うさぎが噛むのはどんなとき?噛まれないための効果的な対処法とは

2021.10.12

うさぎが噛むのはどんなとき?噛まれないための効果的な対処法とは

おとなしいイメージを持たれることの多いうさぎですが、実は噛む力は想像以上に強く、うっかり指を噛まれると、怪我をしてしまうこともあるほどです。 この記事では、うさぎがなぜものを噛むのか、どんなときに噛むのかについて解説します。 むやみやたらに何でも噛んでしまい、うさぎや飼い主さんが怪我をしたり、飼い主さんの大事なものが傷つけられたりすることがないよう、うさぎが噛む理由を知って、正しく対処しましょう。


うさぎが噛む理由

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うさぎはどんなときにものを噛むのでしょうか。同じ噛むという行動であっても、その理由は状況により様々です。
まずは飼い主さんが、うさぎが噛む理由を知り、気持ちを分かってあげましょう。

◆本能・習性から噛む

うさぎがものを噛むことは、もともと備わった本能・習性の一つです。この本能・習性は、うさぎの歯に大きく関係しています。
うさぎの歯は、何もせずに放っておくと伸び続けます。
なぜなら、うさぎは本来、草の葉や根、木の皮など、繊維の多い食べ物を摂取する動物であり、硬い繊維をすり潰すのに、耐えられるような歯が必要だからです。
うさぎの歯は、1年で約10㎝ほど伸びるといわれています。
野生のうさぎよりも、硬いものを食べる機会が少ない飼いうさぎは、ものを噛んで歯を適切な長さに削る必要があるのです。
もし、歯を使う機会が少なく、伸びすぎてしまった場合は、咀嚼のしづらさからエサを食べなくなり、場合によっては死に至ることもあります。
それほどに、ものを噛み、歯を削ることは、うさぎにとって必要不可欠なことなのです。

◆何かを主張している場合

本能・習性から噛む、ということのほかに、例えばうさぎがケージの柵を噛んで、ガタガタと鳴らしたり、エサ入れを噛んだりしている場合は、何か主張したいことがあると考えられます。
うさぎは、あまり鳴き声を発しない動物のため、このような方法で飼い主にアピールすることがあります。
ごはんが欲しい、ケージの外に出してほしい、構ってほしい、など、飼い主への要求が何かしらあるはずです。
噛んでいるときの状況を毎回よく観察すると、規則性や、足りないものに気づくことがあるかもしれません。
また、多少は気にしてあげる必要がありますが、いつもその要求に応じてあげていると、ケージを噛めば思いどおりになると学習し、それが癖になってしまいかねないため、注意が必要です。

◆特定の人を噛む場合

うさぎが特定の人だけを噛む場合、主に二つの理由が考えられます。
一つには、以前、その人が現れたときに、うさぎにとって何か嫌なことが起きた、ということです。虐めるようなことをすれば、うさぎが怖がって噛みつくのは当然ですが、うさぎが嫌だと感じることはそれだけに限りません。
例えば、急に近寄られた、苦手な音が聞こえた、というようなことであっても、うさぎは恐怖を感じます。うさぎが自分にだけ噛んでくる、と感じている人は、こちらが気づかないうちに、何か嫌な経験をさせたことがあるのかもしれません。
もう一つの理由として、マウンティング行為の延長で噛む、ということが挙げられます。
うさぎは、縄張り意識や発情から、自分の優位性を見せようとすることがあります。特定の人だけを噛むのは、その人を意識し、マウンティング行為が激しくなった末に、攻撃的になった、ということが考えられます。


うさぎの噛む力はどのくらい?

うさぎ 噛む

◆うさぎに本気で噛まれると、痛い!

うさぎに対して、草食動物でおとなしいというイメージをお持ちの方が多いと思いますが、本気で手指を噛まれると、出血して跡が残ることもあるほどです。
野生のうさぎは、草だけでなく、木の皮や枝を食べることもあり、うさぎの噛む力は想像している以上のものです。
ケージの中に手を突っ込み縄張りを荒らしたり、お腹や手足など、うさぎの嫌がる部分を触ったりすると、自分の身を守ろうと、噛みついて攻撃します。
うさぎと良好な関係を築くためにも、噛まれるようなことはしないであげましょう。

◆気になるものは何でも齧ってしまう

うさぎは基本的に、齧れるものはなんでも齧ります。
抱っこをしていて、気がづくと服に穴を開けられてしまった、ということや、部屋に放していたら、電源コードを噛みちぎられた、壁が削られてしまった、ということもありえます。
目に入ったものは、とりあえず噛もうとするため、噛むと危険なもの、噛んで壊してほしくないものは、うさぎの側に置かないよう対策する必要があります。


うさぎが甘噛みする理由

うさぎの噛む行動の中には、甘噛みという、種類の異なる噛み方があります。
これまで説明してきた噛む行動とは、まったく違う意味があるため、うさぎの飼い主さんは知っておいてください。

◆うさぎの「甘噛み」とは?

