【ドッグトレーナー監修】正しいお手の教え方。愛犬がお手を覚えてくれない!お手の必要性は?

2022.08.17

【ドッグトレーナー監修】正しいお手の教え方。愛犬がお手を覚えてくれない!お手の必要性は?

最も基本的なコマンドのひとつである「お手」。比較的教えやすく、そこまで苦労せずに愛犬が覚えてくれた!という飼い主さんも多いかもしれませんね。しかし中には、何度やっても中々覚えてくれない…と頭を抱える飼い主さんも実際にいます。今回はこの「お手」について、その必要性やできない原因、教え方などを紹介していきます。これからお手を教えようとしている飼い主さんは是非、チェックしてみてくださいね。


【掲載:2021.05.31  更新:2022.08.17】

犬がお手を覚えてくれない原因

お手をする犬

愛犬が中々お手を覚えてくれない時、そこには何かしらの原因があるかもしれません。
簡単なコマンドのはずなのにどうして?!と不安や焦燥にかられる飼い主さんもいるとは思いますが、まずはその原因を探ってみましょう。
お手をさせようとしている時、愛犬の様子はどうですか?教える側に問題はありませんか?
犬がお手を覚えない場合に考えられる原因を紹介していきましょう。

◆足を触られるのが嫌い

人に足を触られるのが嫌いなワンちゃんは意外と多いのです。このほとんどは、子犬の頃から足を触られることに慣れさせていなかったことが原因だといえるでしょう。
まずは、愛犬の身体を触れるようにコミュニケーションをとることから始めてみましょう。

◆コマンドが不統一である

コマンドとは犬に対する指示のことで、しつけを施す上では特に重要なものとなります。
例えば、一人が「お手」と教えているのに、別の人が「ハンド」などという違う言葉を使っていれば、愛犬は混乱してしまいますよね。一つのコマンドにひとつの動作、を基本とすることが大切です。
家族間で事前に話し合い、コマンドとして使う言葉を統一することを忘れないでくださいね。

◆反抗期の時期である

実は、犬にも人間同様に反抗期が訪れます。犬の場合、生後半年から1歳になる頃に反抗期を迎えることが多いといわれているのです。これまでに教えたしつけやコマンドが中々できなくなったら、その理由は反抗期が原因である可能性も考えられます。
愛犬の様子や状態をみながら、出来そうなときに焦らず練習していきましょう。

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犬にも、人と同様、「反抗期」があります。それまでできていたことができなくなったり、指示に従わなくなったりする時期です。飼い主さんは問題行動に悩んでしまうかもしれませんが、犬の成長過程においては自然なことです。反抗期について理解して正しい対応を取れば、お互いの信頼が増し、素晴らしいパートナーになれるでしょう。今回は、犬の反抗期について、時期や行動、正しい対処法を詳細に解説します。

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犬にお手を教える意味

お手は、愛犬に必ずしも覚えさせなくてはいけないコマンドではありません。
その必要性に関しては後述しますが、できないのはまずい!と飼い主さんがそこまで気負う必要はないのです。
ただし、覚えさせることでメリットがあるのも事実です。まずはどのようなメリットがあるのかをみていきましょう。

  • 足を触り慣れるトレーニングになる。
  • 愛犬とのコミュニケーションになり関係性を作れる。
  • 散歩や外出などからの帰宅時、足を洗いやすい。
  • 爪切りがしやすい。
  • 足を怪我した時に手当てがしやすい。

このように、飼い主さんが愛犬の足に触る必要がある時に、お手をしてくれるだけで様々な事に役立ち、とても助かるケースもあるのです。
帰宅後に足を拭いたり、洗ったりする場合もそうですし、爪切りもしやすいですよね。普段からお手ができると、足を触られることにも嫌悪感を抱かず、体のケアや手当などに対する苦労も軽減されます。
また、お手は簡単な動作のために犬も覚えやすく、楽しい芸になります。飼い主さんと楽しく関係性が築け、とても役立つコマンドのひとつだといえるでしょう。

