ミニチュアシュナウザーの気になる寿命や気を付けたい病気について

2020.03.16

ミニチュアシュナウザーの気になる寿命や気を付けたい病気について

目の上や口周りがフサフサしていて、まるで「眉毛&ひげ」があるような個性溢れる顔立ちをしているミニチュアシュナウザー。寿命やかかりやすい病気など、ミニチュアシュナウザーの健康面について考えてみましょう。

【目次】
1.飼いやすく人気のミニチュアシュナウザー

2.ミニチュアシュナウザーの寿命について知ろう
 2-1.ミニチュアシュナウザーの寿命は…?
 2-2.愛犬の寿命のカギを握るのは飼い主さん

3.どんな病気にかかりやすい?
 3-1.尿の通り道に石ができる「尿石症(尿結石・尿路結石症)」
 3-2.目が悪くなる「白内障」
 3-3.耳の炎症でかゆみを伴う「外耳炎」
 3-4.目の病気「角膜炎・結膜炎」

4.ミニチュアシュナウザーが健康的でいるためのポイント
 4-1.毛玉に気をつけよう
 4-2.運動量は確保しよう
 4-3.肥満には気をつけよう
 4-4.愛犬の様子を日々チェックしよう
 4-5.気になることがあったらすぐに病院へ!

5.まとめ

飼いやすく人気のミニチュアシュナウザー

シュナウザー

ミニチュアシュナウザーの第一印象は、「まるで老紳士みたい」と言ったところではないでしょうか。眉毛やヒゲみたいに見える顔周りのフサフサ感は、かなり特徴がありますよね。

凛々しい表情がカッコいい反面、小さな体で歩く姿はとてもカワイイです。カッコよさと可愛らしさと、二つの印象が同居しているところも魅力と言えるのではないでしょうか。

また、ミニチュアシュナウザーはとても賢く、飼い主さんに対する従順性も高めです。
「覚えよう」という向上心もあり、愛情を注ぎながら熱心にしつけると、それに応えてくれる忠実なワンちゃん。比較的、「しつけやすい」という声も多いです。

見た目の可愛らしさや忠実な性格から、人気犬種として知られています。


ミニチュアシュナウザーの寿命について知ろう

ミニチュアシュナウザーは、ネズミ駆除の作業を担っていた過去もあるため、好奇心からちょこちょこと機敏に動けるところがあります。

でも、根本的な性格はどちらかというと穏やか系。飼い主さんとして気なるのはどのくらい一緒にいれるのかということでしょう。

ご存じのように、犬の寿命は人間よりも短いです。その事実は変えられませんが、寿命について知識を持つことで、少しでも愛犬を長寿へ導いてあげられるかと思います。

◆ミニチュアシュナウザーの寿命は…?

ミニチュアシュナウザーという犬種で言えば、だいたい12~15歳の間が平均的な寿命と考えられています。

サイズ的には小型犬に分類され、オスもメスも4~8キロくらい、10キロに満たないサイズ感と考えてもいいでしょう。もし8キロほどに育ったら、「小型犬」という枠の中で見ると、やや大きめなサイズ感と言えるかもしれませんね。

とは言え、何十キロにもなる大型犬と比較すると、小型犬は長寿傾向にあります。ミニチュアシュナウザーも小型犬サイズなので、比較的長生きできる方だと言えるでしょう。

◆愛犬の寿命のカギを握るのは飼い主さん

ワンちゃんで言う「12~15歳」は、人間の年齢に換算して60代後半から80歳ぐらい。数値だけで見ると、長生きできそうでちょっと一安心ですよね。

でも、「どんな飼い方をするか」「どんな環境で育てるのか」「どんな食べ物を食べさせるのか」「どんな病気をするのか」…と、育つ個体環境の差によって最終的な寿命がだいぶ変わります。

飼い主さんがどんな風にミニチュアシュナウザーの生活環境や健康面に配慮してあげるかで、愛犬の寿命が長くも短くもなってしまうのです。

また、どれだけ長生きしても、なんらかの病気にかかって闘病生活を送らせてしまうのも愛犬のためには避けたいところ。

愛犬が楽しい毎日をいきいき過ごすには、「健康でいられるように」という飼い主さんの心掛けが重要なのです。


どんな病気にかかりやすい?

