猫はどうして顔を洗うの?

猫は自分の唾液を前足につけて顔をこすります。こすって顔の汚れを取り、前足に着いた汚れを舐め取ります。再び前足に唾液をつけて顔をこすります。この一連の行動を「猫が顔を洗う」とよんでいます。
では猫は何故「顔を洗う」のでしょうか?
綺麗好きな猫は食事の後に口の周りについた食べカスや匂いが気になってしまいます。唾液をつけた前足で食べカスや匂いを綺麗に取り除きます。野生の頃の名残で、外敵に匂いを気づかれかないようにもしているのです。
猫のヒゲは優秀なレーダーとしての大切な役割があります。自分の周りの障害物を感知する。風の向きを確認する。そして湿度を確認する。猫は夜行性の動物です。ヒゲの感度を最大限に高めて周りの状況を察知することで暗い中でも自由に動き回ることができるのです。この大切なヒゲをいつでも綺麗に、ピンっとした状態に保つために顔を洗うのです。
猫はストレスを感じた時や驚いた時、ジャンプや着地を失敗した時などに、顔を洗ったり、全身を舐めて心を落ち着けようとします。イライラした不快な気分をグルーミングすることで「なかったこと」にしてしまうのです。これを転移行動と言います。
「猫が顔を洗うと雨が降る」は本当?

猫と天気の言い伝えは日本国内だけでなく外国でも多くの国で語られています。西洋では「猫がくしゃみをすると雨が降る」「猫がテーブルの脚をひっかくと天気が変わる」などなど。日本の「猫が顔を洗うと雨が降る」という言い伝えは、出所は確かではなく、しかし1900年初頭にすでに国内で風説として語られていたようです。「猫顔を拭ふて、その手が耳を越せば降雨」「猫顔を拭その手が耳を越さねば晴天」と、猫が顔を洗う時の手が耳の後ろに届くか届かないか、で天気を予測していたようです。
このように、まことしやかに語られる「猫が顔を洗うと雨が降る」、果たして本当なのでしょうか?
実は「猫が顔を洗う」行動には湿度が大きく関与しているのです。
猫のヒゲは別名「触毛」と呼ばれ、非常に敏感です。先に述べた通り、食事の後には必ずヒゲの周りについた汚れを取り除き、常に綺麗に整えています。このヒゲに、湿度が高くなることによって大気中の水分がいつもより多く付着することが猫にとって違和感を感じることになるかもしれません。水分が付着して湿気たヒゲをピンっとするために、いつもよりひっきりなしに顔を洗うことになります。
猫は聴覚が非常に優れているため、雷のような大きな音が苦手で強いストレスを感じます。梅雨時、低気圧が近づき湿度が高くなって雨が降り出すことで、今までに経験してきた雷の恐怖を思い出して猫は不安になります。遠くの雷鳴が聞こえることもあるでしょう。そこでストレス解消のために転移行動である「顔を洗う」行動をとるのです。
また、梅雨に多い雷雨は猫の毛に静電気が発生させることから、グルーミングで帯電を解消する事もあります。
猫の皮膚炎の大きな原因となるネコノミは、湿度が高くなると大きく育ち、寿命も延びます。そのため猫は顔に限らず、湿気た全身のグルーミングを頻繁に行い、ネコノミやダニを除去しようとします。
まとめ

雨の降る前の湿気た状態で猫がグルーミングを行う姿を見て、昔の人は「猫が顔を洗うと雨がふる」としたのでしょう。
猫は人間と違って汗腺がありません。梅雨の湿度が高い気候は猫の体毛が湿らせ、体温調節がうまくできなくなってしまいます。おうちの猫ちゃんが頻繁にグルーミングを行い、顔を洗う姿を見かけるのなら、室温や湿度を確認してみましょう。
一般的に猫が快適に感じる湿度は40〜60%、気温は22℃前後。梅雨を快適に過ごすためにも通気を十分に行い、エアコンや除湿機、扇風機などを上手に使って猫ちゃんが湿気のストレスを感じない環境を作ってあげたいですね!
最後まで読んで下さってありがとうございました。
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