イエネコだけじゃなくネコ科の動物について詳しく知りたい!

2021.03.10

イエネコだけじゃなくネコ科の動物について詳しく知りたい!

猫好きの方であれば、動物園に足を運んだ際には必ず、普段目にできないネコ科動物を堪能される方がたくさんいらっしゃることでしょう。 それぐらいネコ科の動物は魅力に溢れ、唯一無二の存在であることがうかがえますよね。 ですがネコ科の動物はたくさんの種類が存在することからも、すべての種類を把握できている方は少ないのではないでしょうか。 初めてネコ科の動物が確認されたのは、今から4000年前ほど昔と言われていますが、そんな古い歴史を持つネコ科の動物について、ご紹介していきたいと思います!

ネコ科の動物たち【大型】

やはりネコ科の動物を語るからには、大型のネコ科動物は外せませんよね。

動物園の目玉とも言うべき大型のネコ科の動物の中で、とくに人気のある種類は以下の通りとなります。

◆ライオン

ライオン

大型のネコ科動物の中でも、誰もがまず思い浮かべる動物といえば、やはり「ライオン」が挙げられるのではないでしょうか。

「百獣の王」や「獅子」とも呼ばれるライオンは、ネコ科ヒョウ属に分類される食肉類となり、一般的に最強の動物とも言われていますよね。

野生のライオンはアフリカのサバンナを中心に生息しており、大きな個体で体重が250kgを超すこともあるそうです。

そしてなんといってもライオンの最大の特徴と言えるのが、オスのみに備わっている、たてがみではないでしょうか。

このたてがみがライオンの強さの表れにもなっているので、ネコ科の動物の中で強い存在感を放っているのかもしれません。

◆トラ

トラ

私たちに馴染み深いイエネコを大きくしたような「トラ」は、ライオンと同じくネコ科ヒョウ属に分類される食肉類となります。

インドや東南アジアなどの熱帯や亜熱帯に分布し、草原のような見晴らしの良い場所を好まず、熱帯雨林や北方林などの見通しの悪い場所に生息しています。

そしてネコ科の動物の中で、一番大きな体格を持つとも言われており、孤高の動物としても特別な存在感を放っていますよね。

ですが野生で生きるトラはどんどん数が減少しており、絶滅危惧種にも認定されているので、深刻な問題に直面しているネコ科の動物と言えるでしょう。

◆ヒョウ

ヒョウ

ヒョウ柄の毛衣イメージが強い「ヒョウ」ですが、ファッション雑貨にも多く使われているように、とても魅力的な模様をしていますよね。

ヒョウもライオンやトラと同じようにネコ科ヒョウ属の食肉類となりますが、ネコ科の構成種としてはもっとも広域に分布する種として知られています。

この珍しいヒョウ柄はレオパード柄とも呼ばれ、良く見ると背面から腹部にかけての斑紋が、梅の花に見えることも特徴的です。

◆チーター

チーター

サバンナのアイドルとも言える「チーター」ですが、かわいい見た目とは裏腹に時速100kmを超える速度で狩りをすることでも知られていますよね。

ネコ科チーター属に分類される、チーターの古い和名は「狩猟豹」とも呼ばれ、狩りのイメージがいかに強いかも窺えることでしょう。

チーター属は本種のみで構成されており、早いスピードで走ることに特化した体の構造をしています。

ネコ科の動物特有の、爪の出し入れが可能な構造がチーターには備わっておらず、常に爪が出しっぱなしとなるので、ほかに亜種が存在しないことも納得です。

◆ジャガー

ジャガー

「ジャガー」は別名「アメリカヒョウ」と呼ばれることもあり、ヒョウによく似た容姿をしています。

トラやライオンに次いで大型のネコ科の動物となりますが、南北アメリカに分布しているネコ科の現生種では、最大だとも言われているようです。

そして川や密林に生息していることからも、泳ぎが得意な個体が多く存在しています。

ジャガーの模様は大きな斑紋の中に、黒い斑点が見られますので、ヒョウとの見分けをつける際には、斑紋をチェックするようにしましょう。

◆ピューマ

ピューマ

ジャガーと同じく南北アメリカに広く分布しているのが、「ピューマ」です。

ピューマは見た目がメスのライオンに似ていますが、幼少期には濃褐色の斑紋や斑点が入ります。

大型のネコ科動物の中では、眼球がとくに大きく視力が高いことからも、動物園などでも目を引く存在と言えるのではないでしょうか。


ネコ科の動物たち【中型】

ネコ科の動物の中でも、とくに人気が高いのが中型の動物たちです。

強さやかっこよさを備えつつも、猫特有のかわいさを併せ持った種類がたくさん居るので、魅了される方も多くいらっしゃることでしょう。

◆サーバル

サーバルキャット

大きな耳が特徴の「サーバル」は、アニメの影響もあり、ネコ科の動物の中でも特に人気の高い種類と言えますよね。

ヤマネコの仲間となり、木登りが得意で足が速い上に、ジャンプをして獲物を捕らえる姿が特徴的と言われるほど、運動神経の良いネコ科の動物と言えるでしょう。

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◆オセロット

オセロット

小柄なヒョウとして認識されることのある「オセロット」は、ヒョウと同じように美しい斑紋模様が特徴的です。

友好的で甘えん坊な性格であることからも、ペットに向いていると言われてはいますが、絶滅危惧種に指定されていて入手も困難なので、現在日本で拝見するのも難しいネコ科動物となっています。

