猫に焼き魚をあげてもOK?魚を与える際の注意点と食卓を狙わせない対策

2021.08.28

猫に焼き魚をあげてもOK?魚を与える際の注意点と食卓を狙わせない対策

日本の食卓ではお馴染みの焼き魚ですが、猫に与えてもいいのでしょうか?実際、飼い主さんが食べているお刺身や焼き魚を狙う猫ちゃんは少なくありませんし、飼い主さんとしても愛猫と同じものを分け合って食べたいという気持ちになりますね。今回は、猫と焼き魚について、与える際の注意点や狙ってくるときの対策をご紹介するとともに、猫に魚を与えることについても解説していきます。

実は要注意!猫に魚を与えることについて

イワシ

日本では「猫は魚好き」というイメージが強く、愛猫に魚を与える飼い主さんも少なくありません。
しかし、猫にとっては本来、肉が主食であり、魚を食べさせることには注意が必要です。

◆そもそも猫は魚好き?

猫の祖先とされるリビアヤマネコは、水の乏しい砂漠に生息しています。当然、魚が生息するような川や池はないので、リビアヤマネコは小型の哺乳類や鳥類、昆虫類を食べて暮らしています。
その子孫である猫も、本来の主食は小動物などの肉です。実際、海外では「猫は肉好き」と考えられています。
では、何故、日本では「猫は魚好き」というイメージが根づいているのでしょうか?これには、日本の食文化が大きく関係しています。
仏教が広く普及していたかつての日本では、動物を殺生したり食べたりすることは禁じられていました。シカやイノシシを食べることはありましたが、常に口にできるものではなかったようです。
このように肉を食べることが一般的ではなかった日本では、動物性たんぱく質の供給源は、主に魚でした。四方を海で囲まれていることも、魚を食べる文化に影響を与えているでしょう。
かつての飼い猫は、人間の残飯を与えられることが一般的で、日本では魚を与えられていました。そのため、「猫は魚が好き」というイメージがついたと考えられます。
現代は、日本でも肉食が一般的になりましたが、長く根づいたイメージはなかなか消えないということなのでしょう。
ちなみに、猫には肉を与えることが主流の海外でも、イタリアなどの港町では、やはり猫に魚を与えることがあります。

◆猫の食べ物の好みはいつ決まる?

猫の食べ物の好みは、子猫の時期に食べたものによって決まると言われています。特に、生後3ヶ月くらいまでに決まるとされており、この時期に食べていないものには興味を示さない傾向があります。
このため、肉を食べて育った猫は肉好きに、魚を食べて育った子は魚好きになると言われています。
逆に、この時期にいろいろなものを食べさせておくと、好き嫌いが少なくなり、高齢になって食欲が落ちた場合や災害などでいつものフードが入手できない場合などに、食べてくれるものがないという事態になりにくいと言われています。

◆魚の種類に注意

猫に魚を与える場合に、まず注意したいのは、魚の種類です。
タラやタイ、サケ(サーモン)などの白身の魚、マグロやカツオ、カンパチ、ハマチなどの赤身の魚は、少量をたまに与える分には問題ありません。

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しかし、赤身の魚でも、「青魚」と言われるイワシやサバ、サンマ、アジなどは、猫にはあまり与えない方がよいでしょう。
青魚には、DHAやEPAといった不飽和脂肪酸が多く含まれています。DHAやEPAは健康によい成分ですが、猫が不飽和脂肪酸を過剰に摂取すると、「黄色脂肪症」(イエローファット)という、猫に特徴的な病気の原因となります。

・黄色脂肪症

黄色脂肪症は、皮下脂肪や内臓脂肪が変質して、その部分に硬いしこりや炎症、壊死が生じる病気です。炎症を起こした脂肪が黄色く変色することから、黄色脂肪症と呼ばれます。
体内の脂肪に不飽和脂肪酸が多く蓄積している状態で、抗酸化作用のあるビタミンEが相対的に少なくなると、黄色脂肪症が引き起こされると考えられています。
抗酸化物質が不足すると、不飽和脂肪酸が酸化する「過酸化変性」が起こります。脂質過酸化産物である黄褐色のセロイドという物質が沈着して、皮下脂肪や内臓脂肪が炎症を起こし、硬いしこりとなって壊死します。
黄色脂肪症は栄養の偏りや絶食によって引き起こされるため、治療は食事内容の改善が基本となります。痛みがある場合には抗炎症剤の投与など対症療法を行い、脂肪の酸化を抑えるためにビタミンE製剤や他の抗酸化剤の投与を行うこともあります。
これらの治療で症状が改善することが多いですが、時には、治療に対する反応が全く見られず、徐々に衰弱して死に至る場合もあります。

◆生の魚には寄生虫がいることも

生の魚で一番気をつけたいことは、寄生虫や細菌による食中毒です。
魚の寄生虫としてよく知られている「アニサキス」という回虫の幼虫は、猫にも害を及ぼす恐れがあります。特に青魚に寄生しやすく、カツオやブリもリスクが高いと言われています。
アニサキス症になると、激しい痛みや嘔吐といった症状が現れたり、内臓疾患を誘発したりする可能性があります。
アニサキスの幼虫は温める程度では死滅しないので、十分に加熱(60℃以上で1分以上)した魚を与えましょう。
生で与える場合には、スーパーや鮮魚店で売られている「刺身用」「生食用」の新鮮なものを選ぶようにしてください。自分で釣った魚をさばいた場合には、寄生虫を見逃す恐れがあります。また、「加熱用」として販売されているものは、絶対に生で与えないようにしてください。

