愛犬が突然噛む!その行動の理由や噛まれた場合の対処法は?

2021.05.03

愛犬が突然噛む!その行動の理由や噛まれた場合の対処法は?

愛犬との生活を送る中で、「突然噛まれた!」という経験をされたことのある飼い主さんは少なくないでしょう。また、この様な愛犬の行動に頭を悩ませているという方も多いと思います。犬が噛む場合、そこには必ず何かしらの理由があるのです。今回は犬が噛む理由や、その時の心境、噛み傷に対する注意点を紹介していきます。きちんと対処するためには、まず、愛犬の気持ちをしっかり理解しましょう。

犬が噛むのはなぜ?

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犬が人を噛む行動の裏には、必ず何らかの理由があります。
とはいえ、人を本気で噛む行為に関してどの程度まで許容するべきか、しっかり判断しなくてはいけません。
愛犬が人を噛んでしまった結果、怪我や何らかの事故に繋がる恐れが十分にあるので非常に危険です。
まずは噛む行動の理由・原因を知り、その意味を理解しながらどう適切にコントロールするべきか考えていきましょう。

◆突然人噛む理由や原因

①知らない人への恐怖
飼い主さんや家族が触っても普段は噛み付いたりしない子が、他人が撫でようとした時に噛む行為に走ることがあります。特に相手が子供であれば、力加減が分からずに勢いよく手を出してしまうことも多く、愛犬からしたらそれは知らない人から攻撃される!と感じてしまっても仕方のない状態です。びっくりして、自分を守るために、または威嚇の意味合いから、反射的に噛もうとしてしまうのです。
信頼関係の成り立っていない相手に対しては、このような事態が起こりがちです。
また、子犬の頃に体罰を受けた経験のあるワンちゃんは、その経験を学習しているために成犬となってからも、このような攻撃性が頻繁に見られたり、人に対する苦手意識が芽生えてしまっている可能性があります。

②ストレスによるもの
愛犬のストレスが過剰に溜まっている状態であれば、ちょっとしたことが引き金となって、噛む行為(攻撃行動)に繋がる場合があります。
順応性の高い動物である犬は、人間の決めたルールに適応することができますが、孤独を強く感じたり、運動量が足りない日が続けばストレスを感じてしまいます。ストレスは、健康被害に加えて、様々な問題行動へのきっかけとなるのです。
日常的に愛犬の状態をよく観察し、散歩時間を増やしたり、たまには愛犬の要求をのんで沢山遊んであげたりなど、ストレスを発散させる時間を作ることで改善していきましょう。

③本能によるもの
①に通じるものですが、他者からの攻撃と思い、反射的に防衛本能から攻撃行動に至ることは多いです。
休んでいる愛犬の近くにたまたまいて、身体が当たってしまうというケースはよくありますよね。例えば、寝ている愛犬に急に触れた場面などがこれに当たりますが、この場合、相手が飼い主さんや家族だといえども起こり得る反応です。
元々犬は群れの中で暮らしていた動物であり、そこには必ずリーダーがいました。上下関係意識の強い性格の個体であれば、こういったトラブルが起こる可能性が高いかもしれません。
本能行動が原因となる場合は、根本的に治らない可能性もあります。ドッグトレーナーなどのプロに相談するなど、専門家にアドバイスを仰いだり、しつけ教室を利用するのが解決への糸口となるでしょう。

④病気や怪我
愛犬が突然噛み付く原因には、病気や怪我が隠されている場合もあります。
飼い主さんがそれに気付かず、抱っこされて痛みを感じたり、痛い場所に触れようとした場合など、それを拒否するように犬は反射的に噛んでしまうのです。
普段触られるのを嫌がらない愛犬にそのような様子が見られた場合は、身体に異常があるのかもしれません。早めに動物病院を受診して、獣医さんに相談してくださいね。病気やケガが発覚した場合は、すぐに治療してもらいましょう。


犬が噛む時の心境

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犬が噛む理由を紹介してきた通り、噛む行動の裏には原因が必ずあります。まずは、愛犬の気持ちを理解することが重要なのです。
大抵の場合、不安・怖い・嫌だ、といったマイナスの感情を抱いています。
子犬の頃であれば、好奇心から噛みたい欲求が強かったり、歯が痒いことが原因で物を噛むことは珍しくありません。
ただし成犬となってからの、遊んでいる際中の興奮や、甘噛みなどの状況を除き、人を噛むという行動は愛犬が感じているストレスの現れだというわけですね。
前述したように、ストレスは問題行動を引き起こします。人に限らず、部屋の物を壊したり、ソファを噛んだりといった行為にも発展する可能性があります。
原因がストレスにしろ他の理由にしろ、犬は噛むことでその感情を伝えようと意思表示をしているのです。そのサインを無視せずに、問題の解決に努めてくださいね。


犬に噛まれて血が出た場合、どうしたらいい?

