1.犬が雷を怖がる理由
1-1.大きな音に危険を感じる・怖い
1-2.強い光に驚く
1-3.飼い主が雷を怯えるため
1-4.気圧などの環境の変化を感じて不快
1-5.雷に関連するトラウマがある
3.雷を怖がる犬にできる対策
3-3.安心できる場所を作ってあげる
3-4.飼い主が日常通りの行動をする
3-5.薬やサプリを与える
3-6.雷の音に慣れさせる
3-7.タオルや細長い布でたすき掛けをする
犬が雷を怖がる理由
犬が雷を怖がるのは、「自分の身に危険が迫ってくる」と感じてしまうからです。
普段の生活にはない光や音が突然鳴ることに驚くだけでなく、気圧の変化や空気のにおいの違いも感じ取ってしまいます。生まれ持った性質上、光や音に対する刺激に弱い犬もいますし、いろいろな経験をしていく中で恐怖心が生まれてしまう場合もあるようです。
そして繰り返し雷を体験するごとに、恐怖心は強くなっていきます。
◆大きな音に危険を感じる・怖い
大きな音にびっくりするのは人間も同じですが、犬は人間の何倍も耳がいい生き物です。
正体のわからない不規則な大きな音は、もしかしたら自分に危害を加えるものかもしれない、近づいてくるかもしれないと思うと恐怖心を抱いてしまいます。
◆強い光に驚く
薄暗い空が急に眩しいほどピカッと光るのは、犬にとって異様な光景に映るでしょう。
そして光った後に大きな音が鳴るという仕組みを理解すると、空が光るたびに「このあとには大きな音が鳴る」と思い出し、恐怖が増して体に緊張が走ります。
◆飼い主が雷を怯えるため
飼い主さんが雷を怖がることで、犬が「雷は怖いもの」と覚えてしまいます。
飼い主さんのことを信頼しているからこそ、気持ちを汲み取ってしまうのでしょう。
対処法としては、大きな音が鳴っても飼い主さんが落ち着いている姿を見せてあげることが大事です。いつもと変わらない態度で接してもらえるだけで、犬の感じる不安を軽減できるはずですよ。
◆気圧などの環境の変化を感じて不快
犬は、気圧の変化や静電気の発生、オゾン臭、空気中の振動の変化なども感じています。
そのため人が感じるよりも強く不快感を抱いている場合が多く、異常な行動をとってしまいがちなのです。
また、病気の犬や老犬などは気圧の変動で体に痛みが出ている場合もあります。
◆雷に関連するトラウマがある
犬はよく学習する生き物ですから、繰り返し雷を経験することによって、雷の時に感じた恐怖を思い出してさらに雷が怖くなってしまう場合が多いようです。
さらに叱られてしまうと、余計に雷に対して苦手なイメージを持ってしまいます。
ですから犬が恐怖心からいつもと違う行動をとってしまっても、叱らずに優しく接してあげるように
心がけましょう。
犬の雷恐怖症とは
雷の音や光に対して過剰に反応してしまう異常恐怖症です。
これは雷の前後に反応が見られます。犬は人よりも気圧の変化や音に敏感ですから、雷が鳴り始めるよりもかなり前から怯え始める場合もあるでしょう。
過度の恐怖心から、いつもとは違う仕草や行動をし始めます。
◆原因
犬は雷の音が聞こえる前から気圧の変化を感じ取っています。
そして外の景色が一変して大きな音が鳴ることで、何かいつもと違うことが起こるのではないか、自分が攻撃されるのではないかと不安になってしまうのです。
◆症状
犬の雷恐怖症は、軽いものからかなり心配な状態までさまざまな症状があります。
雷が近づいてくると、体がぶるぶる震えだして動けなくなってしまったり、荒い息遣いで落ち着きなくうろうろ歩き回り始めたりする犬はとても多いようです。
そして恐怖心をコントロールできず強いストレスを感じ続けてると、症状も強くなっていきます。いつもは大好きなごはんも食べられず、嘔吐や下痢をする場合もあるのです。さらに症状がひどくなると、パニックから飼い主の言葉が耳に届かず暴れて逃げ回ってしまうこともあります。
またもともと心臓が弱い犬や老犬は、体への負担が大きすぎてショック死する場合もありますので、特に注意して見守ってあげなくてはなりません。
雷を怖がる犬にできる対策
急に雷が鳴っても慌てないように、日ごろから飼い主の指示に従えるようにしつけをしておくといいでしょう。
「ハウス」と言われて自分のケージに戻る習慣がついていれば、犬も安心できます。そこにいつも使っているタオルなどを置いてあげると、さらに気持ちが落ち着くはずです。
それから驚いて家を飛び出してしまうと迷子や事故に遭う危険性がありますから、雷の前に窓や扉はあらかじめ閉めておきましょう。万が一の時のために迷子札をつけておくのもおすすめです。
また恐怖心を抱くかどうかは初めの印象が大事です。まだ子犬のうちから花火大会などに連れて行って楽しい思い出を作ると、大きな音にも動じない犬になれるかもしれません。
◆安心できる場所を作ってあげる
犬は安心できる場所があると、とても落ち着くことができます。
