猫は犬と違い、甘みを感じない!?

2016.06.15

猫は犬と違い、甘みを感じない!?

キャットフードを美味しそうに食べている愛猫を見ると「こっちまで幸せになる」という飼い主さんも多いではないでしょうか。可愛らしい姿に癒されますね。 ところで「猫はグルメ」とよく耳にします。「きっと、美味しいものを舌で選別しているんだろうな」なんて思ってしまいますが、実は甘味を感じないという噂も・・・。 実際のところ、猫ちゃんたちの味覚はどうなっているのでしょう。猫の舌の秘密や味覚、そして人間や犬との比較なども交えて考えてみたいと思います。

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猫の舌のしくみとは?

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猫ちゃん達と一緒に遊んでいて、ぺろぺろと舐めてくることもあります。そんな時に「ザラザラしている!?」と思ったことのある方も多いのではないでしょうか。もし、犬に舐められたことがあるならば、犬との違いにびっくりした経験を持っているかもしれませんね。

実は、猫の舌がザラザラしているのには、舌の構造上の問題。舌には「ザラザラ」の原因である突起が無数にあるのです。

●野生時代の名残!?舌のザラザラは生い立ちと関係

猫は古い時代から野生で暮らしていました。肉食動物である猫は、狙った獲物の肉を食べます。その時に、舌にある突起が獲物の骨と肉を分けるスプーンのような役割をしていたのです。

●毛づくろいの時に「ブラシ」の代わりをする舌

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猫は毛づくろいが大好きな動物です。時間があれば、自分で舐めて毛づくろいをして清潔にしています。そんな時に「ブラシ」代わりとなるのが自分の舌なのです。突起が、まるでクシのような役割をしてくれるので、毛づくろいには欠かせない機能を持っているのです。

●優雅なフォームで水飲みをする猫

猫の水の飲み方は「優雅さがある」と言われています。犬には猫のように舌の表面に突起物がありません。そのため、水飲みの時には、下を裏側にして一生懸命飲みます。舌だけで頑張って水飲みをしようとするので、少し水が周辺にこぼれてしまうことはよくあることです。

しかし、猫は下の表面がザラザラしています。そのため舌の表面の先だけで飲むことができます。犬と違ってとても優雅に飲むことができる舌の構造になっているのです。


猫が舌で感じる味覚について。人間や犬との違いとは?

前述したように、猫と犬、そして人間は舌で感じることの味覚が違います。動物の舌には、味を感じるのに欠かせない舌に味蕾(みらい)細胞があります。

この「味蕾」の数が猫や犬、人間では数が違うのです。そのため、感じる味などについても異なっています。どんな点が違うのかについて、ご紹介していきます。

●人間の味覚

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人間は味蕾細胞が約1万個という数だけ存在しています。そのため次の5種類の味の違いを感じることができるのです。

  • 苦み(苦い)
  • 甘味(甘い)
  • 酸味(すっぱい)
  • うま味(うまい)
  • 塩味(しょっぱい)

私たち、人間は食べ物を食べる時に目で見て「美味しそう」と思い食べると、本当に舌で絶妙な味加減を感じることができますよね。

●犬の味覚

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人間に1万個程度もあるという味蕾が犬には約2,000個しかありません。そのため人間のように敏感に味を感じ取ることはできないのですね。とは言っても、人間の1/5程度とはいえ、味蕾細胞がありますから、味を感じることはできます。一般的には「甘い」「すっぱい」という味にはとても敏感ですが、逆に「しょっぱい」という塩味については、ほぼ感じることはないそうです。

●猫の味覚

犬の味蕾の数は人間の約1/5でしたが、猫ちゃんたちの舌にある味蕾はいったいどのくらいなんでしょう。

実は、猫の味蕾は1000個を下回る数と言われています・・・。一説によると500程度とも言われているのです。ずいぶん、味蕾の数が少ないんですね。

猫ちゃんが感じる味は基本的に「すっぱい」という酸味、そして「にがい」という苦みです。逆に「甘い」という味はほぼ感じることはないです。


猫は甘味を感じられないってホント?

