1.オキナインコとは?
1-1.見た目
1-2.原産国・生息地
1-3.特徴・性格
1-4.寿命
1-5.他のインコとの違いについて
4.オキナインコの飼育環境
4-1.必要な基本のグッズ一覧
4-2.温度設定
4-3.飼育の注意点
5.オキナインコの飼い方
5-1.ご飯について
5-2.トイレについて
5-3.臭いについて
5-4.かかりやすい病気について
オキナインコとは?
オキナインコ(学名:Myiopsitta monachus、英名Quaker Parrot)は鳥綱オウム目インコ科に分類されるグリーンの体色が美しい中型のインコです。グリーン以外にもブルー、イエローの色変わり種も見られます。おしゃべりも上手で明るい性格で寒さにも強い丈夫で人気は高いですが日本ではどこでも買える訳ではないのでまだまだ一般的なペットとはいえません。この記事ではオキナインコの見た目や性格、寿命まで順番に説明していきます。
◆見た目
オキナインコの大きさは体長が29cmくらい、体重が100g~150gくらいの中型のインコで丸みをおびた体型をしており体色はきれいなグリーンです。腹部は灰色で胸元には縁取りのある灰色の羽、風切羽はブルーの部分があります。他にも体全体がブルーや黄緑色、黄色や白色など色変わりの個体が10種類以上あります。見た目では性別を判断できないので判別するにはDMA鑑定が必要になります。
◆原産国・生息地
原産地は南アメリカですが野生化した個体がイスラエルやベルギー、スペイン、ポルトガル、イタリア、ボリビア、アルゼンチンなどで繁殖しており、アメリカでも10の州で外来種として定着しフロリダ州の生息数は10万羽と推測されています。
◆特徴・性格
オキナインコはおしゃべりが上手で芸をする大変賢い鳥です。インコの中で最も賢いといわれているヨウムに次ぐ賢さだといわれ、飼い主にもよく慣れるのでコミュニケーションが取れるようになれば家族のように共に暮らしていける存在になります。縄張り意識が強く噛みつくこともありますがしつけをすることで改善されることも多いです。他の中型インコに比べると非常に大きい声で鳴き、静かにさせることは難しいのでお迎えの前に防音対策が必要です。
◆寿命
オキナインコの寿命は15年前後といわれていますが飼育下で30年生きたという例があります。30年の長い期間、世話ができるのかを考え家族とも相談してからお迎えするようにしましょう。
◆他のインコとの違いについて
オキナインコと他のインコの大きな違いは巣を自分で作る習性があることで、飼育下でも止まり木を削って巣を作ろうとすることもあるようです。野生下で作られたオキナインコの巣はいくつかの部屋に分かれた巨大な集合巣です。通常は30~50羽の群れで行動することが多いとされ高い枝の上に小枝を組んで巣を作るときや子育てをする時も協力して行います。縄張り意識が強いのは巣を作る習性があるからだといわれていてケージ全体は自分の縄張りだと思い込むので飼い主が不意に手を入れた時に威嚇されたり噛まれたりすることがあります。
オキナインコの値段
オキナインコはノーマルの緑色の個体が6万~10万円程度、それ以外の色の個体は10万~20万円程度販売されていることが多いです。現在は色の品種改良が進み10種類以上の色のバリエーションがあり、ブルーやアルビノなど改良されてできた色を持つ個体の方が一般的には高額になります。
オキナインコは多頭飼いできる?
オキナインコの場合オスとメスの判別が難しくDNA鑑定が必要になるのでペアで飼う場合は繁殖目的など明確な理由がある場合以外は避けた方が無難です。もう1羽増やしたい場合は別のケージを用意し、1羽ずつ別々に飼育して様子を見ながら慣らしていきます。
オキナインコの飼育環境
オキナインコは体が丈夫で寒さにも比較的強く気温の変化にも強いので飼いやすいインコだといえます。家庭で飼育する場合でも適切な管理をすれば長く暮らすことができますが、お迎えの時にそろえておくと良いグッズや温度管理の方法など注意する点がいくつかありますので順番に解説していきます。
◆必要な基本のグッズ一覧
快適に過ごせるように事前にしっかりと準備をしておくことが大切です。お迎えの時には基本のグッズをケージ内にセットしておきましょう。若鳥なのか成鳥なのか、また性格によっても適応力は異なるので様子を見ながら必要なものを足していきましょう。
・ケージ、食器
噛む力が強いので丈夫なステンレス製のケージを準備します。インコやオウム専用のケージが販売されているので利用すると良いでしょう。大きさは最低でも幅45cm×奥行45cm×高さ60cm位は必要です。ケージにはエサ入れと水入れはついているのでそれを利用します。ケージカバーは温度や調節や明るさの調節に使えるので1枚あると便利です。
・止まり木
ケージを購入すると止まり木もケージの付属品として1本ついていますが2本あるとケージの中で行き来ができて運動になるのでもう1本つけましょう。止まり木の素材はプラスチックではなく自然木にします。自然木のものは太さに強弱がありつかまりやすいので足に負担がかかりません。太さは足でつかんだ時に1/3位余る位のものを選びます。
・掃除用品
