猫のおでかけ事情
元来猫は環境の変化を嫌がる生き物です。特に完全室内外の猫は“家”から離れることを嫌がります。外を眺めていれば、外に出たいのかな?とも思いますが、室内飼いの猫にとって家の中は“縄張り”になるので、異常がないかパトロールしているだけなのです。

ですから急におでかけへ連れて行くのは✕。ストレスや不安を急激に与えてしまっては、パニックを起こしてしまうことも。大切な愛猫をストレスや不安から守るためにも、いきなり連れて出るのではなく徐々に慣れさせることが大切です。
猫とおでかけ~車の場合~

さて猫を車に乗せておでかけする場合、車に慣れさせておくことがポイントです。いきなり車に乗せて、おでかけするのでは猫に大きな負担をかけてしまいます。負担を極力減らすためにも、少しずつ慣れさせていきましょう。
最初は車内の雰囲気に慣れてもらい、少し落ち着いた様子になれば、5分程度のドライブから始めていきましょう。時間・距離を少しずつ延ばして、車でのおでかけに慣れさせて下さいね。では車でおでかけする際の注意点を見てみましょう。
□走行中の注意点
車の走行中にアクセルやブレーキ、座席の下に入ってしまうととても危険です。急ハンドル急ブレーキで、怪我をしてしまう可能性も。運転者の集中を削ぎ事故に繋がってしまっては元も子もありませんので、必ず猫ちゃんには専用のキャリーバッグに入っていてもらいましょう。
キャリーバッグは比較的広い後部座席に置くと良いでしょう。また風通しがよく、直射日光が当たらない場所であること。車内の温度が上がって熱中症や脱水症状になってからでは遅いですからね。車内の温度を下げるために窓を開けるときは、猫の顔が出ない程度にして、脱走や転落防止の予防をしましょうね。

長距離移動の場合、猫ちゃんの体調に充分に気を使ってください。1~2時間置きに休憩をはさみ、必要であれば水分補給やご飯の時間をとりましょう。また車酔いする猫もたまにいますのでご注意ください。あらかじめ、動物病院などで動物専用の車の酔い止めを処方してもらうとよいでしょう。車酔いの兆候として、よだれがだらだらたれる、弱々しく小さく鳴く、そわそわと落ち着きがないなど…。猫の体調面には十分に気を使って下さいね。車の中で吐いたとしても、猫ちゃんは悪くないので、優しく体調を気遣ってあげましょうね。
猫とおでかけ~公共交通機関の場合~
公共交通機関を使用する場合は、必ず各交通会社の規定を守り、他の乗客の迷惑にならないようすることが重要です。いくら自分にとって可愛い家族であっても、他人から見ればただの猫でしかありません。猫が嫌いな人もいれば、アレルギーを持つ人もいます。マナーをしっかり守るよう心がけましょう。
①電車(JRの場合)

規定では、猫は“有料の手回り品”になります。
手回り品の料金は、1個あたり280円になります。また電車に乗る際の規定として、
・必ずキャリーバッグなど専用のケースに入っていること
・長さ70㎝以内で、縦・横・高さの合計が90㎝程のケースに入るもの
・ケースと猫を合わせた重さが10㎏以内であること
その他にも猫と電車に乗る場合、タオルは必需品です。タオルでゲージの目隠しを施し、猫がゲージ内で安心できる空間作りのために必要になります。座席では猫を出さないようにすること。新幹線等の特急列車で、猫が落ちつかず、激しく鳴くようであればデッキに出て他の乗客に配慮することも大事ですね。
②飛行機(ANAの場合)

ペットとの長距離移動で便利な飛行機。国内ですと長距離かつ短時間での移動が可能になりますね。各旅客機会社にもよりますが、ANAの場合ですと国内線・国際線ともに手荷物としての客室内の持ち込みはできません。貨物室での預かりとなっているようです。
・ペットケージは硬いプラスチック製や金属製でのもの
・頑丈で屋根がついており、航空輸送に耐えられるもの
・布製のキャリーバックや厚紙、ダンボール製のものは不可
・車輪付きのものは、取り外しが可能、または車輪が固定できるもの
・側面に換気用の窓が備わっている、通気性のあるもの
・ケージ内で立つ、座る、寝そべる等、十分に動けるスペースがあるもの
また初夏から晩秋にかけては、貨物室内の空調も一応管理されているとはいえ、外気温の影響を受けやすく(反射熱で貨物室でも気温が上がりやすい)、日中の時間帯の搭乗は避けた方が良いと案内がされています。その他の細かな規定は会社のHPをご覧になってくださいね。
いずれにせよ無理強いは禁物です。嫌がる猫ちゃんのおでかけは、病院など必要最低限に留めておくと良いでしょう。
おわりに
参考になりましたでしょうか?筆者の住むところは車必須のど田舎なため、猫一匹だったときは、よくおでかけに連れて行っていました。猫と暮らしたことがなく、子猫だけではなにが起こるか不安だったというのもあります。子猫のうちから車に乗せてあちこちおでかけしていたので、お嬢さんは車が平気な猫。しかしもう一匹のお坊ちゃんの方は車に跳ねられた経験を持つせいか、ものすごい車恐怖症です。今では連れておでかけ、ということもなくなりましたが、病院に連れて行くときはちょっと大変です。
参考
JR東日本 きっぷあれこれ:https://www.jreast.co.jp/kippu/20.html
ANA(国内線):http://www.ana.co.jp/serviceinfo/domestic/support/pets/index.html
ANA(国際線):https://www.ana.co.jp/serviceinfo/international/support/pets/
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