“譲渡型猫カフェ”「猫カフェ にゃんくる」の 横浜桜木町店がオープンしました

2016.05.11

“譲渡型猫カフェ”「猫カフェ にゃんくる」の 横浜桜木町店がオープンしました

猫ちゃんとたわむれて癒しを得られるだけではなく、里親募集中の猫ちゃんと出会える“譲渡型猫カフェ”をご存じですか? 今回は、約300匹の猫ちゃんの命を救った「猫カフェ にゃんくる」の試みと、2016年4月16日にオープンしたばかりの横浜桜木町店をご紹介します。

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店舗名 譲渡型猫カフェにゃんくる 桜木町店
営業時間 11:00-20:00 年中無休
住所 横浜市中区花咲町1-46 桜木町ビル3F
電話番号 045-315-5602【予約不要】
お店のホームページ http://www.nekocafe-leon.com/

お店にいるのはすべて“里親募集中”の猫ちゃん

「譲渡型猫カフェにゃんくる 桜木町店」にいるのはみんな、飼い主がいなくて里親募集中の猫ちゃん。この猫ちゃんたちは、犬・猫の里親マッチングで多大なる実績がある、山梨県のNPO法人リトルキャッツ(http://littlecats.jp/)から提供を受けています。
このお店ではもちろん、猫ちゃんの里親を希望していなくても、普通の猫カフェと同じようにお店に入って猫ちゃんと遊んだり、飲み物をいただいたりすることができます。もし、猫ちゃんと遊んでいるうちに「この子と暮らしたい!」と思ったら、お店のアンケートに答えて同意書に署名し、お名前や自宅のご住所、携帯電話の番号やメールアドレス、勤務先電話番号などを登録します。その後、リトルキャッツ代表の方と電話で話した上で、今まで猫ちゃんにかかった医療費(混合ワクチン代や不妊手術など)の実費を負担すれば、猫ちゃんを引き取ることができます。

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【お店の猫ちゃんはみんなフォトジェニック! ポーズを取るのも慣れたものです】
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【見知らぬ人(お客様)がたくさん出入りする店内でも、落ち着いた猫ちゃんたち】
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【オモチャを使って猫ちゃんと遊ぶこともできます】
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【カメラで狙っていたらぺろりと舌出し。まるでカメラマンの要求をわかっているかのような、賢い猫ちゃんたちばかりでした】

「純粋に、猫に恩返しがしたいと思いました」(後藤靖雄さん)

「にゃんくる」を経営する「猫カフェれおん」グループは、2008年に「猫カフェれおん 横浜店」をオープンした猫カフェの草分け的存在です。同グループ代表の後藤靖雄さんは、横浜店がようやく軌道に乗った頃にふと思ったそうです。
「僕は猫のおかげで今、食べさせてもらっているのに、世の中には愛情を知らないまま死んでしまう猫がたくさんいる。里親募集中の猫ちゃんと里親さんを、猫カフェでマッチングできたら、猫に恩返しができるのではないか」。
ひらめいたら即行動が信条の後藤さんは、猫カフェで培った人脈をたどって、いろいろな人に「譲渡型猫カフェ」のオープンについて相談しました。その結果、「リトルキャッツ」さんと巡り会え、2013年に「譲渡型猫カフェ にゃんくる川崎店」、続いて「鎌倉店」をオープン。現在までに、合わせて約300匹の猫ちゃんと里親をマッチングしています。

「最も大切なのは、人とのコミュニケーションです」(田中ゆみさん)

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【自宅にも3匹の猫ちゃんがいる店長の田中ゆみさんは、飼育歴30年以上の大ベテラン】

桜木町店で店長を任されている田中ゆみさんは、鎌倉店のスタッフでした。「生まれたときから実家には猫がいて、ずっと猫と暮らしてきました。自分でも猫カフェをオープンできたらいいなと思って、ノウハウを学ぼうと鎌倉店に入ったのですが(笑)。お店の居心地が良くて、気がついたらここを任されていました」(田中さん)。
こんなことを言うのは失礼かもしれませんが、「変な人」が猫ちゃんの里親になる心配はないのでしょうか?
「私も一番、そこが心配でした。譲渡しても、その先で猫ちゃんが不幸になってしまっては意味がありません。でも、里親を希望される方のご相談に乗ったり、お話したりしているうちに、気付きました。猫ちゃんの幸せのためには、猫とはもちろんですが、人とのコミュニケーションが一番大切だって。お互いに信頼関係を築いた上で里親をお願いすれば、猫ちゃんは必ず幸せになれるって」(田中さん)

