うみちゃんのこと
我が家には3匹の猫がいます。そらさん(♂)と、後から我が家に来た、すずちゃん(♀)、りんちゃん(♀)。
そらさんには兄弟がいました。うみちゃんです。
ある日、うみちゃんのお腹が膨れていることに気がつきました。細い体にはおかしなくらいのポンポンに張ったお腹…。
病院で下された診断はFIP(猫伝染性腹膜炎)。
すぐに治療を始めたものの、うみちゃんの体調は日々悪化して行きました。でも私は諦めていませんでした。
「絶対助ける」そう強く思っていました。
うみちゃんが亡くなる前の晩も診察を受けました。うみちゃんは気が強い猫だったので、体力がなくヨロヨロしていても先生を威嚇していました。まさか次の日の朝に死んでしまうようには見えず、4月3日の早朝の突然の死は私にとって青天の霹靂、とても受け入れ難いものでした。

亡くなる直前のうみちゃん。お腹がパンパンです…
お葬式

うみちゃんのお葬式
愛用の毛布を敷き詰めた箱に、うみちゃんの遺体を納めました。お花をいっぱい入れました。病気になってからはご飯が食べられなくなってしまっていたので、フードもいっぱい入れました。
近所にはペット専門の葬儀社があり、お葬式と火葬をお願いしました。その葬儀社はペット霊園も運営しており、こちらも家からそう遠くないところにありました。
お葬式は祭壇の前で行われ、私と子供達が参列。読経とお焼香の後、うみちゃんは火葬のために運ばれていきました。
正直、このあたりの記憶があまりありません。悲しくて、泣きすぎて頭はぼーっとしていて、お葬式が終わってもうみちゃんがいなくなったことが信じられませんでした。
うみちゃんは翌日、骨壷の中に入って帰ってきました。
3回忌のお知らせ
うみちゃんが死んでしまってからの私はおかしかったと思います。
うみちゃんの使っていた食器や毛布を見ると涙が溢れてきます。1匹だけで丸まっているそらさんを見ると泣けてきます。
夜は寝入ってしまうまで泣きながらうみちゃんに謝っていました。「病気にしてしまってごめん」「助けてあげられなくてごめん」「痛い注射をいっぱいしてごめん」…謝ることは一杯ありました。
霊園から四十九日や月命日、一周忌のお知らせの葉書が届いていましたが、当時は辛くて参加することができませんでした。
本当は参加することがうみちゃんのためであったのに、と今なら思うことができるのですが…。
うみちゃんが亡くなってから、いろんな出来事が起こりました。
すずちゃんとりんちゃんを迎えました。そらさんがてんかんを発症して、発作で死にそうになりました。
あっというまの2年間。うみちゃんを恋しく思う気持ちは変わりませんが、突然の感情のうねりに襲われることは随分少なくなっていました。
そして届いたのが3回忌のお知らせでした。
参加してみた
法要はこの時期に供養の日が来るご遺族を集めて、合同で行われます。本当はあらかじめ参加する旨を霊園の方に連絡しておくべきだったのですが、あえて予約はしませんでした。
まだ少し肌寒く、けれど良いお天気で、桜の花が八分咲きでした。
葉書を持ってくることを忘れた私と娘でしたが、受付で自分とうみちゃんの名前、うみちゃんの命日を告げるとすんなりと受付完了。供養料と塔婆料を支払い、会場に入りました。
会場には何組かのご遺族が集まられていました。外に出て合同供養塔にお参りしている方もいらっしゃいました。
暫くすると会場にお坊さまが入ってこられました。あらかじめペットの名前と施主さんの氏名の確認が行われました。本番でお坊さまが間違われないように、とのことでしたが…。
そしていよいよ法要が始まります。お坊さまの読経。ペットと施主の氏名が読まれ始めました。その間に私たちはお焼香を行います。いよいよ自分たちの番だな、と腰を上げようとしたら…お坊さまが私の名前を間違えました。ほとんど逆さ読みです。ポカーンとなった後、なんだかおかしくて娘とクスクス笑ってしまいました。
この時、ああ、なんだか吹っ切れたなあ、と感じました。
亡くなった人を思い、いつまでも泣き暮らしていると、亡くなった方が心配してしまいなかなか成仏できない、とよく聞きますが、これはペットだって同じだと思います。うみちゃんのことを今までこの世に縛り付けていたかもしれないなあ、と申し訳なく思います。
亡くなってペット達は天国の少し手前にある虹の橋の麓で飼い主さんがやってくるのを待っているといいます。
法要の後、いつか私が死んだ時、うみちゃんは待っててくれるかなあ。他の猫と仲良くなって、とっとと橋を渡っているかもしれないよ。そんなことを娘と話しながら供養塔へお参りして帰りました。
うみちゃん、短い時間だったけど、うちの子になってくれてありがとう!

霊園は緑豊かな土地にあります

桜の花が綺麗でした
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