猫は現代を生きる名ハンター!狩りが得意なのは本能って本当なの?

2021.01.03

猫は現代を生きる名ハンター!狩りが得意なのは本能って本当なの?

おもちゃに狙いを定めて遊ぶ猫の姿は、生粋のハンターそのものですよね。 猫はネコ科の動物の中でも、狩りが得意と言われているので、その狩猟本能には目を見張るものがあります。 ですが現代を生きる猫たちは人間と共存し、飼い猫に関しては狩りをする必要がないはずですが、このような習性が備わっているのにはどんな理由があるのかも気になるところですよね。 猫にとって狩りをするということは、どんな意味を持っているのでしょうか?

猫が狩りをする理由は?

獲物を狙う茶トラの子猫

猫と一緒に暮らしていると、その行動や習性に驚かされることが多いですよね。

飼い主としては、そのような猫特有の生態を見られることは喜ばしいことですが、その中でも、獲物に夢中になる姿は、野生の動物を彷彿とさせることでしょう。

それもそのはず、猫の先祖は中東の砂漠に生息する「リビアヤマネコ」と呼ばれる野生のヤマネコとなり、自分で獲物を捕獲して暮らしていました。

なぜこのリビアヤマネコがイエネコの先祖と言われているのかというと、約1万年前に農耕が始まり、穀物を食い荒らすネズミの駆除目的で家畜化されたと言われているからです。

そこから世界中へと生息地を広げていき、人間の傍でペットとして共存し、私たちにとっても当たり前の存在として認知されるようになったのです。

しかしイエネコとして室内で飼育されている猫は、飼い主さんからエサを貰えますし、狩りをする必要性が無いようにも感じますが、現代の猫が狩りをする場合にはどんな意味が込められているのでしょうか?

◆生きていくため

猫が狩りをする理由は、元々の生態が強く影響していると考えられています。

群れを作ることなく単独で行動する猫は、生きるために自分で獲物を見つけて狩りをし、飢えを凌がなくてはいけなかったからです。

誰の手助けも無しに生きるためには、獲物の急所に噛み付き、鋭い爪で固定して動きを封じる必要がありますよね。

捕食の対象がネズミのような小さな野生動物であっても、一瞬で仕留めなければ反撃に遭う可能性も否めませんので、進化の中で成功率の高い狩りの手法を取得してきたと言えるのではないでしょうか。

このようなことからも現代の猫たちに狩りが必要なかったとしても、本能として備わっているのかもしれません。

◆遊んでいる

猫は動体視力が優れているので、動くものが視界に入れば、興味を引かれて狩猟本能が芽生えることがよくあります。

本能に組み込まれた狩りの習性は、動くものを見ただけで体が勝手に反応するようになっているようです。

室内で飼育されているイエネコのほとんどは、生きるための狩りは必要としないので、ほとんどの場合が遊びの対象といった「狩りごっこ」をしていると言えるでしょう。

その際に「カカカカカ…」といった鳴き声(クラッキング)を出しながら、おしりをフリフリと揺らしていたら、獲物に飛び掛かる寸前です。

窓の外の小鳥や、飼い主さんが操るおもちゃに対してもこのような行動を見せてくれることがありますので、本能の赴くままに狩りごっこができる環境を整えてあげてくださいね。


猫はどうやって狩りを覚える?

狩りをする習性が本能として猫に備わっていたとしても、どの猫ちゃんも生まれたときから一人前に狩りができるわけではありません。

猫はどのようにして、狩りを覚えているのでしょうか?

◆野良猫は母猫から教わる

狩りを一人前にこなせるようになるためには、何度も訓練し学習した後に、高度なテクニックを習得できるようになります。

基本的に猫の狩りは、母親から教わるものです。

子猫に歯や爪が生え始めて、ある程度体が大きくなってくると、母猫は子猫に生きた獲物を運び、まずは子猫の目の前で狩りをして捕食する姿を見せます。

この姿を見せることによって、生きた獲物を食べなければ自分も生きられないということを、子猫は母猫から学ぶ機会を得るのです。

そして母猫は次からお腹の空いている子猫に対し、生きた状態の獲物を持ち帰り、子猫自身に狩りをさせるように仕向けます。

子猫は悪戦苦闘しながらも、何度も訓練することによって仕留め方を学びますので、次第に高度なテクニックを習得できるようになるのです。

ですが現在もこのような習性が残っているのは、外の世界で生きている野良猫だけです。

飼い猫のように安定してエサを確保できるわけではないので、厳しい世界で暮らす野良猫には、生きるために必要な習性と言えるでしょう。

◆飼い猫は上手に狩りができない子も多い

一方、室内で暮らしている飼い猫は、普段から飼い主さんにご飯を貰えますので、エサの心配が要りません。

そして生後間もないころから母猫と離されて育つ子も多いので、狩りを教わる機会がなく、動く獲物を見て怖がってしまう子も存在するようです。

ですが動く物に反応する狩り能力は元々備わっていますので、飼い主さんとおもちゃで遊ぶときには狩猟本能が発揮され、集中して獲物を捕えるような姿も見せてくれることでしょう。


狩猟本能を満たす遊び方

>カラフルなおもちゃで遊ぶ黒猫

元々狩りの仕方を母猫から教わっていない猫ちゃんであっても、せっかくなら一緒に遊ぶときには、狩猟本能をおもいっきり満たしてあげたいものですよね。

猫の狩猟本能を満たすためには、飼い主さんはどのような遊び方を心掛けてあげれば良いのでしょうか?