うさぎは撫でられているときなどに、飼い主の指や手、服などを、「カプッ」と軽く噛むことがあります。これが甘噛みです。
歯を削るためや、攻撃の意味で噛むのとは異なり、歯で軽く咥える程度で、噛んだ後に舌でペロペロと舐めることもあります。噛まれて怪我をするようなことはあまりなく、飼い主とのスキンシップと考えられます。
ただし、甘噛みもエスカレートすると、その力が強くなることもあります。噛み方が激しくなった場合はしばらく距離を置き、うさぎの興奮が落ち着くまで待ってあげてください。

◆甘噛みの意味

甘噛みは、うさぎの愛情表現の一つと考えられます。うさぎがものを噛むのは、主に本能的な理由からですが、飼い主の手が傷つかないよう加減して噛むという行為は、もっと構ってほしい、遊んでほしいという意思表示と捉えてよいでしょう。
うさぎは犬や猫のように、鳴いたり尻尾を振ったりして、感情を表現することができませんが、うさぎの甘噛みは、飼い主への信頼からくるものです。
怪我をせず我慢できる程度の強さであれば、ぜひ受け入れてあげてください。


むやみに噛ませない対策

コードを噛むウサギ

うさぎがやたらとものを噛んで困っている、という悩みはよく聞かれますが、うさぎをしつけて、噛まないようにすることはできるのでしょうか。
噛んでしまううさぎに、どのように対処するのが適切なのか、いくつか方法を提案します。

◆齧り木を与える

ケージの柵を噛んだり、エサ入れを噛んだりという行動は、うさぎを飼っているとよく見られますが、プラスチックや鉄などの人工物を噛むことは、うさぎの歯を傷めるおそれがあります。
前述したとおり、うさぎにとってものを噛むことは、生きるために必要不可欠ですので、うさぎが噛んでも安全な「齧り木」を与えてください。
うさぎの齧り木は、ペットショップで販売されています。枝のようなものから、木材のようなものまで、大きさや形状は様々な種類がありますので、飼っているうさぎが好むものを探して与えてください。
また、木製のエサ入れなどもありますので、うさぎがエサ入れを噛んでしまう場合には、試してみることをおすすめします。

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◆噛ませない工夫をする

ものを噛むのはうさぎの本能ですので、しつけてものを噛ませないようにするのは難しいと言えます。飼い主さんは、うさぎに噛ませない工夫をしましょう。
うさぎを部屋の中に放して散歩させる場合は、ものを床に置かないでください。 特に電源コードなどは、見つけるとすぐに噛んでしまうため、散歩の間は片づけておくか、プロテクターを取り付け、噛まれないよう保護してください。
また、部屋の中に噛みつきやすそうな出っ張りや角があると、うさぎはめざとく見つけて齧ってしまいます。壁や家具などを傷つけられないよう、近づいてほしくないエリアにはフェンスを取り付けるなどの対策をしましょう。

◆食事や運動のルールを決める

うさぎは、ごはんが欲しい時や外に出してほしい時など、何か不満があるときに、ケージの柵を噛んでアピールすることがあります。
しかし、毎回構っていては大変ですし、おねだりされるたびにエサを与えていては、うさぎの健康を損ねてしまうことにもなります。
そこで、1日に与えるごはんの量やおやつのタイミング、ケージの外に出して運動させる時間などをあらかじめ決め、それを守るようにしてください。
適切な食事や運動をさせることで、うさぎが満足するようになるのはもちろん、ケージを噛んでアピールされることがあっても、必要以上に構わなくてよい、と割り切ることができます。

◆攻撃してくるときは、しばらくそっとしておく

うさぎが攻撃の意味で特定の相手を噛んでくるときは、しばらく距離を置いて様子をみましょう。
うさぎが興奮したり恐怖を感じたりしている間は、おそらく何をしても通じません。放っておいて、まずは落ち着かせてください。
発情の興奮から噛んでしまっている場合は、おもちゃを与えて気をそらしたり、ケージの中に戻したりして、相手にしないのが効果的です。うさぎの自我のあらわれ、成長の一つと考えてあげてください。
恐怖心から噛みつかれていると感じる場合は、大きな声や足音を立てて怖がらせていないか、突然近づいて驚かせていないか、など、自分の接し方を振り返ってみてください。
急に触ることはせず、顔を見せるだけにする、手からおやつを与えてみる、というように、少しずつ段階を踏みながら、うさぎとの距離を縮めるよう心がけてください。


まとめ

うさぎにとってものを噛むことは、伸び続ける歯を削るために欠かせない習慣です。 そればかりでなく、意思表示のためや、自分の身を守るために、噛むという行動を見せます。
うさぎが噛むようになって困っているという飼い主さんは、うさぎをよく観察して、その行動にどんな意味があるのか、考えてあげてください。
うさぎをしつけて噛ませないようにするより、うさぎが必要以上に噛まなくなるような環境を整えてあげることが、重要です。



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