1.犬が突然走り回る理由
1-1.ストレス解消
1-2.運動不足
1-3.エネルギーを放出したい
1-4.パニックや興奮
1-5.おしりに違和感がある
1-6.構ってほしい時
4.突然走り回ってしまう犬の対処法
4-1.ストレス源を考える
4-2.十分な運動をさせる
4-3.クールダウンできるスペースを作る
犬が突然走り回る理由
◆ストレス解消
走ることで犬はストレスを発散し、欲求を満たすことができます。犬は不安や緊張が溜まり、それから解放されたいという気持ちで走っているのです。ウロウロと落ち着かないのであれば認知症、てんかん、脳腫瘍などの病気の可能性があり、獣医師の治療が必要です。ですがこれはごく稀で、走り回るくらい元気ならば心配は要りません。
犬と暮らしているとシャンプーやドライヤー、爪切り、病院での治療など、愛犬が嫌いだとわかっていても我慢させなくてはいけないときがあります。犬は苦手なことをされている間じっと我慢して、終わったら解放されたと走り出すことがあります。他にも日頃の運動不足や生活環境が悪いといった長期間のストレスが積み重なって突然走り出すことが考えられます。
◆運動不足
たいていの犬は飼い主が疲れるくらいの運動量が必要です。運動量が少ないと、散歩に出たときや飼い主が帰宅したときなどに急に走り出してしまうことがあります。
運動不足になると肥満になる、攻撃的な性格になる、自傷するなどが起こります。肥満になって内臓や関節に負担がかかるだけでなく、家具を壊す、自分の皮膚やしっぽを血まみれにする、外に出られたときに脱走して人を襲うといった問題行動に繋がるかもしれません。
小型犬でもジャックラッセルテリアや柴犬など運動量が必要な犬種はいます。精神的にも肉体的にも健康でいるために毎日散歩に行きましょう。
◆エネルギーを放出したい
家の中で家具をかじりたいけど我慢、雨で散歩に行けなくて我慢など、犬にだって色々とモヤモヤすることがあります。特にお利口な犬はエネルギーやストレスが溜まってしまうでしょう。
そんなときにいざ散歩に出ると「やっと思い切り遊べる」と嬉しくなって犬は狂ったように走り出します。
散歩に行けなくても家の中でおもちゃで遊ぶ、体を撫でるだけでも違います。飼い主とアイコンタクトを取ると犬は幸せを感じてリラックスします。愛犬がこちらを見ているとき、近寄ってきたときには甘えさせてあげてください。
◆パニックや興奮
子犬や活発な犬は遊んでいると興奮し、嬉しくて走り出してしまうことがあります。
嬉しいときに犬はしっぽを振る、飛びつく、吠える、走るなど、犬によって反応は様々です。特に子犬は好奇心旺盛で、些細なことで興奮するので事故が起こらないように気をつけなければいけません。
生活していると大きな音や雷、花火、知らない人が家に入ってきたときなど、犬が怖がるシチュエーションはたくさんあります。
そんなとき警戒して吠える、怖がって縮こまる、パニックになって走り回るといった反応は犬によって違います。
しかしどの犬にも共通している恐怖のサインは耳としっぽを下げる仕草です。もし犬が恐怖を感じて走り回っているのであれば、体を撫でる、抱っこをするといった方法で安心させてあげてください。
◆おしりに違和感がある
犬が排泄後やシャンプー後に突然走り出すのはおしりに違和感があるから。「ウンチが残っている気がする」「おしりが濡れている」と犬は思っていて、それらを振り払いたくてダッシュするのです。
また逆に便意をもよおして走り出すこともあります。
犬は便意を感じると同時に興奮もするようです。
いつもトイレをする場所が近づいたらおならをしながら近づく、犬がダッシュで排泄をしたという経験はあると思います。人間がトイレに走るときと同じ感覚で、外でトイレをする習慣がある犬にはよく見られます。
◆構ってほしい時
犬は「これをやると飼い主に構ってもらえる」と学習して問題行動を起こすことがあります。
突然走り出すのもそのひとつです。
つい犬を叱りたくなってしまいますが、ここで大きな声を出してしまっては飼い主が喜んでいると勘違いするので落ち着いて声をかけましょう。
犬は人間の3歳児程度の知能を持つと言われていますが、年齢を重ねると当然知っていることが増えて表情豊かになります。
歳をとっても遊ぶ機会があるので子どもっぽさはあるものの、小学校低学年程度の知能は身に着くと思われます。
人間と同じように感情を持ち、言いたいことは全身を使って表現してきます。落ち着きがない犬は不満があるとアピールしているのかもしれません。
