お子様がいる家でのワンちゃんの育て方

2015.09.03

お子様がいる家でのワンちゃんの育て方

「子どもが犬を飼いたいと言っているのだけど、どんな犬種がいい?」と聞かれることがよくあります。お子様がいらっしゃるご家庭には、どのようなワンちゃんが向いているのでしょう? 今回は、比較的飼いやすい犬種とお子様の年齢別の注意点についてまとめました。

ワンちゃんはお子様の心の発育にもいい影響を与えます

いくら子どもにほしいと言われても、犬は命ある生き物です。15年近く生活をともにしますし、子どもが独立した後もワンちゃんは実家に残るかもしれません。最後まで面倒を見るのは親だという覚悟を持ってから迎えてください。そのうえでワンちゃんと暮らせば、子どもの心の発育にもメリットは多くあります。IAHAIO「人と動物の関係に関する国際会議」では、動物と暮らす子どもは自主判断能力や集中力が高く、ケンカのときに仲裁に入る生徒が多いという研究発表がされています。

お子様が0歳~3歳の場合

0歳

赤ちゃんがいる場合、一番気を付けたいのは衛生管理です。赤ちゃんは免疫力が弱いうえ、なんでも口に入れてしまうので、犬と直接触れ合わせるのはなるべく避けましょう。室内でも赤ちゃんを抱っこして、ワンちゃんはリードにつないだ状態でコミュニケーションを取らせます。また、乳幼児はテーブルからゴハンを落としがち。ワンちゃんの健康に害があるとされているブドウやタマネギなどが入った食べこぼしを口にしないように、赤ちゃんのお食事中はワンちゃんをサークルなどに入れておくと安心です。

お子様が4歳~6歳の場合

小学生

お子様は、自分ひとりでワンちゃんのお散歩をしたがるかもしれません。しかし、お子様が握ったリードがふとした拍子に手から抜け、ワンちゃんが道路に飛び出してしまう事故や、長さを自由に調節できる紐状のリードを固定せずにワンちゃんをつないでいたところ、ワンちゃんだけがエレベーターに乗った状態で扉が閉まってしまったという事故などが起きています。ワンちゃんのお散歩は大人の役目にしてください。また、お子様も一緒にお散歩するときは、手をしっかりつないでください。
お散歩中によそのワンちゃんに出会ってお子様が触りたがったら、必ず先方の飼い主さんに「さわってもいいですか?」と聞いて許可を得てからにするルールを教えてあげましょう。しゃがんで手をグーにして、ゆっくりとワンちゃんににおいをかがせ、頭の上ではなく胸のあたりをやさしくなでさせることや、むやみに抱っこしないことをきちんと教えてあげてください。

お子様が7歳~12歳の場合

小学生

ワンちゃんの世話がひとりでできるようになる年ごろなので、ワンちゃんを迎えるにはオススメの時期です。ただし、男の子は悪意がなくてもワンちゃんを乱暴に扱いがちなので、しっぽを引っ張る、追いかけ回すといった、犬のいやがることをしないように教えてあげてください。また、ワンちゃんのしつけは、家族全員で一丸となって行いましょう。お子様にも「おすわり」「まて」などをさせてあげて、お子様がワンちゃんのリーダーになれるようサポートしてあげましょう。

お子様が中学生以上の場合

r中学生

家で過ごすよりも、学校やクラブ活動、お友達と遊ぶことや塾などで外出がちになる年頃です。この時期に「ワンちゃんを飼いたい! 毎日ちゃんと散歩するから!」と言っても、あまりあてにしないほうがいいでしょう。親御さんが世話をする心構えでいてください。また、特に女の子は見た目のかわいらしさで、男の子は犬種の活発さで犬種を選びがちです。「世話をするのは親」ということを念頭において、親御さんが散歩をしやすく、15年後も介護などのお世話ができる大きさのワンちゃんを迎えることをオススメします。

犬種の選び方

7~8歳以下のお子様がいらっしゃるご家庭では、少しの衝撃で体にダメージを受けやすい犬種は控えるのが無難です。
例えば、チワワは頭蓋骨へのダメージが重大な障害につながることもあります。また、イタリアングレーハウンドは足が細く、骨折しやすいです。ご家庭に迎える前に、きちんとケアできるかをご家族で相談してください。
人気犬種のプードルは筆者も一緒に暮らしていますが、毛が抜けず賢く活発です。ただし、賢いゆえにきちんと上下関係を教えてあげないと、お子様をなめてかかります。また、アレルギーフリーといわれますが、お子様によってはアレルギー症状が出る場合もあるので、その点も気を付けてください。
ワンちゃんの性格には個体差があるので犬種だけで述べられませんが、明るく活発で、フレンドリーな性格の犬を選ぶようにしましょう。

ワンちゃんと暮らすとお子様が生き生きします

 13歳のトイ・プードルと1歳のオーストラリアン・ラブラドゥードル、そして5歳の息子と主人が筆者の家族です。生まれたばかりの息子の夜泣きが続いたときは、トイ・プードルが私を慰めてくれました。また、活発で運動が大好きなラブラドゥードルは、ドッグランなどで息子のいい遊び相手になってくれます。一人っ子で甘ったれの息子がワンちゃんのリーダーになろうと奮闘する姿を見ると、とても温かい気持ちになりますし、息子とはまた違った癒しを犬が与えてくれます。ワンちゃんが大好きなお母様は、ぜひ迎えることを検討してみてくださいね。

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石原 美紀子

石原 美紀子

青山学院大学卒業後、出版社勤務を経て独立。犬の訓練をドッグトレーニングサロンで学びながら、愛玩動物飼養管理士1級、ペット栄養管理士の資格を取得。著書に「ドッグ・セレクションベスト200」、「室内犬の気持ちがわかる本」(ともに日本文芸社)、「犬からの素敵な贈りもの」(出版社:インフォレスト) など。愛犬はトイ・プードルとオーストラリアン・ラブラドゥードル。

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