投薬した途端に
フェノバールの服用を始めて1ヶ月、そらさんの体調は安定していました。発作が再発する気配も感じられず、不安はありましたが平穏な日常に戻りました。
ただし血液検査でフェノバールの副作用である肝機能の数値の悪化がみられ、薬の血中濃度も高かったため、病院の先生と相談して減薬する事にしました。
1回6mgを1日2回服用していたフェノバールを、1回あたり4mgに減らしました。
減薬して1週間が経過した頃には、日中いつもウトウトしていたそらさんが、他の猫と遊んだり話しかけるように鳴いたり、色々嬉しい変化がみられました。発作を起こす様子もなく、このまま少しずつ薬が減って、いずれは完全にやめられたらいいなぁと思っていました。
けれどその願いはあっさりと吹き飛ばされてしまいました。
トリガーは雷
ある日の夕方、スーパーで娘と夕飯の買いものをしていたときです。
何の前触れもなく大きな落雷がありました。バリバリバリという音と共にズーンと地響きを感じました。店内で悲鳴が起こる程の大きな落雷でした。私も娘も猫達が心配になり(以前、軽い夕立での雷の音に3匹ともアワアワしていたので)、買い物は中止して急いで帰宅しました。
そらさんが発作を起こしていました。
今起こしたばかりの様子でしたが、その激しさは発症当時より激しく、また時間も長くなっていました。恐れていた再発です。その日の夜は一晩中、何度も発作が起こりました。
翌日、朝一番に病院へ行き、フェノバールの増量とあらたにゾニサミドを追加する事になりました。
ゾニサミドは日本で開発された抗てんかん薬で、肝臓への影響も極めて少ないと言われている薬です。しかしフェノバールに比べて新しく、先生もフェノバールとの併用に慎重でした。
フェノバール8mg、ゾニサミド12mgを1日2回投与に増加。ゾニサミドのおかげか発作の強さは変わりませんでしたが、一時的にその回数は減っていきました。
けれど1日の中のどこかで発作は起こり、家具の上から落ちてきたり、他の猫を突き飛ばして滅茶苦茶に走り回ったりしました。りんちゃんとすずちゃんも異常な状態のそらさんに怯え、そらさんに近付かなくなってしまいました。
発作が起こると必ず尿失禁するため、私と娘は交代でそらさんと一緒に掃除のしやすいリビングでタオルケットを敷いて眠る事にしていました。
そらさんの病状と薬の使用量をメモにして残していました。日中は私も娘も不在ですが、床などの汚れからそらさんは留守の間も毎日2~5回の発作を起こしていたようです。
そらさんの状態は少しずつ悪くなっていきました。
9月6日
2:45 全身痙攣。脱糞。口から泡を吐く。すぐに1回分の薬を与える。
発作後はやけに甘えてきて落ち着きがない。
9月7日
4:00 眠っていた状態から全身発作。
8:00 眠っていた状態から全身発作。薬を2回分与える。
19:00 投薬。1回分。
19:30 全身発作。原因は近所の車の盗難防止アラーム音。
21:00 眠っていた状態から突然全身発作。原因はテレビのタレントの笑い声。
9月8日
1:00 眠っていた状態から全身発作。
6:00 投薬。2回分を与える。薬がよく効いたのか眠る。
8:00 眠っていた状態から全身発作。原因は登校時の小学生の声。
13:00 眠っていた状態から全身発作。本棚の上から落下。原因は近所の子供の遊ぶ声。
17:00 投薬。2回分を与える。やはりよく眠る。
18:00 小発作。眠っていた状態から。
22:00 小発作。眠っていた状態から。
9月9日
2:30 全身発作。眠っていた状態から。
6:00 投薬。2回分を与える。
7:00 小発作。眠っていた状態から。原因は隣家の掃除機の音。
8:00 全身発作。痙攣ではなくグルグル回りながら暴れる。
18:10 全身発作。眠っていた状態から。
19:00 投薬。2回分を与える。
22:00 全身発作。ゾニサミドのみ1回分投与。
9月10日 深夜からの雷のせいで発作が止まらない。30分おきに大小の発作が起こる。
この日、私たちはそらさんの死を覚悟しました。早期治療の大切さを身にしみて感じました。
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