犬のダイエットのやり方は?糖質制限は有効?

2018.12.21

犬のダイエットのやり方は?糖質制限は有効?

ペットとして可愛がられている犬たちの中には、コロコロと太った犬をよく見かけます。ダックスフンドやコーギー、ラブラドールなどのレトリーバー種は太っている確率が高く、胴の長い犬種は特に腰の負担が心配されます。 犬はどのようにダイエットをするのが良いのでしょうか。犬も人間と同じく、糖質制限は有効なのでしょうか。

犬のダイエット方法は?

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犬も人間と同じように、肥満になると様々な病気のリスクがぐんと上がります。糖尿病や心臓病のリスク、関節の負担、免疫力の低下など、多くの悪影響を及ぼします。

犬は太っているくらいが可愛い、と思う飼い主さんもいるかもしれませんが、犬の健康と長生きのために、適正体重をしっかりと守りましょう。避妊、去勢をした犬はエネルギーの必要量が変わり、肥満になりやすくなるので、特に注意が必要です。

◆ダイエットが必要かどうかを判断する

まずは自分の犬の適正体重を知り、ダイエットが必要かどうかを判断することが大切です。

犬の適正体重は、ボディコンディションスコア(BCS)という指標を使って判断します。犬の犬種や骨格、体格によって差はありますが、5段階評価のうちのスコア3が理想的な体型です。

犬のウェスト部分を上や横から見て、くびれがあるかどうかチェックしてみましょう。
また、犬の肋骨部分を直接触って骨の突起が触れるかどうかをチェックします。毛量が多い犬の場合には、なるべく毛をかき分けて地肌を触るようにしてください。

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出典:「飼い主のためのペットフードガイドライン」-環境省
●ボディコンディションスコア(BCS)1 痩せ

肋骨、腰椎、骨盤が外から容易に見える。触っても脂肪が分からない。腰のくびれと腹部の吊り上がりが顕著。

体脂肪率は5%以下で、理想体重の85%以下と判断される。

●ボディコンディションスコア(BCS)2 やや痩せ

肋骨が容易に触る。上から見て腰のくびれは顕著で、腹部の吊り上がりも明朗。

体脂肪率は6~14%で、理想体重の86~94%程度と判断される。

●ボディコンディションスコア(BCS)3 理想的

過剰な脂肪の沈着なしに、肋骨が触れる。上から見て肋骨の後ろに腰のくびれが見られる。横から見て腹部の吊り上がりが見られる。

体脂肪率は15~24%で、理想体重の95~106%程度と判断される。

●ボディコンディションスコア(BCS)4 やや肥満

脂肪の沈着はやや多いが、肋骨は触れる。上から見て腰のくびれは見られるが、顕著ではない。腹部の吊り上がりはやや見られる。

体脂肪率は25~34%で、理想体重の107~122%程度と判断される。

●ボディコンディションスコア(BCS)5 肥満

厚い脂肪におおわれていて、肋骨が容易に触れない。腰椎や尾骨部にも脂肪が沈着。腰のくびれはないか、ほとんど見られない。腹部の吊り上がりは見られないか、むしろ垂れ下がっている。

体脂肪率は35~45%を超え、理想体重の123~146%以上と判断される。


犬にダイエットが必要な場合

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◆適正な給与量を求める

犬のダイエット方法には色々なやり方がありますが、まずは、今与えているドッグフードの量が適正かどうかを確認しましょう。
減量が必要だからと言ってむやみにフードを減らしたり、おからや茹で野菜に置き換えたりすると、犬にとって必要な栄養が摂取できなくなってしまう恐れがあります。

犬のエネルギー要求量は、計算式で求めることが出来ます。

安静時のエネルギー要求量(RER)=70×体重(kg)0.75

電卓を使う場合、体重を3回かけてから√キーを2回押し、その数字に70をかけます。

この安静時のエネルギー要求量に適切な係数をかけることで、その犬の1日のエネルギー要求量を求めることができます。

1日当たりのエネルギー要求量(DER)=安静時エネルギー要求量(RER)×係数

適切な係数とは、維持期であれば、去勢避妊していない健康な成犬は1.8、避妊去勢した健康な成犬は1.6、肥満傾向の犬なら1.4、減量中であれば1.0です。

細かく分けると、犬種、年齢、生活環境、活動状態、妊娠、発情、気候など、様々な因子によって変わります。インターネットで検索すると、必要事項を入力すれば自動的に計算してくれるサイトが沢山ありますので、参考にしてみてください。

注意するべき点は、肥満状態の犬の場合、現在の体重を維持するエネルギーを摂取していては減量できないという点です。目標とする体重に応じたエネルギー要求量を摂取するようにしましょう。ダイエットの犬向けの低脂肪ドライフードを与えるのもおすすめです。

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犬の状態やライフステージに応じて1日当たりのエネルギー要求量を計算すれば、自分の犬に対するフードの適正な給与量を求めることが出来ます。フードに記載してあるカロリーと照らし合わせてみましょう。

◆オヤツを与える場合はフードから差し引く

フードが総合栄養食であれば、その量を守っていれば他に食べ物を与える必要はありません。ダイエットを機に、減量用のフードに変更するのも良いでしょう。

犬用オヤツなどは止め、どうしてもオヤツが必要な場合は1日量のフードから差し引いてオヤツとして与えましょう。

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体重が気になる愛犬や運動量の少ない愛犬に配慮した低カロリービスケット。
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◆こまめに体重を測って記録する

フードの種類や量を変更したら、かならずこまめに体重を測ってください。犬が太ってくるようならフードを減らし、逆に急激に痩せるようなら少し増やして調節しましょう。


犬に糖質制限は有効?