上記のように、人間、犬、猫では舌にある「味蕾の数」によって、味わい方が違うと分かってきました。それでは、猫の舌の味の感じ方についてもう少し詳しくお話ししていきます。

●猫は「すっぱい」「苦い」については敏感

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猫の舌で一番感じることができるのが「すっぱい」という酸味です。これは肉に含まれている数種類の酸を感知するためです。

また、次に発達しているのは「苦い」という苦みです。これもまた、猫がかつて野生動物だった名残から発達しています。野生では、自分で狩った獲物だけを食べる訳ではありません。獲物を探していても、狩るべき動物になかなか巡り合えない時には、他の動物が食べ残した肉、あるいは街中に溢れるゴミから食べ物を探して食べることもあります。

しかし、新鮮なものばかりではないでしょう。そんな時には、舌のセンサーが働き「これは腐っている」という苦みを感じることができ、身を守ってくれるのです。舌で腐ったものを判断できる味覚に関しては、他の動物よりも優れていると言われています。そのため、腐ったものを食べて中毒になる猫はあまりいないのです。

●野生で生きてきた猫は「甘み」を感じる必要性がない

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犬も野性で生きていましたが、雑食ですから必要に応じて肉以外にも果物などを食べていました。果物はもちろん糖分が入っています。犬の舌が「甘み」を感じることができるのは、このようなことからです。

一方、猫ちゃん。猫も本来は野生で獲物を狩って食べるという肉食動物でした。しかし犬との違いは「本来は肉しか食べない」という点。野生時代の獲物と言えば、ネズミや鳥といった動物なので、肉しか口に入れる機会がなかったのです。そのため甘い物を食べる必要性は全くありませんし、甘みを舌で感じる必要もいりませんよね。そのため、猫は甘みを感じないと言われています。

●塩味もほとんど感じない

猫が感じる塩味は、ほぼ鈍感です。塩味を感じなくても、体に必要な塩分は「獲物」である肉から調達できるからです。多少は塩味を感じることができますが、その力はほとんどありません。


猫がグルメと言われるのは何故?

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人間や犬と比較しても味蕾の数が少ない猫ちゃん。でも、世間ではよく「猫はグルメ」なんて言われますよね。味を感じる細胞が少ないのに、こんな風に言われるのは何故なんでしょうか。

●猫ちゃん達は味覚よりも嗅覚がスゴイ

実は、猫や犬は嗅覚が人間よりも素晴らしく発達しています。嗅覚は人間よりも相当発達しています。猫は「舌」で味わうことよりも、鼻で「これは食べてもOKかな」「食べちゃダメだな」という判別をしているのです。

先ほども言いましたが「腐っているもの」は舌で判断できますから、マズイものを食べないグルメな猫ちゃんというイメージがついたのでしょうね。
猫によってはキャットフードのメーカーによって、「食いつきがいい」とか「食いつきが悪い」と感じる飼い主さんもいるでしょう。

猫にとっては「味」よりも「香り」です。香りが良さそうなフードに変えてみると、嬉しそうに食べたりするかもしれませんね。

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●好き嫌いはどうしておこるの?

猫たちだって人間と同じで好き嫌いがあります。実は猫達の食生活は、幼少期にすでに形成されてしまいます。小さいうちに与えていたフード以外のものを与えると「イヤだ」と食べないこともあります。猫に限らず動物の習性で、一度体調を崩してしまった食べ物は「食べたくない」という記憶になって忘れることはありません。

「前に食べたけれど気持ちが悪くなった」「お腹が痛くなったからもうイヤだ」なんて記憶は猫ちゃんたちも本能的に覚えているんですね。

そのため飼い主にとっては「好き嫌い」として見えてしまうのです。

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中岡 早苗

中岡 早苗

可愛い猫ちゃん達に囲まれながら、猫の知識や暮らしを日々学んでいます。 学んだ情報はどんどんお伝えしていきます。楽しいネコライフをおくりましょう。

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