◆猫が喜ぶおもちゃを用意

猫は狩猟本能が元々備わっているため、咥える能力や手で掴む能力が長けています。

なのでそれらの能力を発揮できるような、咥えたり掴んだりできるようなおもちゃを用意してあげると良いでしょう。

柔らかい素材のボールやネズミの形をしたおもちゃ、ねこじゃらしや紐のような手で掴めるタイプのおもちゃが理想的です。

ですが猫ちゃんの中には遊びに夢中になりすぎて、誤飲することもあるので、そのような事故が起きないように注意しながら遊んであげてくださいね。

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◆小動物に見立てておもちゃを動かす

猫の気持ちを満たすおもちゃが準備できたら、狩りの疑似体験をさせてあげるためにも、飼い主さんが趣向を凝らしながら、小動物のように動かしてあげましょう。

猫が大好きなネズミやトカゲなどの動きを思い出してみると、逃げるときは足が速くても、警戒心が薄いときはさほど動いていないことが多いですよね。

この小動物特有の「静と動」の動きは、猫の好奇心をくすぐる動きとなりますので、おもちゃで遊ぶ際には「動かして」「ときどき止める」を意識して遊んであげましょう。


猫から狩りの収穫物をプレゼントされたら

投げたり転がしたりするタイプのおもちゃで猫と遊んでいると、咥えて飼い主さんの元まで持ってくる子が居ます。

このような行動と同じように、狩りの収穫物(小鳥やネズミなどの小動物)を持ってきてくれる子も居ますよね。

もし愛猫が飼い主さんの元に、捕獲した獲物を持ってきてくれたとしたら、どんな気持ちなのかも気になるところです。

そして収穫物をプレゼントされた際には、飼い主さんはどのような対応をしてあげれば良いのでしょうか。

◆獲ったものを自慢している

何かを頑張ったときは、その成果を褒めて欲しいと思うのは、猫も人間も一緒です。

自分が狙いを定めて獲得した獲物は、仲間である飼い主さんにも見て欲しいと猫が思うのは、とても自然なことと言えますよね。

得意げな顔をして運んできたとしたら、「頑張ったでしょ」「凄いでしょ」といった気持ちの表れとなります。

◆狩りができない飼い主へのおすそ分け

狩りができるということは、自分の身体能力が健在な表れでもありますので、狩りも一人前にできないような飼い主に対して、自分が獲ってきてやったぞという気持ちが、少なからずあるのかもしれません。

狩りは生きていく上で重要なのに、だらしないな…と思われているとしたら、そんな思考になる愛猫がさらに愛しく感じてしまうことでしょう。

◆嫌がったり、叱ったりしないようにしよう

猫が収穫物を飼い主さんの元に持ってくるのは、どんな気持ちであったとしても、飼い主さんを想ってのことに違いありません。

なのでどんなに驚いたとしても、嫌がる素振りや叱ることはしないであげてください。

ありがとうと感謝の気持ちを伝え、可哀相ですが愛猫が見てない隙に、外に逃がすなどの対処をするようにしましょう。

◆寄生虫や伝染病の原因になる場合もあるので注意

猫が持ってくる収穫物の中には、細菌やウイルスなどをたくさん持っている可能性も否めません。

とくに寄生虫などを媒介している場合には、そのまま猫に寄生して、感染症や伝染病などの病気を発症させる危険もあるので注意が必要です。

普段から狩りを好む傾向がある猫ちゃんは、とくに注意しておくようにしましょう。


まとめ

猫は狩りが得意な動物で、本能にしっかりと習性が組み込まれていることにより、どの猫でも上手に狩りができると思われがちですが、学習と訓練無しでは習得できないことが分かりました。

人間と共存して暮らす現代の猫たちにとっては、あまり必要ではない能力かもしれませんが、やはり機敏に獲物を捕獲する姿は、ネコ科特有のかっこよさがあるので、その姿が見られなくなるのはちょっと悲しい気もしますよね。

ですが狩りが不得意なイエネコであっても、飼い主さんがおもちゃを駆使して遊べば、立派な狩りごっこができますので、是非思考を凝らせて遊んであげてください。

遊ぶことは運動不足解消にも繋がりますので、猫の眠った能力を引きだし、猫が猫らしく暮らしていけるように心掛けてあげてくださいね。



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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。


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