犬や動物に噛まれて傷ができた場合、その傷を「動物咬傷」といいます。
この動物咬傷は、普通の怪我に比べて感染症のリスクが高いもので、通常の切り傷などとの対処とは異なるのです。
噛まれた傷を数日間放置すると、真っ赤に腫れたり、痛みが出てくる場合があります。このような症状が出てくると、手術が必要となるケースに至り、正に大怪我と呼ばれる状態になる可能性があるのです。
人間を含めて、生き物の口の中には細菌が多くいますよね。牙を持つ動物に咬まれた場合、牙が服まで入り込み、傷口は深いものとなります。そのため、傷の重症化や感染症のリスクが高まるというわけです。
このことから、犬や動物に咬まれた場合の傷には、特別な対処が必要となります。
もしも犬に咬まれて血が出てしまったら、どう対応するべきなのかチェックしていきましょう。

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可愛らしい表情で私たち人間を癒してくれる犬たちですが、本能的に噛むことがあります。 遊びの延長で噛むなど許容範囲の噛み方もあるものの、本気スイッチが入って「強めに噛む」こともあります。 見た目には分かりにくいですが、犬は鋭い歯を持っています。 あまり力が入っていない噛み方をされても小さな傷ができるでしょうし、本気で噛まれたら縫うほどの傷ができる可能性もあるでしょう。 また、犬が持っている菌が原因で後から病気を発症することもあり、安易に放置するのは危険なことなのです。

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◆咬まれてすぐにするべき対応とは?

犬に咬まれて血が出た場合、まずは5分程、傷口に流水をかけましょう。水道水で大丈夫です。
そして清潔なタオルやガーゼで、傷口をグッと圧迫して止血します。
傷や出血の状態を途中で確認したくなっても我慢しましょう。しっかり止血が完了するまで、圧迫することが大切です。
咬まれた箇所が手や足の場合は、心臓よりも高くあげておきましょう。
患部には、液体絆創膏などの傷口を塞いでしまうものを使用するのは避けてください。万が一ウイルスがいた場合、ウイルスを体内に閉じ込めてしまうこととなってしまいます。
また、止血できないレベルの出血がある場合には、迷わず救急車を呼んでくださいね。
動物に咬まれた場合は病院へ行き、処置後、抗菌薬を処方してもらうのが基本です。傷の程度に限らず、一度診てもらうことがすすめられます。
病院では、いつ、どの部位を咬まれたか、破傷風のワクチンを受けたか、家でどう対処したか、といった点をお医者さんに伝えましょう。

◆動物咬傷による感染症とは?

前述したように、犬や動物に咬まれると、感染症へのリスクが高まります。万が一に備えて、どのような感染症があるのかをチェックしておきましょう。

破傷風

破傷風毒素(破傷風菌が産生する毒素の一つ)により、強直性痙攣を引き起こす感染症です。
居所から全身に移行して重篤な状態となった場合、呼吸筋の麻痺によって窒息死するケースもあるとても恐ろしい病気なのです。
破傷風菌は土壌中に広く常在しており、創傷部位から体内に侵入します。土に触れる可能性のある動物全てに、この感染症のリスクがあるといえるでしょう。
ただ日本人は幼少期の頃に、破傷風のワクチン接種をしているため、破傷風への心配はほとんど不要だともいえます。しかし、ワクチン効果は10年程度ともいわれるため、万が一に備えて、ワクチン投与をされる可能性もあります。

狂犬病

狂犬病ウイルスに感染することで発症する病気で、人間が感染すると100%死に至る恐ろしい感染病です。
名前に「犬」がついているため、犬からのみ感染すると思われがちですが、犬以外の動物もこのウイルスを持っているので覚えておきましょう。
近年国内では、狂犬病による死亡例はありませんが、アジア・南米・アフリカなど全世界では5万人以上の死亡者がでています。
患部には、痛み・しびれ・感覚麻痺・やけど後のような感覚異常などの症状が現れ、初期症状としては、発熱・頭痛・筋肉痛・悪寒など、インフルエンザなどに似た症状が挙げられます。進行すると、興奮・意識障害・錯乱・幻覚などの神経症状がみられるそうです。更に特徴的な症状として、恐水症(水が怖くて飲めない、手が洗えないなど)や恐風症(エアコンなどの風が怖いなど)などがあります。
そして最終的には全身痙攣・不整脈が起き、臓器障害などが引き起こされて死に至るのです。