これは雷の日だけではなく、体の調子が悪い時などでも同じです。日ごろからケージやサークル、キャリーなどで安心できる場所を作ってあげて、「そこにいれば安心できる」と犬が思える空間を用意しましょう。部屋のすみっこや人があまり通らないところに設置すると、犬がリラックスできる場所になります。
また犬は本来狭いところが好きなので、ケージやサークルが広すぎるとその中でも思うようにリラックスできませんから、愛犬の体格に合った大きさのものを用意してあげましましょう。
◆飼い主が日常通りの行動をする
雷が鳴っても怯えず、不安がっている姿を見せないことが重要です。
「怖くないよ」と言って犬を優しくなでてあげると、飼い主さんから安心感を感じとれます。
また、犬がいつもと違う行動をするからと言って叱ってしまうと余計にトラウマになりますので、粗相などをしてしまっても叱らずに対応してあげましょう。
ただ怖がらせないようにとしつこく声をかけたりすると、犬は飼い主の異変を感じ取って「雷は怖いもの」と思ってしまい逆効果になってしまいます。
◆薬やサプリを与える
あまりにも雷を怖がって心配な場合は、不安を抑える作用のあるサプリメントを試すのもいいでしょう。
サプリメントはあまり副作用を心配せずに試せますが、犬によって効き目はそれぞれのようです。
さらに積極的な治療としては、抗不安剤、抗うつ剤などの薬があります。こちらは効果が現れやすいですが、薬によってはある一定期間飲み続けなればいけません。
また、長期に渡って薬を服用すると耐性ができて、薬が効きづらくなってしまうこともあるようです。薬はサプリメントよりも副作用が心配ですから、投薬量が増えると使い続けるのが難しくなることもあります。薬やサプリメントを使うときは専門家とよく話し合い、愛犬に負担をかけないように使用しましょう。
◆雷の音に慣れさせる
急に雷が鳴っても怯えないように、日頃から雷の音を聞かせてみましょう。
音楽アプリに入っている音や録音した雷の音を、はじめのうちは小さい音から聞かせて徐々に音量をあげて慣れさせます。家の中のどこから流れているのかわからないように、いろいろな場所から音を鳴らしてみるといいでしょう。
もし犬が音に対して極度に怖がったり、隠れてしまったりする場合はすぐに音を消してあげます。嫌な思いはさせずに、あくまでも楽しみながら雷の音に慣れさせましょう。
◆タオルや細長い布でたすき掛けをする
「タオルを犬にたすき掛けするだけで本当に雷を怖がらなくなるの?」と疑問に思うかもしれませんが、実はタオルのたすき掛けは大多数の犬に効果のある方法です。
伸縮性のあるタオルや布で包まれた犬は、人の赤ちゃんがおくるみに包まれて安心するのと同じように、抱っこされているような感覚になり落ち着きを取り戻すことができます。
雷を怖がる犬にはたすき掛けが有効
◆理由
これは犬の行動学に基づいたもので、タオルなどで適度に締め付けを感じると犬は不安がやわらぎます。
特に抱っこされるのが好きな犬には、飼い主さんに抱っこされている感覚になり効果的でしょう。
◆方法
まず、犬の首元にタオルの真ん中を当てて首の後ろでクロスさせます。
それから、おなか部分で再度同じようにタオルをクロスします。
最後は、タオルを背中に回してキツくなりすぎないように結びます。
これで完成です。
◆サンダーシャツ
サンダーシャツは、着るだけで犬が抱きしめられているように感じられるもので、不安を緩和する効果があります。簡単に装着できるので、タオルでの巻き方が難しいと感じる方にも扱いやすいでしょう。
もちろん効果は犬によって違いますが、普段から着て慣れていれば、いざという時にも違和感を抱かずに着てもらえます。飼い主さんが留守にする場合にも、着せておくと少しは安心できますよね。
またサンダーシャツは自分で簡単に作ることができます。余っている手拭いやタオルを適当な大きさに切って縫い合わせるだけなので、時間があるときに用意しておくと役立つでしょう。毛足が長く毛量の多い犬は静電気をためやすいので、静電気の発生を抑える特殊繊維で作られた布やタオルを使用するのもおすすめです。
まとめ
犬が雷のたびに怖がる姿を見るのは、本当にかわいそうですよね。
犬は雷だけでなく、花火や大雨、掃除機などの大きな音など恐怖に感じやすいものがたくさんあります。タオル一枚でその恐怖心をやわらげられるならば、たすき掛けやサンダーシャツはやってみる価値があるでしょう。
愛犬にタオルのたすき掛けが効くようであれば、もしもの災害の時にも不安をやわらげられます。たすき掛けがうまくできない場合は、大きなタオルで包んであげるだけでも違うでしょう。
どんな時でも、できるだけ不安を取り除いて安心して生活できるようにしてあげたいですね。
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