日本猫の歴史とは?
猫はどのくらいの時期から日本人との関わりを持っていたのでしょうか。
最も古い記録として残っているのは、平安時代の宇多天皇の「黒猫」の飼育日記。それによると唐からやってきた猫ということが分かります。
その後、次々と猫が人間の生活に関わりを持ってきて、有名なところとしては源氏物語や枕草子などに「猫」という描写がされ、貴族たちに飼われていた様子をうかがい知ることができます。日本の古い書物や歴史書、絵画などに「猫」が登場している様子を見たことのある方も多いでしょう。また、平安や江戸の時代の絵画にも描かれています。
それでは、現在の「日本猫」の始まりについてはどうでしょうか。
現在の日本猫の始まりは、鎌倉時代にネズミを狩猟させるために中国から渡ってきたと言われています。そのため、当時は「ペット」としてではなく、人々の暮らしに有害なネズミを狩る動物という認識が強かったのです。
日本猫の特徴とは?世界の猫と比較するとどうなの?
猫ブームにより猫たちの人気はものすごいですよね。ただ、日本で猫の人気ランキングなどの調査結果をみると上位に入るのは世界の猫たちばかり。しかし、人気ランキングに入っていなくても、日本猫は飼育されている数で言えばかなり多めです。
人気ランキングに入っている世界の猫たちの特徴を見ると、ふんわりした長毛種や個性的な顔立ちのエレガントでかっこいい猫が多く見られます。抱っこした時にフワフワとした毛を撫でるのが気持ちよさそうです。
一方日本猫は、日本で繁殖していった純日本の猫を大きく「日本猫」というので、体格や毛色、模様はさまざま。中型から大型までバラエティに富んだ猫達がいます。
ただ、一般的には洋猫と比較すると、日本猫は「短い毛」「短いしっぽ」が特徴的です。
また、世界の猫に多い長毛種のようにフワフワやカールといったゴージャスな雰囲気はありませんが、短毛で手入れがしやすく、「日本」を代表するような凛々しい顔つきの猫が多いです。
日本猫を代表する種類について
日本で生まれ育った猫を大きく日本猫と言います。「猫種」とは違った意味で考える日本猫の「種類」は、毛の色や模様によって分類されています。
そこで代表的な日本猫の種類についてまとめてみました。
– 三毛猫 –
三毛猫はその名の通り「三色の毛色がある猫」です。白、黒、茶の毛の色で構成されていて、単に「ミケ」とも言われ多くの人達に愛されています。
テレビやアニメのキャラクター、タイトルなどに三毛猫が用いられることも多々あります。また、招き猫のモデルも三毛猫が多いので縁起が良さそうですよね。
日常的に目にしたり耳にしたりするので、「三毛猫」には日本人にとっては親しみやすい印象があるのかもしれません。
そんな馴染み深い三毛猫は、ほとんどがメス。オスは希少なので、出会えることがほぼないようです。
そして三毛猫の性格はまさに「猫」と言ってもいいでしょう。プライドが高く、わがままな性格な子が多いとか・・・。
でも、猫のツンデレな部分を持っているので、気を許した飼い主さんには甘えてくることもあります。
– 白猫 –
その名の通り「白」一色の日本猫を白猫と言います。真っ白な毛色は見ているだけで美しさを感じますよね。
白猫は神経質でデリケートな性格の子が多いと言われています。あまり飼い主さんにデレデレと甘えてくることがないようで、「飼い猫を抱っこしたい!」と考えている飼い主さんのケースでは少し物足りなさを感じてしまうかもしれませんね・・・。
また、遺伝子の関係で目の色が片方ずつ違う「オッドアイ」になりやすいです。片側が青い目の場合には、その側の耳の聴覚に問題が起こるケースも稀にあると言われています。
– 黒猫 –
全身真っ黒なことから「カラス猫」と呼ばれることもある黒猫。イメージ的に「黒い猫は縁起が悪い」と考える方もいるかもしれません。
これは欧米から発信された迷信的なイメージが日本でも根付いていたからで、実際には日本では古い歴史には黒猫が「幸運」「魔除け」「福」の象徴として伝えられていました。
「黒」一色という毛色のせいか、なんとなく近寄りがたいような印象を持たれることが多々ありますが、性格はイメージとは真逆。とっても親しみやすく、甘えん坊で頭がいいようです。
とても飼いやすいと言われることもあるキュートな猫ちゃんです。飼い主さんと遊ぶのも大好きなので、一緒に遊んでみたい方にはお勧めかもしれませんね。
– トラ猫 –
トラ猫はその名に入っているようにまるで見た目がトラのよう。トラ柄なので、他の猫とも区別しやすいかもしれませんね。
そしてトラ猫の中でも、キジトラ、サバトラと分類できます。
名前から連想できるように、鳥のキジのような茶色に黒い縞模様が入ったトラ柄の猫です。見た目はワイルドでカッコいい印象です。
そもそもすべてのイエネコの祖先はキジトラ柄であったとも言われています。
野性味あふれるキジトラは、性格も野性的で元気で活発で動き回るのが大好きです。警戒心が強めだとのことですが、仲良くなってしまえば甘えてくることもあるようです。
サバトラは体が魚のサバの色に似ているグレー色(銀色)がベースです。鼻は茶色でトラ柄の縞模様の色は黒です。
サバトラの性格は元気で動くのが好きだと言われています。
– サビ猫 –
サビ猫は「錆び」という言葉が入っていることから、金色の金属が錆びると黒くなる・・・、そんな外見の猫ちゃんです。
黒や茶色の模様がまだらで統一性がなく一般的には敬遠されがちではありますが、べっ甲のような色合いで独特な雰囲気が好きという方も多いようです。
サビ猫は賢くて穏やかで甘えん坊な性格をしている魅力的な猫と言われています。また三毛猫と一緒で、遺伝子によりほぼメスなのが特徴です。
– ぶち猫 –
2色の毛色をしているのがぶち猫です。白色と黒色の「シロクロ」、白色と茶色の「チャシロ」、白色とグレーの「グレーシロ」、白色とキジやサバ模様の「キジシロ、サバシロ」などがあります。一般的には、顔の鼻周辺の下部分からお腹あたりまで白い色が入るのが特徴です。
白い色の部分が多いと気が強い、黒や茶色の部分が多いとおとなしくて穏やかだとのことです。
毛の色、柄の入り方はバリエーション豊かな日本猫
上記には基本的な日本猫の種類をあげましたが、その他にもバリエーションが多彩で、それぞれ個性があります。しかし、多くの日本猫は見た目も「和風」な雰囲気が漂っていて馴染みやすいものです。
世界の猫で人気があるものだと、フサフサな毛並に優雅な雰囲気、抱っこしやすい小ささなどが特徴に見られますよね。
日本猫も外国もそれぞれの良さがあります。
また、前項で代表的な日本猫の種類の一般的に言われている特徴や性格をお話ししましたが、性格の部分については暮らしていく環境や飼い主とのコミュニケーションによって実際は異なってくるものです。
大事なのは猫と一緒に暮らしたら、お互いが幸せに暮らせること。
しっかりとしたお世話とコミュニケーションで愛する猫ちゃんと上手く生活できるようにしたいものですね。
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