ハーレムは犯罪の巣窟?!いえいえそんなことはありません、犬好きが集う愉快な街です!

2015.08.14

ハーレムは犯罪の巣窟?!いえいえそんなことはありません、犬好きが集う愉快な街です!

「ハーレムに行って来た!」 と日本の知人や友人、ハーレム以外に住んでいるアメリカ人の友達に言うと、決まって返ってくる応答。 「え、危なくない?」「拉致されないの?」「一人で歩いてて怖くないの?」などなど。 みなさんはハーレムってどんなところだと思いますか?

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一昔前は、「ハーレム=超絶に治安が悪い場所!」というイメージだったようですが、今はそんなことは一切ありません。黒人だけの街、というイメージですが、今は白人の方も住んでいます。
さかのぼること数年前、私が渡米してすぐ一番初めに住んだのがウェストハーレムでした。マンハッタンのセントラルパークを挟んで西側の125丁目そばです。出発前は、さんざん日本の友人たちに注意をされたものです。アジア人の女性がひとりでほっつき歩いてるとすぐカモにされる、だとかすぐに銃で撃ち殺される、だとか、とにかくとてもこわーい話ばかりでした。なので到着直後はものすごく警戒しまして、バッグをこれ見よがしに出して歩かないようにしたり、速足であまり人と目を合わせないようにしたり、とにかく9時以降は外をなるべく歩かないようにしたり。

なんですが、住んでいるうちに気付き始めました。「あれ?どうやらそんな怖い人はいないぞ?」と。
それどころか、近所の人たちの優しいこと。とにかく人懐っこくてフレンドリーなハーレム住民。
毎朝同じ道で駅まで向かうわけですが、その道中で会う人たちに話しかけられることも多々。
「おはよー」とか「そのバッグかわいいね!」。「今日もいい一日をね!」。また、地下鉄の階段を、大きな荷物をもって上り下りする際には、必ず誰かが助けてくれました。
これは東京のど真ん中で育ったわたしには衝撃的なカルチャー。見知らぬ人にこんなに気さくに声掛けする文化!すごい!!!と。一気にハーレム大好きになったのを思い出します。

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また、「ハーレム=貧しい地区」というイメージもあるかとおもいますが、最近はおしゃれに開発されてきましてアパート賃料なんかもかなりお高めになっています。いわゆるミドルクラスの白人の方が家族で引越してきたりと、昨今は新しい風が吹きはじめているのです。とはいえ、地域によってはまだ警戒しなくてはいけない所もあります。旅行で訪れる時は慣れていませんし、やはり夜道は避けた方がいいかもしれません。

そんなハーレムですが、犬を飼っている人もたくさんいますよ!散歩させてる人、犬と一緒にお友達とおしゃべりしている人(ハーレム住民は家の前や公園のベンチでたむろすのが何故か大好き)、犬連れにに会うのはかなりの遭遇率。上の文章でもちょっと触れましたが、ハーレムの方々はアパートの前の入口やポーチ、道路脇に置いてあるベンチスペースなどで友人と固まってお話するのが本当に大好きなんです。これは不思議と黒人の人たちのカルチャーなんだそうですね。確かに白人の人たちがそれをしているのは見たことがありません。そして、なぜか家の中ではなくて、玄関前スペースにたまる。そこに犬も一緒につれて夜寝る前までだらだらとおしゃべりを楽しむ姿もちらほら。黒人の方の身体の、特長的なことなのでしょうか、彼らはとにかく声がよ~く通るんですね。物凄く上手い有名歌手が多いのも納得です。もう発声自体が全然違うんです、ただおしゃべりの声だけでも。そんなふうにおばちゃんたちが各々犬も連れて来て、集まって楽しそうにおしゃべりしながら、わっはっは!とそれはそれは豪快な笑いを飛ばしている夕暮れの光景はなんともいいものでした。

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ハーレムの犬の飼い主のマナーについて見てみると、確かにマンハッタンのセレブレティが住んでいる地区と比較すれば、確かにちょっとお行儀がわるいな、と感じることもあります。例えば、わんちゃんの落とし物を拾わない。これが一番多い。次いで、わんちゃんにリーシュをつなげず、放し飼い状態で散歩させる。これはいろんな意味で危ないですよね。あと、やっぱりわんちゃんが着ている服だとか、毛並みの感じ、ハーレムのわんちゃんたちはかなり生活感が出ています。ヨーキーなのに毛がぼっさぼさで「それ自分でテキトーに切ったでしょ?」っていうカットだったり。でも、捨て猫にいつも缶詰を上げる人がいたり、捨て犬をすぐ保護したり、ハーレムの人々の生活にも犬や猫は溶け込んでいます。みんな犬好きなんですね。身体の大きな強面の黒人のおじさんが、とっても小さなチワワを大切そうに連れているのなんかを見ると、とても微笑ましかったです。

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ハーレムからセントラルパークまで、ちょっと頑張れば歩けないこともないですが、気軽に行くには距離があるため、みなさん近所の公園に行ったり、ストリートを何ブロックか歩いたりというスタイルです。セントラルパーク以外にも、公園はちらほらたくさんあるマンハッタン。そこにはリスも鳥もラクーンもいますし、東京より自然は身近かもしれません。我が家の犬は猟犬なので、公園にいけばそれはもう周りの小動物に大ハッスル!リスを追いかけたり(リスの方が上手なので絶対に捕まえられませんが)、鳥のたまり場に向かってダッシュしてみたり、同じ都会でもニューヨークでのほうがのびのび過ごせています。

広い地球の色んな国の、それまたそれぞれの地域で、いろんな人が住んでいて、そしていろんな犬がいて、またいろんな生活があるわけですね。違う文化をのぞいてみるのは自分の凝り固まった先入観を根っこからくつがえしてくれて、本当に刺激になります。ハーレムでの生活はとても良い意味で裏切られました。

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ラブレス 富士子

ラブレス 富士子

米国在住。ピアニスト、音楽家の通訳として活動しています。小さい頃から犬、猫、ひよこ、うさぎ…色々な動物と暮らしてきました。愛犬たちとの暮らしは、毎日が彩り豊かでほっこりシアワセ。趣味はハープ。動物と、文章を書くこと、絵を描くこと、音楽をこよなく愛する犬飼いです。

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