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人間では糖質制限を取り入れたダイエットの人気があり、主食であるご飯を控えたり、糖質を抑えた食品やお酒を選んだりすることによって糖質制限をします。
また、糖質制限によって、体重の減量や血糖値、血圧などの改善が期待されています。

実は、犬のダイエットにもこの糖質制限は有効だと言われています。

◆糖質と体脂肪の関係

犬は食事から糖質を摂取すると、腸で消化吸収します。糖質を吸収すると、一時的に血糖値が上がって高血糖状態になります。

犬の体は高血糖を解消しようと、インスリンと呼ばれる血糖値を下げるホルモンを分泌し、放出されたインスリンはブドウ糖を脂肪に変換して、血糖値を下げようとします。
それによって血糖値は下がりますが、変換された脂肪は体内に蓄積し、体脂肪となるのです。

犬の糖質制限は近年注目されており、最近では糖質制限を謳い文句にしたドッグフードも販売されています。

◆ドッグフードの糖質は?

糖質の定義は、炭水化物から食物繊維を抜いたものです。糖分と糖質は別物で、糖分とは甘いものや糖質食品を指しますが、定義が定まっておらず、曖昧な言葉です。
一方でんぷんは糖質で、米や小麦粉などの穀物、じゃがいもやカボチャ、さつまいもなどは糖質が多めの食品です。

主原料が穀物のドッグフードは糖質が多めである為、糖質制限には不向きだと考えていいでしょう。

◆犬に糖質は必要?

犬はもともと肉食寄りの雑食動物です。炭水化物、糖質は、犬にとって必要性もあるとはいえ、タンパク質や脂質などによって十分補えるとされています。
そして、炭水化物や糖質の摂りすぎは肥満や生活習慣病のリスクを高めるとされ、糖質制限をすることによってそれらのリスクを下げることができると言われています。

他にも、犬の死因の上位にあげられる癌は、糖質を最大のエネルギー源としています。糖質を摂りすぎたから癌になるわけではありませんが、犬の体内に癌が存在する場合、多くの糖質を摂取することでがんの進行が早まると言われています。

むやみに糖質の量を減らすのではなく、糖質制限と同時に良質な高タンパク質高脂質、さらに各種ビタミンやミネラルなどを適正量摂取することが重要です。

◆犬の糖質制限の方法は?

犬の糖質制限を始める際は、まずは今与えているフードの成分表示をチェックしましょう。

糖質は表示義務がなく、糖質の量が書かれているフードはあまりないので、原材料の一番初めに書かれている物やタンパク質の量をチェックします。原材料の一番初めが肉類であるものや、タンパク質が多く含まれているものを選びましょう。

また、糖尿病や腎臓病などの内臓疾患を患っている犬や、何らかの処方食を与えている犬は、糖質制限に向かない場合があります。糖質制限を始める前に、必ずかかりつけの獣医師に相談してください。


これだけはやってはいけない犬の危険なダイエット方法

◆急激なダイエット

人間と同じように、急激なダイエットは犬の身体に負担とストレスをかけます。大幅なダイエットが必要な場合でも、1週間に犬の体重の1%程度の減量を目安にし、長期的にダイエットに取り組みましょう。

◆肥満の状態で運動量を増やす

肥満状態の犬は、足腰の関節や筋肉、呼吸器、循環器など、様々な部分に負担がかかっています。この状態で無理に犬の運動量を増やすと、足腰を痛めたり、犬の身体の負担を大きくしたりする危険があります。

犬のダイエットの基本は、運動よりも食事制限です。まずは食事制限で犬の身体の負荷を減らし、その後少しずつ運動して、無理なく筋肉量を増やしていきましょう。

◆本格的なダイエットをするなら、まず動物病院に相談する

本格的に犬のダイエットをする場合は、その犬の理想体重や1週間ごとの目標体重などを獣医師に相談すると良いでしょう。犬も人間と同じく過度なダイエットは体調を崩す原因になりますので、定期的に体重チェックに通院するのもお勧めです。

フードを大幅に減らしても体重が減らない、異常にお腹が膨れているなどの場合、何か病気が隠れていることもありますので注意が必要です。過度にフードを減らしすぎる前に、病院で相談した方が良いでしょう。



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harunyan

動物の専門学校で看護の資格を取得後、6年間動物病院に勤務しました。5歳のシェルティと4歳の猫、0歳の息子と毎日楽しく過ごしています。ペットと過ごすうえで役に立つ情報をお届けできるよう、日々勉強しております。よろしくお願いします。

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