おもちゃを咥えて走り回る時
犬の祖先は獲物を狩り、捕まえるとブンブン振り回して致命傷を負わせていました。
現代の犬でも遊んでいるとその習性が目覚める瞬間があり、おもちゃを振り回すのはその名残です。
興奮状態になると咥えたまま走り回ることもあります。
狩猟犬は特に獲物に反応する性格なので興奮して走り回ることが多いです。
テリアやダックスフント、日本犬、レトリーバーなどがこれに当たります。
散歩中に突然走り回る時
散歩中に急にダッシュし急にピタっと止まるという犬は多いと思います。
一体今のは何だったの?と不思議に思うでしょう。
人間にはわからなくても他の犬や野生動物のニオイ、ヒラヒラ動く葉っぱや鳥を見つけて興奮したのかもしれません。
事故が起きないようにリードを短く持つ、交通量が少ない場所を歩くといった対策が必要です。
また伸縮リードはロックをかけるタイミングが上手くないとどんどん伸び、犬が遠くまで行って事故が起きるかもしれないので、使用しない方が良いでしょう。
飼い主の横に並んで歩く「ツケ」を教えるのも対策です。子犬のうちは散歩中に飛び跳ねてしまう犬が多く、意外と覚えさせるのは難しいです。警察犬などの働く犬はみな訓練するので、難しい場合はプロに任せてください。
突然走り回ってしまう犬の対処法
◆ストレス源を考える
犬にとって一番ストレスになるのは飼い主がいない、留守番の時間が長いこと。部屋を荒らすといったイタズラをして寂しさを紛らわす犬もいます。
ですが留守の間はじっと耐え、飼い主が帰宅したら緊張が解けて走り回る犬もいます。
他にも室内の音や光、温度も愛犬のストレスに影響します。犬が快適に感じる温度は22℃とされていますがそこまで下げなくて大丈夫です。
犬種によって暑さに弱い犬や強い犬がいますが、夏は25~26℃が良いでしょう。室温だけでなく、犬の体内時計は正確です。夜になったら人間と違ってきちんと睡眠をとるので、このときに周囲がうるさかったり明るすぎたりすると犬はぐっすり眠れません。
睡眠は犬の免疫力を高めるので寿命にも影響します。
飼い主が夜遅くまで起きているなら、愛犬の近くだけはできるだけ暗くして静かにし、睡眠環境を整えてあげてください。
◆十分な運動をさせる
散歩でたくさん歩いて疲れさせるというのは一番簡単な運動ですが、頭を使うと犬はもっとエネルギーを消費します。
体を使っている間に脳は興奮状態になり、運動が終わって体を休めても、脳はまだ興奮が治まっていないのです。
散歩から帰った後に犬が走り出す場合は、まだ興奮してエネルギーが余っている証拠です。
ただ動くのではなく知育玩具を使うと良いでしょう。
簡単なおもちゃやおやつでも人と一緒に遊んで褒められると犬は程よく疲れ、コミュニケーションも取れるのでおすすめです。
◆クールダウンできるスペースを作る
犬を飼う際にケージ等を使わず、専用のスペースを作らない人がいますが、犬にだって自分だけで過ごせる空間は必要です。
人間の子どもはある程度の年齢になると部屋を持つようになりますが、犬も自分の場所があると自然とそこで休む習慣ができ、リラックスできます。
家族が常に家にいるようになると、自分だけの時間がないストレスで体調を崩す犬が出てきます。
犬が興奮してドタドタ走り回っていたら、何かストレスを感じているというサインかもしれません。
そんなときは犬を専用のスペースに入れて休ませてあげてください。犬はクールダウンし、気分も落ち着いてきます。
犬がケガをしないように部屋を片付ける、床にマットを敷く、家具にカバーをつけるといった対策をしましょう。
まとめ
犬はいつでも走る準備をしていて、寝ていたら危険を感じて落ち着くことができない動物です。
そのため突然走り出すのは自然な行動ですが、ダッシュする頻度があまりにも多い場合は生活に改善点はないか見直してみてください。
走り回ると人間が迷惑するだけでなく、犬自身もケガをするかもしれません。
外では交通事故、他の人や犬を襲う、家では関節を痛めることがあります。
小型犬は骨折の危険性、チワワのような眼球が飛び出した犬種は目を傷つけて大ケガになるかもしれません。
やはり対策は必要です。走り出すことに直接関係なくても、訓練士に任せると全体的に落ち着いてくるかもしれません。
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