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飼い主さんの指示に従えるようにしつけをするのは、愛犬が安全に暮らせることにも繋がります。 今回は、しつけのカギを握る「コマンド」をいくつかご紹介しつつ、しつけの大事さについてじっくり考えいきます。

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◆犬にお手を教える必要性

お手の必要性に関しては賛否両論で、様々な意見があります。
「おすわり」「待て」「おいで」などは、人と共存するため、愛犬の安全を守るために必要なしつけですよね。このようなコマンドと比べると、「お手」は芸なのでやはり必要性が劣ります。
このため、お手を嫌がる犬に対してはお手の訓練を無理強いする必要はないといえるでしょう。
あまりに嫌がる愛犬に無理やりお手を教えると、トレーニング自体に嫌悪感を抱いてしまう可能性がありますよ。
ただし、お手には前述したように覚えさせることで得られるメリットもあります。愛犬と飼い主さんの両者が、お互いに無理のない範囲でまずは挑戦してみることがすすめられるでしょう。
一緒に楽しみながらトレーニングをするという姿勢で、あまり気負わずに練習してみてはいかがでしょうか。

◆犬にお手を教える時期

お手に限らず犬のしつけに関しては、子犬の頃から行った方がよいとよく聞きますよね。これは、若い犬の方が物事を吸収しやすいと考えられているからです。
ちなみにお手などを教えるのに良いとされているのは、一般的に三か月頃だといわれています。
しかし、やはり犬にも個体差がありますので、あくまでもこれは目安です。性格や能力にはそれぞれ違いがあります。愛犬の様子や成長スピードに合わせてしつけを進める必要があるでしょう。
成犬になったからといって、お手を覚えられないわけではありません。子犬の頃よりは難しいかもしれませんが、不可能ではないのです。
我が家の愛犬の中には、手を触られるのがどうしても苦手な子がいます。実際、その子は5歳を迎えてから、ようやくお手ができるようになりましたよ。
愛犬の様子をみながらできる時を探し、焦らず、無理強いせずにトレーニングすることが大切です。
子犬の頃には、まずは社会化を進めることが第一。飼い主さんとの信頼関係を深めること、ボディタッチに慣れさせることが、お手を教える前には重要だということを忘れないでくださいね。


犬のお手は右手と左手どちらなのか

お手をする犬

愛犬にお手をさせる時、出す手が右手か、左手なのかは、家庭によって違うかもしれません。
基本的には愛犬と向き合った状態で、右手がお手、左手がおかわり、とされていますが、きちんとした決まりがあるわけではないのです。
そのため、出す手が反対でも問題はないのですが、覚えさせるならどちらがお手で、どちらがおかわりかを、しっかり認識させなければいけません。
教える際には、使うコマンド(言葉)はもちろん、動作を起こす手がどちらであるかも統一させましょう。


犬にお手を教える手順

様々な教え方の中から一般的なお手の教え方を紹介していきます。これから教えようと考えている飼い主さんは、是非参考にしてみてください。

 愛犬におすわりをさせる(お座りの状態にする)。
 「お手(コマンド)」と言いながら、飼い主さんの手の平に愛犬の右手を乗せる。
 手の平に乗せたあと、おやつやフード(粒)などのご褒美を与える。
 この手順(①~③)を何度も繰り返し行う。
 「お手」と言いながら、手の平を愛犬の前に出して少し待つ。
 愛犬が手を乗せてきたらしつけ完了。

おかわりも同じ要領で教えることができます。
根気強く、何度もチャレンジしてみましょう。出来たら大げさなくらい褒めてあげるのがコツです。
ちなみに教える手順の中で注意して欲しいのが、愛犬の手を無理やり引っ張らないことです。飼い主さんの手の平に愛犬が手を乗せないからといって、無理矢理引っ張ってはいけません。お手へのマイナスイメージに繋がってしまいますし、怪我の原因にもなり得ます。
ご褒美はおやつの方が効果的ですが、カロリーが気になる場合はドッグフードを一粒与えるなどして対応してくださいね。


