基本的に「犬は安産」と言われていて、人間の女性の方々が無事に出産できるようにと「戌(いぬ)の日」に安産祈願を行う風習があります。犬は一度にたくさんの赤ちゃんを安産で無事に出産できるケースが多いとして知られているのです。
実は日本でこのように言われていたのは、日本では古くから「日本犬」が飼われていたことに由来します。日本犬は体のサイズは中型で安定していて、見た目にも全体的にバランスがよいですよね。お母さん犬の体格もいいですし、赤ちゃんの体型もバランスがいいので、上手く産道をくぐり抜けることができます。
自力で子供が産めない犬種が存在する?
かつて日本でメインに見られていた、中型の大きさの犬たちは難産になる確率は低く安産そのものでした。
ところが、現在では人間が犬の改良を重ねた結果、自然出産には適してないバランスの犬が増えてきています。
–赤ちゃんが生まれるには「産道」が大事–
赤ちゃんがお腹の中で育ち生まれても大丈夫なくらいの大きさになって「生まれる準備」が整えば陣痛によってお産が始まってきます。
赤ちゃんは産道をくぐり抜け、外の世界に出てくる訳ですが、最近の小型犬は体のバランスがとても悪いケースが多いですよね。体の割に頭が大きく改良されたワンちゃんの場合、お母さんの産道自体も狭いですし、赤ちゃんの頭も大きく「くぐり抜け」に耐えられず窒息のリスクが高まります。
また、生まれる赤ちゃんの頭の大きさと骨盤を比較すると、頭の方が大きいので自然に赤ちゃんを産むことができない体の構造になってしまっているのです。
–くしゃくしゃの顔が特徴の「ブルドッグ」は自力出産がほぼ絶望的?–
個性的な顔立ちで知名度のあるブルドッグ。闘いが強そうなイメージの犬種ですが、実は優しく愛嬌があって可愛らしいワンちゃんです。
そんなブルドッグの第一印象は「頭が大きい」こと。この頭の大きさが自然分娩が難しいとされる理由です。
もともと闘牛犬として開発されたというブルドッグ。「牛と闘う」という目的のため、体つきがどんどん改良されていきました。体は重く、頭が大きく安定性が悪く、そして鼻をつぶした顔となっていったのです。
また、体格としては前方に重心が感じられるのが特徴。そのため、頭は大きいけれど後方は小さめで母体にとって大事な骨盤も小さいのです。
そのことから、ブルドッグの体型は母体と胎児を守るために、ブルドッグの場合は帝王切開が基本のようです。
–「チワワ」は帝王切開の確率が高い?!–
室内で飼う犬種として根強い人気を持っている極小犬のチワワ。可愛らしい大きさに丸いクリクリの目に癒されたいと人気犬種の上位に常にいるワンちゃんです。
しかし「赤ちゃんを産ませる」という点では、リスクが大きい犬種です。初めから帝王切開を選択するということではありませんが、体が小さく体重が軽すぎるため「難産」となってしまう可能性も大きいです。
母体も小さいですから、産道も骨盤もすべて小さく「難産」と判断されれば、すぐに帝王切開への切り替えになるでしょう。
帝王切開での出産は大丈夫?
上記のように、帝王切開については、初めから選ぶ場合もあれば、難産や出産準備中に判断のすえ選択されることもあります。
頭の大きいブルドッグやフレンチブルドッグ、パグ、ボストンテリアなどは妊娠した時からすでに帝王切開を考えておいた方が良さそうな犬種です。初めから帝王切開をした方がいい犬種については、動物病院で手術予定の日程を組み出産に挑むケースが多いようです。
また、自然分娩を予定していても、母体のリスクを考え途中で緊急手術が必要になる場合もあるでしょう。
帝王切開は手術です。愛するワンちゃんとそしてまだ見ぬ赤ちゃん。どうか、どちらも無事でいて欲しいと願いますよね。
自然分娩にしても帝王切開にしても「命をかける」もの。信頼できるかかりつけの獣医師に、妊娠時の段階から相談し、帝王切開についてきちんと把握しておいた方がいいでしょう。
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