

ヒマラヤンがかかりやすい病気
ヒマラヤンがかかりやすい病気として、熱中症、流涙症、多発性のう胞腎があります。
熱中症はヒマラヤンが長毛種のため、暑さに弱いことでかかってしまいます。流涙症は、結膜炎や角膜炎のような目の病気、目に刺激物質がふれたことによって、目から涙があふれてしまう病気です。
熱中症や流涙症もヒマラヤンにとっては、とても深刻な病気です。でも、飼い主さんがきちんと注意してケアしてあげれば、完治する病気です。でも、多発性のう胞腎は、いったんかかってしまうと完治しません。
多発性のう胞腎にかかる猫は、1000匹に1匹と言われています。その中でも、ヒマラヤンは遺伝的に病気にかかりやすいと言われています。
さらに、症状の進行がゆっくりなので、飼っている猫ちゃんに変わった様子が見られず、飼い主さんが発見するのも遅くなりがち。一度なってしまうと完治しませんが、症状が出にくく、進行状態も遅いので、気づいてみたらかなり病気が進行しているという可能性もあります。
多発性のう胞腎の症状とは?
多発性のう胞腎という病名が初耳だという方も多いのではないでしょうか。腎臓にのう胞ができてしまい、だんだんと腎臓の組織がのう胞と置き換わっていきます。のう胞に占領されてしまった腎臓は、上手く機能しなくなって、慢性腎不全になってしまいます。
遺伝性の病気ですが、発病は若い頃です。5歳~7歳になると、腎臓の大部分が働かなくなって、腎不全で死に至ってしまうこともあります。
多発性のう胞腎を発病した猫ちゃんの症状としては、食欲がなくなったり、体重が減ることがあげられるでしょう。また、腎不全の猫全般に見られるように、水をたくさん飲みたがるようになったら、要注意かもしれません。疲れやすくてよく眠るようになったり、おしっこにいく回数が増えることも、症状の一つです。
両親のどちらかが多発性のう胞腎の遺伝子を持っていると、50%の確率で遺伝してしまいます。純血種の猫にはいろいろな遺伝病がありますが、多発性のう胞腎は、とても高い確率で発生すると言えるでしょう。現在ヒマラヤンを飼っている方、これから飼おうと考えている方は、ヒマラヤンが遺伝する病気として、多発性のう胞腎を覚えておいてください。
Next↓多発性のう胞腎の治療方法について
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多発性のう胞腎になってしまったら?
飼っているヒマラヤンが多発性のう胞腎にかかってしまったら、早めにケアをしてあげる必要があります。良くなることがない病気ですが、早めの対策で猫ちゃんの延命につながります。
水をたくさん飲んだり、おしっこに行く回数が増えるのは、他の猫と同じように腎不全のサインです。飼っている猫ちゃんに腎不全のような症状が見られたら、早めに動物病院に連れていってあげましょう。
ヒマラヤンを飼っている場合、生後10か月から多発性のう胞腎の診断ができます。ヒマラヤンを飼う場合、症状が現れる前に動物病院で診てもらうのがいいかもしれません。
診断では腎臓の大きさの確認と一緒に、X線で詳しい状態を知ることができます。遺伝子検査も可能ですが、遺伝子検査の場合は生後10か月以前の猫も診断できます。
飼っている猫ちゃんが多発性のう胞腎だとわかった場合、食事療法を行うことになるでしょう。タンパク質やリンが少ない食事にしてあげることが必要です。
猫ちゃんが苦しそうに吐くしぐさをしたら、吐き気止めを飲ませます。血圧が高い場合には、血圧を下げる薬を飲ませます。完治しない病気なので、症状が出たときに対処療法をする以外にありません。
生まれつきの病気
多発性のう胞腎は、遺伝的な病気なので、いきなり発病する病気とは違っています。病気だとわかったらすぐに、対策を取ってあげなければいけません。
食事に気をつけるのはもちろん、いつでも水を飲めるようにしてあげましょう。猫が移動する範囲内に、複数の水飲み場を作るのもいいでしょう。猫はトイレにいくまでおしっこを我慢してしまいますが、いつでもおしっこができるように、トイレを増やしてあげてもいいでしょう。
多発性のう胞腎のヒマラヤンは、残念ながら7歳ぐらいで亡くなってしまうことも多いです。3歳ぐらいで腎臓が機能しなくなってしまう場合もありますが、早めに病気だと知って対策を取ることで、猫ちゃんは長く生きることもできます。
せっかく飼った猫ちゃんが病気で苦しむことは、飼い主さんにとってとても悲しいことでしょう。病気の進行を遅らせるために、猫ちゃんの生活に気をつけてあげてください。
早めに気づくことが大事
ヒマラヤンがかかる多発性のう胞腎は、生まれつきかかってしまう遺伝病です。一度病気になってしまうと完治しないので、延命治療をするしかありません。早めに気づいてあげて、猫ちゃんが少しでも長生きできるようにしてあげましょう。
<参照サイト>
ヒマラヤン/株式会社エフ・ピー・シー
猫の多発性嚢胞腎(多発性腎嚢胞)とは/EPARKペットライフ
多発性嚢胞腎 Polycystic Kidney Disease (PKD)/岩手大学動物病院


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