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「狂犬病」はTVやニュースなどで取り上げられる事もあるため、皆さんも一度は耳にしたことのある言葉なのではないでしょうか。でも、狂犬病とは一体どんな病気なのか、どのような症状が出てしまうのか、人間にも移ってしまうのかなど、詳しく知っている方は意外と少ないと思います。 今回は、狂犬病や予防接種の必要性についてご説明していきますので、知らない方だけでなく知っている方もおさらいの意味を込めて今一度目を通してくださいね!

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猫ひっかき病(バルトネラ症)

バルトネラヘンセレという菌が原因となる感染症です。猫を媒介としての発症例が多いため、猫ひっかき病と呼ばれているのですが、犬からも感染する可能性はあります。
猫ノミに吸血された猫や犬がバルトネラヘンセレに感染し、感染した動物が人間を噛んだり引っ掻いたりすることで、人へ創傷感染するといわれています。


どうしたら噛まれずに返してくれるか?

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飼い主さんのモノを口に咥えたり、噛むという問題行動を起こす子は珍しくありません。さらに、取られたモノを愛犬から取り返そうとして手を噛まれたことのある方もいるでしょう。
飼い主さんが怪我をすることももちろん避けたい事態ですが、愛犬が人を噛むという経験も繰り返させたくない行為ですよね。この様な場合、どう対処するべきなのでしょうか。

◆口に入れて欲しくない物を、とられる場所におかない!

まずは、愛犬が人の物を取れない環境作りを目指しましょう。日頃から室内を片付けておき、愛犬に噛まれたくない物は最初から届かない場所に置くのです。
物を取られる→取り返そうとして噛まれる、といったトラブルを繰り返し起こさないことが大切です。
噛んだものによっては、口内が傷ついたり、誤飲などの危険があります。
愛犬と飼い主さん両者の安全のためにも、まずはトラブルを予防できるように気を付けてみてください。

◆おやつやおもちゃと交換する

愛犬は自分が口に咥えているものを、大切なもの、宝物のようなものだと感じているかもしれません。それを無理やり取ろうとしたら、もちろんマイナスイメージを感じてしまいます。その結果、攻撃的な行動に出てしまうのです。
ただ愛犬の口から奪うのではなく、愛犬にとって嬉しいものと交換するという方法にチャレンジしてみましょう。
おもちゃが好きな子であればおもちゃを投げた拍子に、口に咥えていたものを放したり、おやつやご飯が好きな子であればおやつ・ドッグフードを食べようとします。その隙に、口から出されたものをさりげなく取り替えしましょう。
しかしあまり繰り返すと、物を奪えば嬉しいことが起きる、と勘違いしてしまう子もいます。
何よりも、とられて困る物を愛犬が届く場所に置かないよう注意することが大切だということを忘れないでくださいね。

◆「ちょうだい」「はなして」を覚えさせておこう

愛犬に、咥えている物を放させるコマンドを覚えさせておくのが、最もおすすめの方法です。
万が一、飼い主さんの物を取られたとしても、このしつけを施しておけばすぐに放してくれるでしょう。
おもちゃなどを咥えている時にコマンドをいい、放せたら沢山褒めることを繰り返してください。そしてご褒美のおやつをあげましょう。
とってこい遊びにも応用できるので、おすすめのコマンドです。愛犬とのコミュニケーションを図るためにも遊びの延長として、トレーニングにチャレンジしてみくださいね。


まとめ

愛犬が突然噛んできたら、そこには何かしらの理由が存在します。
その行為の前後に、思い当たることは在りませんでしたか?また、日常的に愛犬がストレスを抱えている状況にないでしょうか。
そして、病気や怪我が原因である可能性がある、ということも忘れてはいけません。状況を改善するためには、まず理由を知ることです。
万が一、犬に咬まれて血が出た場合は、紹介した対処法を即時に行ってください。感染症にかかるリスクもゼロではありませんので、基本的には病院への受診がすすめられます。
噛むという行為は、犬にとっては普通の行動です。それを許容するべき範囲を、飼い主さんがしっかり理解しておく必要があります。両者に怪我などがないよう、安全で楽しい健康的な生活を送れるように配慮しましょう。



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壱子

壱子

子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!


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