
三毛猫は一般的に、茶系・白・黒系の3色で構成された毛色で短毛の猫のことを言います。
三毛でも種類があり、縞模様や斑点の形状によって、縞三毛、キジ三毛、黒三毛、トビ三毛などと呼ばれることもあります。
茶色の部分が、赤っぽかったりオレンジだったりという表現もあります。
三毛猫といえば、日本猫の種類では基本ですが、日本以外では、珍しい種類の猫のようです。
キャリコ、トーティ・アンド・ホワイト、三色なのでトライカラー、トリコロールとも呼ばれています。
また、尻尾が短いジャパニーズ・ボブテイルという種類を「ミケ(mi-ke)」と呼んで珍重しているところもあります。
なぜ三毛猫のオスは少ないの?

よく言われる三毛猫のオスについてですが、存在する確率が、三万匹に一匹(諸説あります)とも言われるほど希少です。
この理由は、猫の模様を決める染色体にあります。
三毛猫のオスがなぜ少ないのかというと、毛色を決める遺伝子が、メスの性別を決めるX染色体の上にしかのらない、ということが理由なのです。
遺伝子は、細胞の中にある染色体の上にのっています。性別を決めるのは、「性染色体」と呼ばれる2本です。
オスはX染色体とY染色体が1本ずつある「XY」になり、メスの染色体はX染色体が2本ある「XX」となります。
猫は常染色体18対と、性染色体が1対の、合計19対、全部で38本の染色体を持っています。
この中で、白色は常染色体にのっているため、X、Yの染色体に関係なく、オスでもメスでも持つことができるのですが、黒や茶にする有色の遺伝子はX染色体の上にしかのりません。
X染色体で、どんな毛色になるかが決まるということになります。
三毛猫になるための色は、「白」「黒」「茶」の三色ですね。その中の茶色の発現に関わるO遺伝子(OrangeオレンジのOです)はX染色体にしかないのです。
O遺伝子の中にも、O(ラージオー)、o(スモールオー)の二種類があります。O(ラージオー)遺伝子は黒い毛を茶色の毛に変えるよう命令し、o(スモールオー)遺伝子は黒いままにするよう命令します。
メスはX染色体を2つもっているので、O遺伝子の組み合わせは「OO」、「oo」、「Oo」の三種類がありますね。
しかしオスはX染色体が1つしかないので、「O」か「o」のどちらか、ということになります。
「OO」と「O」の場合は茶色、「oo」「o」の場合は黒色、そしてO遺伝子が「Oo」の組み合わせの時に、黒と茶色両方の色をもつ猫が生まれるということになります。
「XX」のメスは、Xが2つあるので、黒黒、黒茶、茶茶になる可能性があり、これに白が加われば、二毛(毛色が二色の)猫、または三毛猫になります。
「XY」のオスは、Xが1つだけで黒か茶のどちらか1色しか持たないので、これに白が加わっても、最大で二色にしかならない、ということになり、三毛猫は必然的にメスということになります。
それでは三毛のオスはいなくなっちゃうじゃないか、というと、そうではありません。
とてもまれですが、「クラインフェルター症候群」と呼ばれる染色体の異常で、「XXY」という染色体を持ったオスが生まれることがあるのです。
また、モザイク(一つの個体の中で、遺伝的に異なる細胞が混在すること)や、遺伝子乗り換え(Y染色体に色を決める遺伝子がのってしまう)という理由でも、オスの三毛猫が生まれる場合があります。
クラインフェルター症候群の場合のオスには生殖能力がありませんが、モザイクと、遺伝子乗り換えの場合は、生殖能力のあるオスが生まれる場合があるそうです。このオスが子供を作っても、また三毛猫のオスが生まれる確率は、やっぱりとても低いそうです。
そのような希少性の高い三毛猫のオスですから、船に乗せると福を呼ぶので船が遭難しない、という言い伝えで重宝されたり、縁起物として招き猫のモデルになったりしているのです。
日本でも、第一次南極観測隊に同行して南極で越冬したという、有名なオスの三毛猫のタケシがいます。
また、オスではありませんが、和歌山県紀の川市の和歌山電鐡貴志川線貴志駅で駅長務めたメスの三毛猫、「たま」も有名です。

三毛猫の性格はどんな風?
まず、よく言われるのは、「三毛猫は賢い」ということです。
さらには、猫の種類の中では「攻撃的」と言われることもあります。
さらに、ほとんどがメスなわけですから、「お嬢様気質」、「賢い」けれど「わがまま」、と言われているようです。
ただ、猫といえば気分屋さん、怒ったり甘えたり、というのが基本とも言えますので、やはり個体によって判断するものでしょう。

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