犬がビールを飲んでも大丈夫?犬とアルコールについて徹底解説!

2021.12.23

犬がビールを飲んでも大丈夫?犬とアルコールについて徹底解説!

みなさんは犬がビールを飲んでも大丈夫かどうかご存知ですか? 与えても良いか分からないものを愛犬が勝手に口にしてしまった時は本当に焦りますよね。 この記事では、犬とアルコールについて徹底解説していきます。 犬と一緒に暮らしている方は、ぜひ参考にしてください!

犬がビールを飲んで(舐めて)しまった

犬とビール

みなさんには晩酌中、少し目を離した隙に犬がビールを舐めてしまったという経験はありますか?
飼い主さんが美味しそうに口にしているものは犬にとっても魅力的に見えるものですよね。
もし「初めは心配したけれど、特に何も起こらなかった」「一緒に飲めると嬉しいから、いつも晩酌の時に少しだけ与える」「酔っ払ったような反応をするのが可愛い」などと考えている方がいたら、とても危険なことだと考えを改める必要があるでしょう。

◆絶対に与えてはいけない

結論からお伝えすると、犬にはビールを含むアルコール全般を絶対に与えてはいけません。
なぜなら、犬は体の中でアルコールを分解することができないからです。
お酒に弱い人はアルコールを分解しにくい性質を持っている等、人間の場合は個体差がありますが、犬の体にはそもそもアルコールを分解する機能がありません。
そのため、たとえ少量であっても中毒になったり、場合によっては命を落としたりする危険性があります。
犬にビール等を与えたことのある飼い主さんはこれまでが幸運で、たまたま何も起こらなかっただけなのです。

また、たとえ意図的にお酒を与えなくても、ふとした瞬間に犬がお酒を舐めてしまうことも考えられます。
普段の晩酌の時間はもちろん、ホームパーティーやバーベキューなど人が集まってお酒を楽しむ時は特に気が緩みがちです。
ビールをこぼしたり、グラスに少量でも残したままテーブル離れたりなど、愛犬がお酒に近づきやすい状況が起こりやすくなります。
日頃から犬からアルコールを遠ざけるようにする習慣を作ることが大切です。

もし愛犬がお酒を口にしてしまった時は、かかりつけの動物病院に連絡してみることをお勧めします。
ほんのひと舐め程度なら、様子を見ながら安静にさせるだけで問題ない場合もありますが、万一のことがありますので注意してください。
少々大袈裟に聞こえるかもしれませんが、それほど犬とアルコールは相性の悪いものだと認識しましょう。

◆症状

犬がアルコールを飲んだ際に表れる症状を以下にまとめました。

    ・ぼんやりする
    ・酔っ払ったようにふらふらする
    ・よだれを垂らす
    ・震えが止まらない
    ・起き上がれない
    ・体温が低下する
    ・嘔吐する
    ・意識が朦朧とする
    ・呼吸が弱くなる

後半の症状をみて、怖くなった飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんね。
呼びかけても愛犬の意識が朦朧としていたり、呼吸が弱かったりする場合にはすぐに動物病院を受診するはずですが、注意したいのが、ちょっとふらついていただけに見えて実は重症だったというケースです。
犬によって出る症状に個体差がありますので、基本的に自分で判断はせず、かかりつけの動物病院に連絡をして指示を仰ぐようにしましょう。


犬にとってのお酒の致死量

少量でも危険だと繰り返してきましたが、実際、犬はどれくらいのアルコールを摂取すると中毒症状がでるのでしょうか。
致命的な量は具体的に犬の体重1kgあたり95%アルコール5〜6mlとされています。
アルコールの種類別の危険量は以下の通りです。

    犬の体重1kgあたりのアルコールの危険量
    ・ビール(アルコール度数5%)約110ml
    ・ワイン(アルコール度数10%)約50ml
    ・日本酒(アルコール度数15%)約37ml
    ・ウイスキー(アルコール度数40%)約14ml

3kgの小型犬なら小グラス半分程度のビールが致死量になることがわかります。
「ビールをグラス半分も与えたりしない」と思う方もいるかもしれませんが、この数値はあくまでも目安です。
犬それぞれの体質や年齢、持病などによっても変化します。
決して致死量でなければ大丈夫ということではありませんので、覚えておいてくださいね。


犬のアルコール中毒とは

犬のアルコール中毒は通常、アルコール摂取後30分程度で現れるとされています。
アルコールは犬の体の中で分解されないため急速に吸収されてしまい、30分という短時間で中毒症状を発生させるのです。