ミニチュアシュナウザーは筋肉質でちょっと丈夫な印象がありますよね。見た目どおり、どちらかというと、体は「丈夫な方」と言われています。

ただ、犬種ならではの「かかりやすい病気」というのもいくつか存在します。

病気になるかどうかは分からないにしても、「かかるかもしれない・注意して観察しよう」という意識を高めるために、知っておいた方がいいかと思います。

◆尿の通り道に石ができる「尿石症(尿結石・尿路結石症)」

尿の通り道に尿に含まれる成分が「結石」となり、「おしっこ」が普通ではなくなる病気です。

なかなか尿が出ない、血が混じった尿が出る、何度も尿をする…など、いつもと違った異変で病気に気づくことが多いです。「尿意があるのに痛くてできない」と排尿が困難になることもあります。

「結石がどのくらいの大きさか」「尿の通り路を完全封鎖しているか」などによって治療法が変わります。

結石の種類が溶かせるタイプの場合、小さいサイズの結石の場合などでは、食事に気をつけて溶かしていく治療ができます。しかし、食事療法で回復できないタイプの結石もあります。その場合はワンちゃんへの負担が大きい外科手術です。

また、結石が大きくて通り道を完全に塞いでいると、尿ができずに重篤な状態になるケースもあるので、尿の異変に気付いたら早めに動物病院を受診した方がいいでしょう。

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◆目が悪くなる「白内障」

物が見えるために必要なのが目の中にある水晶体と言われるレンズです。

白内障になると、このレンズ部分は白っぽく膜がかかったように濁り、ハッキリとした視界ではなくなります。周囲が全体的に濁り、壁や家具など障害物にぶつかってしまうことも。

かなり進行すると全く見えなくなり、生活自体に支障をきたします。

白内障と聞くと「老化に伴う病気」というイメージを抱くかもしれません。年齢があがるにつれて、罹患する可能性が高まるのが一般的です。

ただ、ミニチュアシュナウザーのように、遺伝的に若い世代でもかかる若年性のケースもあります。

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◆耳の炎症でかゆみを伴う「外耳炎」

前倒しになった垂れ耳も、ミニチュアシュナウザーの特徴のひとつです。

立ち耳のワンちゃんと比べると、空気の通り道が狭めで通気性が悪いでしょう。そのため、耳の内部が炎症を起こすケースもあります。

耳がかゆくなると頭をブルブルと振る仕草を見せたり、前足で耳をかこうという仕草が見られるようになります。炎症がひどくなるとべとべと感が強まり、強烈な耳垢のニオイが気になるかと思います。

菌が繁殖するほどに、外耳炎よりも内部へ症状が進み、内耳炎へと重症化するケースも考えられます。

耳の洗浄や内服薬、点耳薬で治ればいいですが、重症度によって治療の期間長くなり、何度も通院しなければならないでしょう。

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◆目の病気「角膜炎・結膜炎」

ミニチュアシュナウザーは、目の周辺にも毛がふさふさしています。

伸びた毛が目に刺さることが刺激となり、瞳の膜となる角膜に炎症が起こる「角膜炎」、結膜と言われるまぶたの裏側や眼球周囲に炎症を起こす「結膜炎」にも気をつけなければなりません。

目に炎症が起こると、目が充血したり、涙や目ヤニが増えたり、愛犬自身も「目がかゆい」「目が痛い」と気にする仕草が増えます。

目のトラブルを起こさないためには、目の周辺の被毛が目に刺さらないように伸びた毛を小まめにカットする予防対策が大事です。


ミニチュアシュナウザーが健康的でいるためのポイント

ミニチュアシュナウザー

飼い主さんがミニチュアシュナウザーの病気予防のため、健康管理のためにできることはたくさんあります。健康でいて欲しいからこそ、どんな点に配慮すべきかポイントを押さえておきましょう。

◆毛玉に気をつけよう

ミニチュアシュナウザーは、オーバーコートとアンダーコートという毛から成り立つダブルコートの犬種です。長毛でフサフサした感じがありますが、実際には表面の被毛は少しゴワゴワ感があります。

ただ、その「硬め」な被毛がミニチュアシュナウザーの大きな魅力。基本的にはあまり抜け毛がありませんが、アンダーコートはやわらかく密集しています。抜けた毛が硬めのオーバーコートにブロックされる形で、ちょっと抜け落ちにくいため、「お手入れが楽」ともよく言われます。