◆アレルギー症状に注意

魚介類も、他の食べ物と同様、アレルギーを発症することがあります。猫の場合、魚は、牛肉に次いでアレルギーの原因となりやすい食材です。
特に初めて与えるときには、ごく少量にして、下痢や嘔吐、痒み、目や耳が赤くなっていないかなど、猫の様子を注意深く観察しましょう。症状が見られた場合には、早めに獣医師さんの診断を受けてください。


猫に焼き魚は大丈夫?

焼き秋刀魚

調理の仕方や与え方に気をつければ、猫に焼き魚を与えても大丈夫です。

◆焼き魚でも種類に注意

焼き魚であっても、青魚を多量に食べると黄色脂肪症の原因になるため、避けた方がよいでしょう。
白身魚やカツオ、カンパチなどがおすすめです。

◆少量をたまに

毎日与えることは避け、たまにあげる程度にしましょう。決して、魚を主食にしてはいけません。
与える量は、1回に刺身1切れの半分程度にとどめておいてください。

◆味付きの焼き魚は与えない

猫に焼き魚を与える場合には、味付けしていないものを与えましょう。
人が食べる塩焼きやほっけなどの干物、醤油のついた大根おろしと合わせたものなどを与えてはいけません。スーパーやコンビニなどで購入した焼き魚は、既に味付けされていることが多いため、与えないでください。猫にとっては塩分が多すぎ、腎臓病などの原因となる恐れがあります。
飼い主さんが食べる焼き魚の一部を分けてあげたいときには、まず味付けをせずに魚を焼き、猫に与える分だけを別に取り分けた後、飼い主さん用に味付けをするようにしましょう。干物は、茹でて塩分を抜いて与えるとよいでしょう。

◆新鮮なものを焼いて

青魚では「ヒスタミン食中毒」の恐れがあるため、新鮮なうちに焼いて与えましょう。
青魚を常温で放置すると、「ヒスチジン」というアミノ酸が「ヒスタミン生成菌」によって分解され、「ヒスタミン」という物質が蓄積します。ヒスタミンはアレルギーの原因物質であり、下痢、嘔吐、じんましんと言った食物アレルギー症状が生じます。ヒスタミンは、煮たり焼いたりしても分解されないため、注意が必要です。

◆骨を取り除く

魚の骨は、誤って猫が食べると、喉に刺さって大怪我になる場合があります。
焼いた魚をよくほぐして、骨を取り除いてから与えましょう。小骨に気づかずに与える危険があるので、指で小骨のないことを確認してから与えてください。
骨を取るのが難しい場合は、骨ごとフードプロセッサーにかけるとよいでしょう。

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猫が焼き魚を狙ってくる時の対策

愛猫が食卓の焼き魚を狙ってくるときには、どう対処すればよいでしょうか?

◆ごはんの時間を工夫する

猫ちゃんと飼い主さんのごはんの時間を工夫しましょう。
まず愛猫にごはんをあげてから、飼い主さんの食事時間にするとよいでしょう。満腹であれば、飼い主さんの食卓を狙ってくることも少なくなると考えられます。

◆ごはんの時間はケージに入ってもらう

ごはんの時間を工夫しても食卓を狙ってくる猫ちゃんには、飼い主さんが食事をする間はケージに入ってもらう、別の部屋にいてもらうなど、居場所を分けるようにするとよいでしょう。

◆魚味のフードやおやつで満足してもらう

魚が大好きな猫ちゃんには、魚が原料のキャットフードや魚風味のおやつなどを与えるのもおすすめです。
飼い主さんの食事時間に合わせて、魚味のおやつやフードを一緒に食べさせると、「一緒に食べている」感じもして、猫ちゃんも満足するのではないでしょうか?

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まとめ

猫に焼き魚を食べさせることはNGではありませんが、味付けしていないものを少量、たまにあげる程度にしておきましょう。
魚の種類にも注意が必要です。おすすめは、鮭やタラ、タイなどの白身魚や、カツオやカンパチ、ハマチなどの赤身魚です。
DHAやEPAといった不飽和脂肪酸を多く含む青魚は、多量に摂取すると黄色脂肪症の原因となるため、避けた方がよいでしょう。また、鮮度の落ちた青魚にはヒスタミンが蓄積して、食物アレルギー症状の原因となるため、新鮮なものを焼いて与えましょう。
飼い主さんの焼き魚を狙ってくる魚好きの子には、猫用の魚味のフードやオヤツなどを与えるのがおすすめです。
人間の食べ物を与えるのはできるだけ避けて、猫ちゃんの健康を守ってあげてくださいね。



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SHINO

SHINO

保護犬1頭と保護猫3匹が「同居人」。一番の関心事は、犬猫のことという「わんにゃんバカ」。健康に長生きしてもらって、一緒に楽しく暮らしたいと思っています。


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