もう30年以上も前の作品になりますが、大島弓子さんのマンガ「綿の国星」でこんなお話がありました。
楽しく遊んで帰ってきた須和野チビ猫を待っていたのは、真っ暗な家と山盛りのキャットフード。
すぐに帰ってくると思っていた飼い主一家は夜になっても戻らず、周囲の猫たちは「蒸発」と判断。悲しみに暮れるチビ猫が満月の夜のカーニバルで不思議な時間を過ごしている間に飼い主は帰宅。おばあちゃんのうその病気で急に呼び出されていたためで、また何事もなかったかのように日常に戻る…(綿の国星・PART4「カーニバルナイト」)。
いきなり誰もいなくなってしまったら、確かに猫は不安になりますよね。
まして、子猫となれば、ひとり残して出かけるのには勇気がいります。
でも、大丈夫。猫は意外と強いのです。
うちの長女猫(14歳)にちょっと聞いてみましょうか。
お留守番の心構え

お父さんとお母さんが暗いうちからゴソゴソなにかやっている時は、「ああ出かけるんだな」とわかるよ。
大きなカバンを押し入れから出してきた時は、「こりゃ何日かいなくなる気だぞ」って。
ごはんがいつもと同じくらいのボリュームなら、「まあ大丈夫だな」って思うんだけど、さすがに山盛りにされると焦っちゃうな。
缶詰のお魚は傷んじゃうからって、すぐに食べられる分しか置いて行ってくれないでしょ。あれもつまんない!でも、帰ってきた時に「ごめんねー、淋しかったねー」とか言いながらすり寄ってきて、ちょっと多めに出してくれるから許してやろうかな。
お留守番中は何をしてる?
ほとんど寝てるよ。
おもちゃで遊ぶ年でもないし、食べたい時にご飯食べて、毛づくろいでもして、後は外を見たりしてる。
カーテンを少し開けていってくれるから、鳥とか見てる。
お兄ちゃんと妹と暮らしてる時は、別に仲良くはなかったけど、まあ一緒にいるだけでなんとなく安心はできたかな。
でも、ひとりでいたって淋しくなんかないよ。寝てればいいんだもん。
時々プルルルって大きい音がして、その後でお母さんの声が聞こえるんだ。なんか一生懸命しゃべってるけど、何なんだろうね。
別に声なんか聞かなくてもいいのに、安心させようとしてるのかな。へんなの(笑)。(注:留守電で「元気?」とか「いい子にして待っててね!」とか話しかけたところで、猫にはまったく通じません)
猫のきもち
うちの場合は2晩くらいは平気で置いて行かれちゃう。もう慣れっこ。
でも、それより長くなるとちょっと嫌だな。1週間くらい猫だけでお留守番したことはあるよ。
お母さんが途中で1日だけ帰ってきたけど、あれはさすがに焦ったな。おじいちゃんのおそうしき、とか言ってたっけ。
でもね、ワタシは病院とか嫌いだし、誰か他の人にお世話されるのもイヤだから、おうちにいた方が楽なんだろうな。
お兄ちゃんはお薬を飲まなきゃいけないから病院に預けられたりしてたけど。
そういえば、お父さんが入院した時もお留守番が大変だったんだ。お兄ちゃんはお父さんが退院してきてすぐにコウジョウセンの病気になって大騒ぎだったし、それでワタシまでニョウロケッセキとかいう病気になっちゃった。お兄ちゃんはお父さんとラブラブだったからしょうがないけど、ワタシまで病気になるなんてね。
やっぱりいつもと違うと体がおかしくなっちゃうのかな?
お父さんたちがお出かけから帰ってくると、お兄ちゃんと妹は迎えに行ってスリスリしたりしてたけど、ワタシはそんなことしなかったよ。
ずっとお布団の中にいてやるんだ。「出てきてもくれないよー」とか言いながら缶詰を開けてくれることはわかってるし。
「会いたかったよー」とか言ってるけど、ワタシは別に淋しくなんかなかったもん!…でも、そういう時のお魚はとってもおいしかったりするんだよね。なんでだろ。
安全、安心なお留守番のために気をつけること

猫によって個体差はありそうですが、成長した猫であればお留守番を任せても大丈夫でしょう。
猫との信頼関係を大切にしつつ、たまには猫と人間がそれぞれの時間を楽しむことも必要なのかもしれませんね。
最後に、安全・安心なお留守番のために気をつけることをまとめます。
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