野生の猫も狩りや食事の時間以外は寝ている
ここで、野生時代の猫について考えてみましょう。イエネコの祖先といわれるリビアヤマネコは、砂漠に生息していました。
人と共に狩りをしてきたワンちゃんとは違い、猫ちゃんは猫ちゃんの群れ、または単独で鳥などの小動物を狩ってきました。
人ではなく、自分の力だけが頼りだった猫ちゃんは、狩りの時間以外は寝て体力を温存しようとします。
ペットとして飼われている猫ちゃんが、遊んでいるときや食べているとき以外は「寝ている」のは、野生の本能から考えても理にかなった正しい行動です。寝ているワンちゃんは人が立ち上がると目を覚まして人とともに活動しようとしますが、猫ちゃんは人の動きとは関係なく、狩りに必要な体力が蓄積されるまで眠ります。
また、ペットとして飼われている猫ちゃんでも夜行性の習性が強く残っていることが多いので、夜は活動的に遊び、昼は眠くて寝てしまうのです。

家庭の猫ちゃんと野生の猫の違いは「ヘソ天で寝るかどうか」
いつ外敵に襲われるかわからない野生の猫は、絶対にヘソ天では寝ません。
お腹を空に向けた無防備な状態では、外敵からの突然の攻撃に対処できないからです。
野生の猫は外敵に襲われにくい木の上や藪の中で、いつでも反撃できるように背中を丸めた状態で眼をつぶっています。
神経を研ぎ澄ませながら寝ているので、物音がしたり、何かが近づいたりすると絶対に眼を覚ましてその場所から飛び退きます。
保護してきたばかりのノラちゃんなどは、野生の本能が強く残っているので、背中を丸めた状態で眠ります。
また、警戒心が強い猫ちゃんも、ヘソ天では寝ません。
「ヘソ天で寝る」のは、無防備なお腹をさらしていても、絶対に襲われることはないというのは安心感の証です。
ペットオーナー様の猫ちゃんがヘソ天で寝ていたら、それは「ペットオーナー様のそばなら、何があってもこの人が守ってくれるから安心」と信頼しきっているということです。動物園にいるライオンやトラもヘソ天で寝ていますが、あれは「檻」の存在を認識しており、外敵が絶対に入ってこないことをわかっているからです。

ご家庭の猫ちゃんがヘソ天で寝ているときのイタズラは禁物
動画共有サイトなどで、ヘソ天で寝ている猫ちゃんを驚かせる動画などを見かけることがありますが、ペットオーナー様に対する猫ちゃんの信頼を裏切ることになりますので絶対にやめてください。
特に、ノラちゃん出身の猫ちゃんは心にトラウマを持っていることが多く、その驚きがトラウマを刺激することになります。
「ノラちゃんがやっと家に慣れたと思ったら、また家の隅っこで外の様子をじっと伺うようになってしまった」という方のお話をじっくりと伺うと、こういう何気ないイタズラが信頼破壊のトリガーになっていることがよくあります。
猫ちゃんはとても記憶力が良く賢い生き物ですが、それゆえに「忘れたふり」「慣れたふり」をするのも得意なのです。
猫ちゃんがお腹を出して寝ているときは、大好きな飼い主さんのそばで身も心もリラックスしているということ。無理に起こさず、好きなだけ眠らせてあげてください。
その愛らしい寝顔は、ペットオーナー様の心を暖かく癒してくれることでしょう。

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