犬は人間のようにアルコールをアセトアルデヒドに分解し無害化するための酵素や代謝系を持っていません。
そのため、アルコールは犬の胃や腸で急速に吸収された後、血液脳間門と呼ばれる脳や中枢神経のバリアを容易に通過してしまい、脳に影響を与えます。
これが、犬がアルコール中毒を引き起こす要因です。

また、脳に影響しなかった場合でも安心はできません。
アルコールが分解されないまま長時間体内に残ることが原因で、呼吸器、心臓や血管、肝臓、腎臓といった様々な内臓機能に悪影響を及ぼす可能性があります。

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犬がビールを飲んでしまった時の対処法

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これまで犬にとってアルコールは危険なものだというお話をしてきました。
きっと「これからより一層気をつけて生活しよう!」と思った飼い主さんは多いことでしょう。
しかし、どんなに注意をしていても、万が一は起こり得ますよね。
もし、今後ふと目を離した隙に愛犬がビールを飲んでしまったら、どのように対処すれば良いのでしょうか。

◆自宅でできる応急処置

自宅で行うべきことは、ただ1つ、かかりつけの動物病院に連絡することです。
「犬にアルコールを与えてはいけない」という知識があれば、とりあえず吐かせてしまおうと思う方もいるかもしれませんが、自己判断で無理矢理吐かせるといった対応は絶対にしないでください。
吐かせる際には誤って食道内に食物が侵入してしまう誤嚥のリスクが伴うだけでなく、かえって愛犬の体調を悪化させてしまう可能性もあります。
病院から「吐かせましょう」という指示があった場合のみ、やり方を教えてもらって吐かせるようにしてください。

病院に連絡する際には以下の3点を必ず伝えましょう。

①時間を伝える

愛犬がアルコールを摂取した時間をなるべく正確に伝えましょう。
通常アルコール摂取後30分で症状が現れるため「何分前に飲んだ」という情報はとても有益です。

②量を伝える

犬がどのくらいのアルコールを摂取したのか、量を伝えることはとても大切です。
その際、犬が飲んでしまったアルコールの種類やアルコール度数も一緒に伝えるとより良いでしょう。
「アルコール度数5%のビールをグラス3分の1程度飲んだ」といったように伝えてください。

③現在の愛犬の様子を伝える

ふらふらしていて目の焦点が合っていないなど、現在の愛犬の様子をなるべく詳細に伝えましょう。
嘔吐している際はその回数や量も記録しておくといいでしょう。
中毒症状が現れている場合はなおさら、動物病院での診察の際により愛犬の症状が伝わりやすいように、動画を撮っておくこともお勧めします。

愛犬の様子はとても心配ですが、飼い主さんが取り乱していては適切な指示がもらえません。
まずは落ち着いて、動物病院に連絡をしましょう。

◆病院での対応

病院を受診すると、症状に合わせて様々な処置が行われます。
病院から指示があったけれど自宅で上手く吐かせられなかった場合は、まず吐かせることから始める場合もあるでしょう。
基本的には血液検査などの各種検査と点滴などの治療を並行して行うようです。
場合によっては入院治療になることもあるようなので、ある程度覚悟が必要かもしれません。


まとめ

いかがでしたでしょうか。この記事では、犬とアルコールについて徹底解説しました。
愛犬が誤ってビールを飲んでしまうというのは日常で起こり得る事故です。
犬はアルコール中毒を起こしやすく、アルコールを摂取することは命の危険さえあるとしっかり認識し、アルコールを近づけないような生活を習慣にしましょう。

ただ、どんなに注意していても万が一のことは起こるかもしれません。
いざという時に落ち着いて行動できるように、かかりつけの病院の連絡先をメモしたり、伝えなければならない内容をおさらいしたりといった時間を日頃からつくっておくと安心です。

また、余談になりますが、「どうしても大切な家族の一員である愛犬とも、一緒にお酒を楽しみたい!」という飼い主さんはいらっしゃいませんか?
そういう時には犬が飲んでも害のない「犬用ビール」を購入してみてはいかがでしょうか。
ビールと名前はついていますが、アルコールはもちろんのこと塩分や炭酸も含まれておらず、とても安全な飲み物ですよ。

この記事を参考にして、ぜひ愛犬と安心安全にお酒を楽しむ生活を送ってくださいね!



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ゆうな

ゆうな

赤ちゃんの頃から犬、猫、フェレット、ハムスター、インコと一緒に暮らしてきました。 とにかく動物が大好きで、日課は動画の動画を観ることです。 私自身も更に知識を深めながら、動物の為になる記事をご提供します!


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