野良猫に餌やりが問題に?
◆野良猫の問題がニュースで話題に
最近ニュースになり話題になっているのが山梨県庁の敷地内に住みついてしまった野良猫の問題です。
野良猫が増えすぎてきてしまい、せっかく植えてある樹木が被害に遭っているということで、山梨県庁の職員とボランティアさんが共に猫を捕獲し、避妊手術を受けさせようとする試みがニュースになっていました。県は避妊手術が終わり次第元の場所に戻し、ホームページで飼い主を募集することにしているそうです。
しかし、なぜ、ここまで猫が増えてしまったのでしょうか。
その原因はやはり餌やりだということです。昨年5月頃から餌を与えないように張り紙を掲示しましたが、今でも餌をあげに来る人が絶えないのが現状です。
◆餌やりトラブルでの訴訟も
京都府では、「野良猫に餌やりをし、片付けずに腐らせたとして近隣住民の生活環境に支障を生じさせた場合、餌をあげた人に対し勧告命令を行い、命令違反の場合は5万円以下の過料を科すことが条例で可決されました。
また、福岡県内では隣の家の女性が野良猫に餌やりを続け、猫の糞、尿で自宅が汚れたとして、近隣住民が160万円の損害賠償を求めた訴訟を起こし、女性に対し慰謝料として55万円の支払いを命じた判決が出ました。
このように、野良猫に餌をあげたために過料を科せられたり、訴訟を起こされたりすることがあるのです。
野良猫の餌やりのルールを決めよう
地域猫と呼ばれる猫をご存知でしょうか。
地域猫とは、特定の飼い主はいないものの、その猫が住む地域住民の合意の上で、有志によって世話や管理がされているの猫のことです。地域猫にまつわる活動は「地域猫活動」と呼ばれ、地域住民の方々が餌やりや糞の始末、避妊・去勢手術など地域猫の管理を行っています。また、猫が原因で起こる様々なトラブル等も解決するため、日々活動しています。
そういった、地域で管理している猫はもちろん餌場所も決まっているので、むやみやたらな場所での餌やりは禁止です。
地域住民の方々は猫が苦手な人達のためにも様々なルール作りをしているので、もしその地域の猫に餌をあげたい場合は、地域住民の許可を得てから、一緒にあげるようにしてみてはいかがでしょうか?
餌場以外の掃除が大切
野良猫の餌やりというのは、とても大変な作業です。ボランティアで行うのですから、必要な餌や、ごみ袋など必要経費ももちろん自己負担です。猫には喜ばれますが、地域住民から文句を言われてしまうかもしれません。地域住民から反対されてしまえば、餌やりは即中止です。
そうならないためにも、餌やりは地域住民の理解を得て行い、規則をきちっと守り、餌場での掃除を行うことは欠かせません。
例えば、ごみの集積場が汚れていたら、猫が増えるからごみが荒らされたと思う人もいるでしょう。そうならないためにも、餌場以外でも汚れていたらすぐ掃いたり、ごみを片付けたりと回りも目を配るようにしましょう。
餌やりで終わらせず、去勢までみてあげよう
餌をあげているだけでは、野良猫の餌やり問題はまったく解決しません。
餌場があれば、そこに猫が集まってきます。避妊手術をしていない猫が集まれば、あっという間に繁殖していきます。これでは、何の解決になりません。
餌をあげてある程度慣れてきたら、捕獲し避妊・去勢手術をし、その猫が天寿を全うするまで健康面から食事まで面倒見てあげる事が大切です。
まとめ
いかがでしたか。
野良猫が生きていくというのはとても大変な事です。餌がなければ、動けません、交通事故も心配です。しかし、だからといって、餌だけあげるだけでは不幸な猫達を増やすだけです。
野良猫だって大切な命です。増えたから殺処分なんてことは絶対にしてはいけません。
不幸な猫を増やさないためにも、餌やりのルールはしっかり守り、餌やりだけではなく、野良猫がどうやったら幸せに暮らしていけるのか、しっかりと見守ってもらいたいです。
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