掃除用のタワシは一般に販売されている普通のもので良いですが、ケージ専用のふん取りといってケージの網にこびりついたふんを取るのに便利な道具があるのであらかじめ購入しておくと良いでしょう。トレーは毎日敷き紙を変えて洗い、ケージは定期的に洗うことで清潔を保てるので月に1度はケージ全体を水洗いします。
・ヒーター、温度計
オキナインコは寒さに強いと言われますがヒナの頃や寒い時期には保温が必要です。カバーがついている鳥専用のものを準備し、温度管理をするための温度計も合わせて購入しましょう。
・おもちゃ
ケージ内に吊るせる鳥専用のおもちゃを用意します。できれば2~3個いれてあげると飽きずに遊べ、ストレスも発散できて運動不足の解消にもなります。
・水浴び用品
水浴びは清潔を保ちストレスを解消するなど人間のお風呂と同じような効果があります。暑い時期は体温を調節する役割もあるので浅めの皿などを用意します。
・敷き紙
トレイの下の敷き紙は毎日交換します。新聞紙等やキッチンペーパーを利用しても良いですが鳥専用のロールタイプのものは使いやすくふんの状態も観察できるのでおすすめです。
・アクリルケース
オキナインコは声が大きいのでケージ全体をアクリルケースの中に入れると鳴き声が外に漏れにくくます。インコ専用のものが販売されていて全面が大きく開きコンセントが通せるようになっているので便利です。ケージの大きさに合わせてゆとりのある大きさのものを選び、暑い時期は温度が上がりやすいのでこまめにケージ内の温度を確認しましょう。
◆温度設定
オキナインコにとって快適な温度は 24度~28度といわれており寒さにも比較的強いです。それでも初めて迎える冬は寒さを経験したことがないので最低でもケージ内の温度は15度以上を保つように設定し、羽を膨らませるなど寒そうなそぶりを見せた時は温度を調節しましょう。鳥専用のヒーターはセンサーで温度を感知して自動で温度調節ができるので便利です。
◆飼育の注意点
・スキンシップの時間を十分にとる
オキナインコは飼い主とスキンシップの時間を十分にとることが大切です。常に自分を構ってほしいと考えているので構ってもらえないことがストレスになり羽をむしる、大声を出すなどの行動をとることがあります。放鳥は毎日1時間位行ってコミュニケーションをとるようにしましょう。
・防音対策をする
オキナインコの鳴き声はかなり大きくどちらかといえば金属音で長い時間鳴き続けることもあるので集合住宅で飼育するのは難しく1軒家で飼う場合でも防音対策は必要です。
オキナインコの飼い方
オキナインコは1日1回、エサと水を交換します。前日分の残ったエサは捨てて食器や水入れをきれいに洗ってから新しいエサと水を与えるようにします。ケージ内は常に適切な温度になるよう調節し、水浴びや日光浴もそれぞれ1週間に2回程度を行います。ケージ内を清潔に保つためにトレイの敷き紙は毎日交換して洗い、週に1度はトレイの上の網を洗い最低でも月に1度ケージ全体を洗うようにします。
◆ご飯について
オキナインコは野生下では種子などのシード類や昆虫類を食べていました。シードは大好きなエサですがシードだけでは栄養が偏ってしまうので野菜や果実も与え、ボレー粉もカルシウム補給のために与えます。ペレットは栄養バランスに優れている専用の総合栄養食で健康のためには食べさせたいエサなので積極的に与えます。いずれも大型ペット店で販売していますのでバランスを考えて与えます。
◆トイレについて
トイレは教えなくても良いのでトイレを準備する必要はありません。声を掛けるとする個体もいるようですがあくまでも遊びの一環ととらえ、ふんを毎日掃除して清潔を保つことがトイレの世話だと考えましょう。
◆臭いについて
インコには独特の体臭がありますが気になる程度は人によって異なります。もし気になった場合は水浴びを頻繁にさせることで臭いを少し弱めることができます。発情期には独特のにおいを出したりフンをため込んだりすることで臭うことがあります。気になる場合はインコ専用の消臭剤があるので使うのも良いでしょう。空気清浄器を設置するのも1つの方法です。
◆かかりやすい病気について
インコ類はウイルスや細菌が原因の病気にかかりやすい傾向があります。オウム病という感染症にかかると初めは風邪に似た症状ですが徐々に元気と食欲がなくなります。ウィルス性の羽毛疾患は羽毛が抜け落ちるだけではなく死にもつながる恐ろしい病気です。いずれも早い段階で治療を受けることが大切で少しでもおかしいと思ったら病院に連れて行くことが大切です。普段から定期的に健康診断を受けておくと安心です。
まとめ
オキナインコは賢くて好奇心も旺盛なので知らないうちに教えていない言葉を話すようになるなど新しい発見ができ、楽しく飼うことができます。陽気な性格だけど寂しがり屋で構ってもらえないと拗ねてしまうくらい甘えん坊なところもかわいいです。大きい鳴き声に対する防音対策は必要ですが体は丈夫で温度変化にも強いので飼いやすく、キュートなつむじと美しい羽を持つオキナインコと共に過ごす新しい暮らしを考えてみませんか?
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