチーターのような見た目のサーバルキャットではありますが、その生態はどのようなものなのでしょうか。

◆生態

自然界で生きているサーバルキャットは、主にサハラ砂漠以南のアフリカ大陸などのサバンナ(熱帯・亜熱帯の草原地帯)や、その周辺の森林に生息しています。

砂漠地帯や熱帯雨林以外の地域であれば順応できるため、比較的広い範囲での生息が確認されてきたようです。

基本的には夜間に行動をする夜行性の動物ですが、朝夕の日差しが強くない時間帯にも行動し、繁殖期には母親と子どもが一緒に過ごすと言われています。

サーバルキャットも肉食動物なので、自分で狩りをして餌を確保することがほとんどですが、その対象となるのはネズミやウサギをはじめとした小型の哺乳類です。

これらの野生動物以外にも、鳥や昆虫、果実などの食べ物を餌として捕獲することも。

獲物を捕獲するときは草むらなどに隠れて、高くジャンプをして飛び掛かるスタイルです。

最大で3mほどジャンプが可能なので、飛んでいる鳥すら捕獲が可能と言われることもあるようです。

また、大きく特徴的な耳は聴力が高いので、土の中の動物や昆虫の音も聞き逃しません。

そして木登りや泳ぎも得意な動物なので、狩りの成功率が高いとも言われています。

子育てをしているメスは、ツチブタやヤマアラシなどの古巣を活用するので、子どもの安全を近くで確保し狩りに集中します。

サバンナのような大草原の中で、単独で狩りをする動物としては、驚異的な成功率の高さと言われているのも納得ですよね。

狩りは単独で行いますが、鳴き声(金切声や叫び声)を出すときは、仲間とコミュニケーションをとっていると考えられているようです。

◆性格

猫のような可愛らしい容姿を持ち、犬のような賢明さを持つと言われることのあるサーバルキャットですが、実際はどのような性格なのかも気になるところですよね。

見た目の愛らしさからも、猫のように穏やかな性格をしているように見えますが、気性が荒く、ときには犬をも倒してしまうほど、獰猛な性格をしていると言われています。

ですが、サーバルが幼い子ども時代から、人間と共に暮らしていく環境が整っていれば、猫のように人に懐き、喉を鳴らして甘えることもあるそうです。

若い個体であれば訓練次第で、人の気持ちを理解してくれるようになるので、このようなことからも犬に近い性格と言われることがうかがえますよね。


サーバルキャットを購入することはできる?

振り返るサーバルキャット

サーバルキャットは若いうちから訓練をすることによって、一緒に暮らすことができるのであれば「是非一緒に暮らしてみたい!」と思う方もいらっしゃることかと思います。

しかしサーバルキャットは、ペットショップに行っても販売されているところを見たことがないと思います。

果たして一般の方でも、サーバルキャットの飼育は可能なのでしょうか?

◆サーバルキャットの価格はどれくらい?

サーバルキャットは、過去日本でも購入することが可能でした。

ですが、前述した通りサーバルは人に懐きにくく危害を加える恐れがあることから、特別な規則や規定がある野生動物です。

ペットショップに行けば購入できる動物ではなく、許可を得て活動しているブリーダーなどから購入しなくてはいけません。

価格は安くても1頭につき200万円前後はするので、思い付きで購入ができる動物ではないことがうかがえますよね。

◆ペットとしての飼育を始めることはできない

かっこよくて魅力的なサーバルキャットですが、現在ペットとして飼育を始めることはできません。

サーバルキャットは環境省の指定する「特定動物」という人に危害を加えるおそれのある危険な動物とその交雑種に分類されており、2020年6月1日より新規に愛玩目的で飼育することが不可となりました。

環境省:特定動物の飼養又は保管の許可について
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/danger.html

法律が変わるまでに飼いはじめた方については、飼育を始める際に飼育環境についての審査や、都道府県知事または政令指定都市の長からの許可が必要となっていました。

室内ではサバンナの草原のような環境は整っていないので、野生本来の生活をさせてあげることが難しいからです。

そして餌代も猫の何十倍もかかりますので、天寿(寿命は飼育下で20年程度)を全うするまでは、相当な維持費がかかることになりますよね。

病気を患った場合も、普通の動物病院では特定動物を診察できないことの方が多いので、飼育にはかなりのハードルがあったことがわかりますね。

日本でも2020年6月に、飼育施設からサーバルキャットが逃げ出したとしてニュースになりました。

この個体は人間に危害を加えることなく保護されましたが、長距離を移動してお腹を空かせていたのであれば、人間の子どもなどに襲い掛かっていた可能性も否めませんよね。

実際に猫よりも大きいサーバルに遭遇すれば、大人でも怖いといった感情を抱くことが普通ですし、このようなイレギュラーな事態が絶対に起きないとは言い切れません。

そして、法律が変わってしまった現在サーバルキャットを飼い始めることは現実的に考えて不可能と言っていいでしょう。


サーバルキャットは動物園で会える!


サーバルキャットと一緒に暮らすことが難しくても、日本でも会いにいくことは可能となります。

どこに行けば、可愛くてかっこいいサーバルキャットに会えるのでしょうか?

◆もともとはアフリカの固有種

サーバルキャットはアフリカの固有種となるので、野生のサーバルに会いたいのであれば、アフリカまで足を運ばなくてはいけません。

しかし、アフリカでは森林火災などの被害も大きく、足を運んだだけで野生のサーバルキャットが確実に見られるとは限りませんし、最近ではどんどん生息地が狭まってきているとも言われています。

もともとサーバルキャットは毛皮が美しいと言われることや、害獣として扱われることが多く、そのような理由からも昔から乱獲されてきた動物です。

なので生息数が減少していることもあり、絶滅も危惧されていますので、サーバルに会いたいのなら、しっかりと生態を管理しながら保護している、日本の動物園に足を運ぶのがおすすめですよ。

◆サーバルキャットに会える日本の動物園

現在日本でサーバルキャットを飼育している動物園は、以下の11箇所となります(2024年2月現在)。

全国各地の動物園で、サーバルキャットは飼育されていますので、会いたくなったら是非足を運んでみてはいかがでしょうか。


まとめ

サーバルキャットはネコ科の中でもとても美しく、小柄で猫に近い存在の肉食動物となります。

ですが実際のサーバルを見てみると、その大きさにびっくりしてしまうほど、野性味を感じる方も多いのではないでしょうか。

野生のサーバルは生息地が色々な理由から狭まっていることもあり、過酷な環境で暮らしていることが明確です。

絶滅も危惧される特定動物でもありますので、どんなにサーバルキャットを飼いたいと思っても、実行できない人の方が多いのではないでしょうか。

どうしてもサーバルのような野生に近いネコ科の動物が飼いたいのであれば、ベンガルやサバンナキャットなどの猫種も検討してみましょう。

いずれにせよサーバルキャット同様、普通の猫と違って飼育方法が若干異なりますので、サーバルに会いたいのであれば、動物園に足を運んでみるのが現実的です。

間近で生態を観察できますし、写真や動画では気付けない魅力なども発見できるはずですのでおすすめですよ!

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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。


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