猫の狩猟本能の不思議〜ネオテニー

2016.06.27

猫の狩猟本能の不思議〜ネオテニー

こんにちは、そらにゃんです。 猫は生まれながらのハンター!というイメージがありますね。 完全な肉食動物の猫は祖先買う受け継いだ狩猟本能を、現代まできちんと受け継いでいます。 一方で、猫には他の肉食動物には見られない不思議な行動も見られます。 今回は猫の狩猟本能についてまとめてみました。

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猫の狩猟本能

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猫は生まれながらに狩猟本能を持っています。けれどそれは闇雲に獲物を攻撃する、というだけのもの。獲物を上手に狩り、殺して食べる、といった作業はお母さん猫から伝授されるものなのです。
お母さん猫は、生後5〜6か月になった子猫に狩猟を教えます。
まずは殺した獲物を与え、食べ方を教えます。次に生きたままの獲物を与え、殺し方を教えます。そうして狩猟を覚えた子猫は次第に自分で狩りをすることができるようになるのです。
仕留めた獲物を別の場所に持ち帰り、ゆっくり食べるのも猫の本能。危険のない場所でゆっくり獲物を味わいたいという気持ちからです。

よく飼っている猫が飼い主さんのところに仕留めた獲物を持ってきて、飼い主さんがびっくりする、という話を聞きます。これは猫の母性本能からの行動です。猫は飼い主さんを自分の子供だと思っているのですね。もしお家の猫ちゃんが獲物を持ち帰った時は、猫ちゃんの気持ちを受け止めてたくさん褒めてあげましょう!

獲物を弄ぶ

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時に猫は、狩猟で得られたせっかくの獲物を食べずに弄んでいる時があります。
お腹が空いているから、狩猟をして獲物を食べるという本能はどうしたの?と思ってしまいますが、猫のこのような行為にも理由があります。

・獲物の食べ方がわからない!

猫は母猫から仕留めた獲物の食べ方を教えてもらいますが、それを覚える前に母猫から離された猫は獲物の食べ方を知りません。そのため獲物は「おもちゃ」として扱われるようです。

・窮鼠、猫を噛む!

仕留めた、と思っていた獲物が実は生きていて、最後の力を振り絞って反撃してくるかもしれません。猫はこのような危険を本能から、そして今までの経験から知っていて、念には念を入れて獲物にとどめを刺しているのです。

・これは私のもの!

せっかく苦労して撮ってきた獲物、誰にも渡すまい!と、自分の匂いをこすりつけて所有権を主張しています。

・あの快感をもう一度!

猫がご飯を食べている時に、急に他のものに興味を惹かれて食事を中断し、飛び出していくといった光景はよくありますよね。窓の外に動くものに反応したり、飼い主さんの持ち物に反応したり。
これは日常生活では満たされない狩猟本能を擬似的に満たそうとして起こる行動。「猫は食欲とは無関係に動く」と主張する生物学者がいるように、猫は一度得た獲物をもう一度狩り取りたい、という気持ちで一杯です。自分でおもちゃを動かして弄ぶように遊ぶのもこのため。猫が狩猟をするのは空腹を満たすためだけではなく、本能で疼く心を満たすためでもあるのです。

猫のネオテニー

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通常ほとんどの肉食動物は、体力温存のために無駄な動きを避けます。そのため空腹が前提で狩猟行動をとり、一度食欲を満たせば空腹になるまで狩猟を行いません。では猫は、といえば、先ほども述べたようにせっかく撮ってきた獲物を食べなかったり、目の前に食事があって。それを食べている最中であるにもかかわらず狩猟に出かけようとします。猫は空腹以外の時にも狩猟を行う、肉食動物の中でも特殊な動物なのです。

猫の満腹でも狩りをする行動は、猫の「ネオテニー」と言う現象が関わっていると言われます。
「ネオテニー」って何?と思いますね。はい、私も初めて知りました。
「ネオテニー」とは「幼形成熟」と言われ、子猫の特徴を保持したまま成熟することを言います。
猫が獲物を弄び、満腹でも狩猟を行うのは、人に飼われるようになった猫が、野生の本能をとぎすます危険にさらされることなく成長し、子猫のままの心でいるからなのです。
なるほど。
本来なら子猫がお母さんのおっぱいがよく出るようにする「猫のフミフミ」や、毛布をチューチューする姿、母猫に自分の存在を知らせるための「猫の喉鳴らし」などが「ネオテニー」現象の例ですが、エネルギーを無駄に使ってまで、狩猟で得た獲物で遊ぶ姿も子猫の行動そのものですね。お母さんに狩猟を教えてもらっていた頃を思い出しているのかな・・・?

まとめ

いかがでしたか?
猫がバッタやカエルなどの小動物を弄んでいるところを目撃してギョッとする。「何て残酷なの!?」
・・・などと思わないでくださいね。それは子猫の心がさせているのです。
猫が枕元にスズメの死骸を持ってきていてギョッとする。「嫌がらせ?」
・・・いえいえ、違います。それは猫の母性本能。
時々びっくりさせられる猫たちの行動ですが、どうぞ広く大きな心で理解してあげてくださいね!

最後まで読んでくださってありがとうございました。

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そらにゃん

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猫が大好きなおばさんです。猫、いいですね! 我が家には「そら♂」「すず♀」「りん♀」のニャンズがいます。 ずっと犬を飼っていて猫暦はまだ二年そこそこと短いのですが、長年の願いだった猫との暮らしに今もウハウハ状態です。ニャンズのおかげで仕事や家事や寄る年波の疲れも吹っ飛びます。 病気がちな「そら」のおかげで獣医さんと懇意になり、通院の度に先生から様々な猫情報を教えていただいてます。 いかにニャンズを満足させられるか、猫じゃらしの振り方を日々研究中。 得意技は猫に錠剤を飲ませること。←ただし「そら」限定!?


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