スタッフひとりひとりが“猫ソムリエ”

田中さんが一番大切にしているのは、里親を希望するお客様に「猫ちゃんとどんな暮らしをしたいと考えているか」を丁寧に伺うことだと言います。例えば、「子どものパートナーとして大切に育てたい」のであれば活発で子ども好きな猫、「家でくつろぐとき、傍らの猫から癒しを得たい」のであればおとなしめの猫が向いています。そのうえで、お店にいる猫ちゃん一匹一匹の性格を丁寧に説明しているのだそうです。
「性格を説明するためには猫を理解しなければならないし、コミュニケーションしながらお客様のお人柄も考えていく。スタッフひとりひとりがお客様と猫ちゃんのマッチングを熟考しています」(田中さん)。
その様は、まさに“猫ソムリエ”といえるかもしれません。

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【お店にかかっているホワイトボード。猫ちゃんの名前、性別、性格、推定年齢、性格などが説明されています】

また、里親を募集している猫ちゃんの中には、先天的な白内障など持病がある子もいるとのこと。そういった子については、ケアの方法や、今後かかる医療費についても丁寧に説明するようにしているといいます。

「猫が幸せに暮らしているのを見るのが幸せ」(田中さん)

換気と店内清掃には特に気を付けているとのことで、清潔な店内は臭いがまったくなく、猫の毛も落ちていません。また、ドリンクスペースと猫ちゃんと遊ぶスペースが分かれていたり、営業が夜8時までだったりと、猫ちゃんの健康第一に運営されているのがお店全体から伝わってくる「猫カフェ にゃんくる」。猫とのふれ合いがメインのお店なので、喫茶メニューはドリンクのみ。フードメニューはありません。

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【お店の猫ちゃんは毎日、ブラッシングや耳掃除などのお手入れをされているので清潔ですし、体のどこに触られても大丈夫】
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【猫ちゃんと遊ぶスペースとドリンクスペースは分離独立しています】
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【キャットタワーに集う猫ちゃんたち】

「お店に来るまでに、いろいろと辛い経験をした猫もいます。性格も本当にいろいろで、時間をかけてやっとお店に慣れてくれた子もいれば、店に来たその日からお客様の膝に乗る人懐っこい子もいます。どの子も本当にかわいくて、自分の家でも迎えたいような子ばかり。もらわれていった猫ちゃんが幸せそうにしている様子が、お客様のSNSにアップされているのを見ると、この仕事をしていて良かったなと思います」(田中さん)
お店のスタッフが丁寧にアドバイスしてくれるから、初めて猫ちゃんと暮らす人でも安心。猫ちゃんと暮らしたいと考えている方は、ぜひ「猫カフェ にゃんくる」を訪れてみてください。
また、猫ちゃんと暮らす予定はないけれど、猫ちゃんとたわむれて癒されたい!という方も大歓迎とのことです。利用料金は、猫ちゃんたちのご飯代や治療費にもなりますし、お客様と猫ちゃんが遊ぶことで、猫ちゃんの社会化にも繋がります。社会化された猫ちゃんは育てやすいので、この子たちが幸せにもらわれていく手助けができるというわけです。「猫カフェ にゃんくる」で遊ぶことが、猫ちゃんのためになるなんて素晴らしいですね。

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石原美紀子

石原美紀子

青山学院大学卒業後、出版社勤務を経て独立。犬の訓練をドッグトレーニングサロンで学びながら、愛玩動物飼養管理士1級、ペット栄養管理士の資格を取得。著書に「ドッグ・セレクションベスト200」、「室内犬の気持ちがわかる本」(ともに日本文芸社)、「犬からの素敵な贈りもの」(出版社:インフォレスト) など。愛犬はトイ・プードルとオーストラリアン・ラブラドゥードル。

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