お手の教え方のポイント

お手を教える手順を覚えたら、次は教える際のポイントをチェックしていきましょう。
間違ったやり方をしてしまうと、愛犬がトレーニング嫌いになってしまうので要注意です。ポイントをしっかりおさえて、効果的に練習してくださいね。

◆短時間で反復練習

犬の集中力は5~10分が限界といわれており、とても短いです。トレーニングは、この時間内で一度区切るのが大きなポイントとなるでしょう。
愛犬が飽きてしまっているのに、無理強いするのはNG行為です。今後のしつけにも悪影響を残す可能性があるので、大体5分を目安としてトレーニングを行ってくださいね。

◆犬の機嫌に合わせる

お手を教える際には、愛犬の機嫌や様子、状態などに気を配ることも重要です。
人間にもいえることですが、やる気がないのにダラダラ勉強などをしても効率はあがりませんよね。
出来るまでに時間がかかっても大丈夫です。焦って教えなくてはいけないしつけではありませんので、愛犬の状態に合わせて、トレーニングをしていきましょう。
お手ができた、練習を頑張った時には、たくさん褒めてあげてください。褒めることで、何が良かったかを理解させられますし、愛犬も自分に自信がもてるようになります。
犬それぞれに合ったタイミングで、適切な方法を用いて教えてあげましょう。

◆統一した言葉で教える

前述しましたが、コマンドの統一はとても重要です。必ず、家族全員が同じコマンド(言葉)を使うこと、出させる手の方向を決めておくことを忘れないでください。
コマンドが統一されていなければ、犬は混乱してしまい、中々お手を覚えることができないでしょう。
これは、お手に限ったことではありません。全てのしつけにおいて、コマンドは統一しておいてくださいね。

◆トレーニング中に叱らない

思うようにしつけが進まなければ、飼い主さんもイライラしてしまうかもしれません。
しかし、お手を含めた全てのトレーニングにおいて、練習中に叱ることはNG行為なのです。これも、トレーニング嫌いの原因となってしまいますよ。
できなくても決して叱らないでください。しつけの全てに必要なのは飼い主さんの根気です。
短い時間で何度も繰り返すこと、できなくても焦らずに時間をおいてチャレンジすることを念頭に置きましょう。


まとめ

お手は必ず覚えさせなくてはいけないしつけではありませんが、覚えさせることでメリットのあるしつけのひとつです。
愛犬の様子をみながら、ストレスを与えないように配慮してチャレンジしてみましょう!
「お手は簡単だから、出来て当たり前」といった考え方は決してしないでください。
愛犬の機嫌や状態を観察しながら、無理強いせず、焦らず、短い時間で練習を繰り返すのがポイントです。
お手の教え方にも、個体によってやり方を工夫すると良いかもしれません。おやつよりも遊びが好きな子には、ご褒美をおもちゃにするなど、それぞれの犬にあったやり方を探してみてください。
しつけ方法はネット記事でも沢山紹介されていますので、様々なしつけ方法をチェックしてみましょう。
遊びの延長の間隔で、愛犬と楽しみながらお手にチャレンジしてくださいね。

※こちらの記事は、ドッグトレーナー監修のもと掲載しております※
●記事監修
drogura__large  ペットの専門店コジマ
 藤平ドッグトレーナー

ペットの専門店コジマではワンちゃんのしつけでお困りの方に、年齢や状況でコースが選べるマナー教室をご用意しています。経験豊富な講師が飼い主様のお悩みを解決します。

講師をつとめる藤平奈大之は、犬のテーマパークにてドッグパフォーマーとして活躍。他にも出張トレーナーや動物の専門学校の講師、テレビやラジオなどの活動も経験し、現在はペットの専門店コジマ ドッグトレーナーとして「飼い主さまとワンちゃんとのライフスタイルや性格、能力に合わせたトレーニング方法」をスタイルに活動中!

https://pets-kojima.com/manner/

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壱子

壱子

子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!

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