障害を持った施設猫

アメリカの保護施設で暮らしていたトリニティ。施設に来る人たちはみんな、トリニティをもらっていこうとしませんでした。というのも、トリニティが五体満足の猫ではなかったからです。トリニティに飼い主さんが見つからない理由は2つありました。
1.五体満足ではないこと
2.ケージを開けようとする人には必ず、シャーっと威嚇の声をあげる
トリニティは手術を受けていました。どんな事故に遭ってしまったのかわからないのですが、トリニティは前足の1本を失ってしまったのです。もしかすると、動物虐待に遭ってしまったのかもしれません。
飼い猫を求めて保護施設に来る人がいても、トリニティは人間をとても怖がっていました。
トリニティ飼い猫に!

サンドラさんがトリニティに会ったとき、トリニティは生後2か月と数十日の子猫でした。他の人間とは違い、サンドラさんはトリニティの障害を知っても、ぜひ飼い猫として迎えようと決意したそうです。
サンドラさんの家にもらわれていったとき、トリニティは猛ダッシュでテレビの下に隠れてしまったそうです。
数時間経過した後、トリニティはテレビの陰からちょっとずつ出てきました。新しい家に慣れるため、トリニティは数日間、家の中に置かれた小さなテントの中で過ごしました。そして、ボールのようなおもちゃで遊んだり、飛び跳ねるほど元気になりました。

サンドラさんのおうちには、他にも2匹の猫がいました。ガイアは2歳半のお姉さん。チューイーは2歳のお兄さんでした。2匹の先住猫とトリニティは、すぐに仲良くなりました。2匹の猫とトリニティとの間に、すぐに心の絆ができたことは驚くべきことだと言えるでしょう。

養子にもらわれてきて、初めて2匹の兄弟と丸1日はしゃいで過ごしたことで、さすがにトリニティも疲れてしまったそうです。
サンドラさんは猫用のベッドも用意したのですが、トリニティは人間が使うベッドが好きだとのこと。贅沢な猫ちゃんですね!
他にも虐待の痕?!
トリニティはサンドラさんの家にもらわれてくる前、どこかの飼い猫だったのかもしれません。ドアに挟まれてしまったように、尻尾の先が曲がって細くなってしました。獣医さんに連れていくと、尻尾の先はミイラのように乾燥して、先端の骨がなくなり、ふれると落っこちてしまいました。尻尾の先が落ちてしまったので、獣医さんの手術が必要だったそうです。もし元の飼い主だった人間がやったのだとしたら、心が痛みますね…。
トリニティは白癬菌を持っていたので、兄弟のチューイーとガイアにも病気が感染してしまいました。3匹ともに健康になるまで、かなりの時間がかかったそうです。
サンドラさんは、「トリニティは今までもらってきた猫の中でいちばんお金がかかった猫だ」と話しています。尻尾の手術費用、白癬菌の除去、兄弟にも移してしまった白癬の病気の治療と、治療のためにたくさんのお金がかかりました。
元々、トリニティは無料で猫がもらえる日にもらわれてきた猫でした。法律で無料で猫がもらえる日があって、トリニティにかかる費用はたった10ドルだけのはずでした。ところが、尻尾の手術の費用や3本脚のためにかかる費用、兄弟に影響する費用を合わせると、とてもお金がかかる猫になってしまったそうです。

皆さんのお宅に施設から来た猫ちゃんがいたら、猫ちゃん自身は無料でもらってくることが多いのではないでしょうか。保護施設の方のおかげで、去勢手術や病気の手術も既に受けていて、完全に無料かもしれません。
たしかに病気や障害の猫には費用がかかるかもしれませんが、病気を覚悟して飼ってくれる方が増えてくれると、トリニティのようなたくさんの猫が救われますね。
障害があっても幸せに
トリニティは生後2か月で、猫の保護施設で暮らしていた猫です。人間の虐待のためなのか、前足がなく、手術を受けていました。保護施設に猫をもらいに来る人は、障害があって人間になつかないトリニティを飼おうとはしませんでした。
でも、障害に理解を持つ飼い主さんにもらわれていくことができました。飼い主さんの家にいた先住猫2匹とも、とても仲良くしています。
トリニティの手術などのために、飼い主さんはたくさんの費用を負担しなければいけなくなりました。でも、優しい飼い主さんのおかげで、前足がないという障害を抱えるトリニティは幸せに暮らしています。


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