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◆ウンピョウ


体型がヒョウに似ていて、雲形の斑紋模様を持ち合わせていることから、この名がついた「ウンピョウ(雲豹)」。

ウンピョウは舌の構造もほかのネコ科の動物とは異なり、吠えて鳴くことがないそうです。

これは同じヒョウ属のユキヒョウも同じで、猛獣でありながら「ニャア」と鳴く姿は、どこか親近感を覚えますよね。

◆カラカル

カラカル

耳の先端に長い房毛が生えており、その役割は不明なことも多く、一説にはコミュニケーションの役割を果たすと考えられている、ネコ科の動物が「カラカル」です。

軽快な発音の名前はトルコ語で黒い耳を意味しており、見た目もオオヤマネコに似ていることから、ヤマネコと認識している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ですが分布も異なる上に、カラカルは乾燥した環境を好むようです。

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ネコ科の動物たち【小型】

よりイエネコに近いとされている、小型のネコ科の動物たちは、猫好きにとってはたまらない動物であるとも言えますよね。

中でもとくに人気が高いのが、以下のネコ科動物たちではないでしょうか。

◆マーゲイ


ヒョウと似た斑紋を持つ「マーゲイ」は、とくに中型のネコ科動物であるオセロットに似ていると言われています。

見た目で区別をつけるのが難しいほどそっくりではありますが、地上で生活するオセロットに対して、マーゲイは木の上での生活が主となります。

木の上では猿顔負けの芸当ができるとも言われており、ネコ科の中ではもっとも木登りが得意な種類と言えるでしょう。

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◆クロアシネコ


世界でもっとも小さい猫と言われているのが、足の裏が黒いことからその名がついた「クロアシネコ」です。

体の大きさに比べて頭が大きいので、ぬいぐるみのような愛らしさが猫好きにはたまらない、魅力として映るのではないでしょうか。

成猫に成長しても、日本猫の子猫程度の大きさなので、敵に狙われる立場になることが多く、平均寿命も10年以下と短いのが特徴です。

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◆スナネコ


砂漠の天使と呼ばれている「スナネコ」は、中東や北アフリカの砂漠エリアに分布するネコ科の動物となります。

夜行性の上に臆病な性格の持ち主で、日中は砂穴に隠れて過ごす生活を送っていますが、その生態は未だに解明されていない点が多いのも、ある意味神秘的な魅力を感じる要素になっていますよね。

この見た目のかわいさとは裏腹に、気性の粗さが目立ちますので、人間との共存は難しいとされているようです。

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名前はネコでもネコ科でない動物

ネコ科の動物にはたくさんの種類が存在していますが、名前には「ネコ」とつくものの、ネコ科ではない動物も存在しているのをご存知でしょうか?

以下の2種類もネコ科の動物ではありませんので、その理由をご紹介させていただきます。

◆ミーアキャット

ミーアキャット

マングースの仲間であるミーアキャットは、オランダ語で「湖の猫」といった意味を持ちますが、猫の仲間でもなければ水辺に生息しているわけでもありません。

名前の由来には諸説あり、名前を間違われて人間に勘違いされたことが始まりだという説もあります。

このようなことから、動物園によっては学名の「スリカータ」と表示しているところもありますので、猫の仲間でないということだけは覚えておきたいものですよね。

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◆ジャコウネコ


糞から採取した豆が、高級コーヒー(コピ・ルアク)になることで有名なジャコウネコですが、ジャコウネコもネコ科の動物ではないことをご存知でしょうか?

ジャコウネコはジャコウネコ科に属していますが、ネコ科とは独立したグループとなります。

見た目や特徴などからも、まったく別の動物であることが分かりますよね。

日本にはジャコウネコ科の動物がもともと存在しなかったことから、和名をつけるにあたって、ほかの動物よりは猫に似ていたからといった文化的な見立てにより、このような名前になったと考えられているようです。

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ネコ科の動物はペットとして飼える?

猫好きであればイエネコのみならず、ネコ科の珍しい動物を飼ってみたいと思うかもしれませんが、原則一般の方がネコ科の動物を許可なく飼育するのは認められていません。

日本では特定動物の愛玩目的での飼育が禁止されていますので、許可なく飼育してしまうと法律で罰せられてしまうこととなります。

ネコ科の動物は絶滅危惧種に指定されている種類も多い上に、動物園並みの施設や餌代など、イエネコと同じルールで飼育することが難しいので、動物園などに足を運んで観察するのが一番です。

日本の動物園にも存在しない種類であれば、ネットで写真や動画を探して拝見できますので、野生種を守る意味合いでも、ペットにしたいと考えない方が動物のためとなるでしょう。


まとめ

ネコ科の動物にはたくさんの種類が世界中に存在していますので、猫好きであっても全て把握するのは正直難しいですよね。

ですが特徴や分布地、歴史を遡ってみると、意外な関係性などを知ることができ、新たな発見ができるのも面白いものです。

そしてネコ科動物には希少種もたくさん存在していますので、そのような個体を守るためにも、自然に配慮した生活を個人個人が心掛けていく必要もあるのではないでしょうか。

少しでも興味を持ったのであれば、動物園などに足を運び、より詳しく彼らの生態を探ってみるのもおすすめですよ。



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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。


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