しかし、柔らかなアンダーコートが絡まり過ぎると、毛玉と言われる分厚い塊になることも多いです。毛玉になると見た目が悪いだけではなく、通気性がなくなり、皮膚炎のリスクが高まります。

抜け毛を取り除くようにブラッシングをすることや、伸びてきたと感じたらカットをするのは被毛の健康のためにも大事なことです。

◆運動量は確保しよう

ミニチュアシュナウザーは結構筋肉質な体型のため、テキパキと動くイメージがありますよね。

筋肉を保つには運動が必要ですが、極端にハードな運動はいりません。「毎日の散歩」や「適度なコミュニケーション」という形でも、ミニチュアシュナウザーの運動量は確保できるかと思います。

ただ、そもそも人間の仕事を手伝うような使役犬として活躍していた犬種。好奇心が旺盛で、あまりじっとしているのは苦手な傾向にあります。

日々の散歩を怠ったり、飼い主さんとのコミュニケーションが不足すると、ブクブクと太ってしまう可能性もあるでしょう。

散歩そのものが飼い主さんとのコミュニケーションにもなり運動にもなるので、毎日30分前後を目標に習慣づけるといいかと思います。

◆肥満には気をつけよう

犬は、人間と比べると小さな体で軽いものです。たった数百グラム程度だとしても、少しずつ増加すると、犬にとっては肥満への第一歩だったりもします。

適正体重と比べて1キロ、2キロ、3キロ…と太ったとなれば、人間でイメージすると数十キロ太った感じ。「ポチャッとしてて可愛いね」と簡単に済まされませんよね。

運動不足にならないようにするのも大事なことですが、「体重を適正に保つ」という管理もしていかなければなりません。

家にいると愛犬の体重はあまり気にならないかもしれませんが、「愛犬が今何キロか」「どのくらい増えたか」「適正体重との誤差はどのくらい」など、肥満体型にならないように気にかけてあげましょう。

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◆愛犬の様子を日々チェックしよう

言葉で伝えることができない犬のためには、「病気になっていないかな」という観察眼を飼い主さんが持つことが大事です。毎日のように愛犬に目を向けていると、ちょっとした変化も見逃さないようになります。

特に、ミニチュアシュナウザーは尿に関する病気の可能性もあるので、「おしっこの回数」などは気にかけてあげるといいでしょう。泌尿器科系の病気になると、トイレで排尿ポーズをしているのに尿が出ていないというケースもあります。

排尿時にジーっと見つめていると「見ないで欲しい・気が散る」と愛犬のストレスになることもあるため、遠目でもいいので排泄の様子を見ておくのもいいですね。

また、時には遊びながら体を触って、皮膚や耳に炎症が起きていないか、被毛を少しめくってチェックしてみてはいかがでしょうか。

◆気になることがあったらすぐに病院へ!

愛犬に目を向けている時間が長いほど、ちょっとした変化にも気づきやすくなります。

「耳をかゆそうにしている」「排泄の回数が少ないかも」「食欲があまりなさそう」…など、どんなことでも構いません。いつもと違う気になる変化が見られたら動物病院を受診することで、気だったら早めに治療ができます。

もし病気でなかったとしても「何事もなくて良かったね」という安心感にも繋がります。

病気は、初期症状の時ほど治療がしやすく、ワンちゃんへの負担が少なくなります。“早期発見”とは、人間だけでなくワンちゃん達にとっても健康のカギです。


まとめ

ふさふさした被毛が特徴的なミニチュアシュナウザーは、「毛」による病気もいくつかあり、予防のためにお手入れしておくことが大事です。

本来、10キロに満たない小型の犬種のため、肥満が病気を引き起こすケースもあります。健康体をキープするため、体重管理には気をつけましょう。

そして、ミニチュアシュナウザーが少しでも長生きするために必要なのが、「飼い主さんが病気に関する知識を持つこと」と「犬の変化を見逃さないこと」です。気になる点があったら、専門家である獣医師への相談がいいでしょう。

愛犬を長寿へ導くため、ちょっとしたことでも相談できるかかりつけの病院を探しておくのもおすすめです。



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笹本 雅

笹本 雅

犬が好きです。小型犬でも大型犬でもとにかく犬が大好きです。これから犬種についてや豆知識や健康についてなど、幅広いワンちゃんについての情報をご提供していきます。犬好きの方にぜひとも見ていただいてご意見いただければと思います!


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