生まれたての子猫を拾ったら?

猫の発情期は1月後半から9月上旬と考えられています。オス猫は発情したメス猫を見ればすぐに交配します。猫の妊娠期間は63〜66日。猫の出産は気候の良い3月から5月、10月〜11月に集中します。これからの季節、子猫に遭遇し、保護する機会も増えます。
お母さん猫と一緒に保護できれば、子猫のお世話はお母さんに任せておけば大丈夫。けれど何らかの理由でお母さん猫や兄弟猫からはぐれてしまった子猫を保護した時は、お母さん猫の代わりになるような育て方をしないといけません。
子猫の育て方①保温

生まれてすぐの子猫は、ほとんど皮下脂肪を持たないため体温を失いやすく、自分でうまく体温を調整することができません。お母さん猫がいれば子猫はお母さんのお腹の下に潜り込み、兄弟猫がいれば「猫団子」を作って体温を保ちますが、生まれたての子猫を保護した場合は、まず保温しなければなりません。
道端で子猫を保護したなら、タオルなどですぐに子猫の体を包んであげましょう。子猫を触る人の手が冷たいだけでも子猫の体温は奪われてしまいます。
次に、母猫の体温の38度前後の寝床を用意します。ペットヒーターや湯たんぽなどの暖房器具を使用しますが、低温やけどを防ぐため直接子猫の体に触れないように毛布などで覆うようにしましょう。
子猫の体温は出生時で34.7~37.2度、生後1週間で36.1~37.8度程度です。子猫が暖かさを選べるように、暖房器具がある場所とない場所をセッティングしてあげることも大切です。子猫にとって適切な室温は25度程度、湿度は55%程度です。
子猫の育て方②哺乳
生まれてから1週間までの子猫は2時間毎に1cc、2週間で3時間毎に10ccの授乳が必要です。お母さん猫がいない場合は子猫用ミルクを与えます。成猫用や人間用ミルク、牛乳は与えないようにします。濃すぎるミルクは下痢の原因になるので、説明書通りに調製します。
哺乳は猫用哺乳瓶を使用します。吸い込み口の穴の大きさは、哺乳瓶を逆さにしてポタリと一滴垂れるくらいにします。小さすぎても大きすぎても子猫がうまく飲めません。
吸い込み口を近づけると子猫は吸引反射で自発的にミルクを飲み始めるので、無理やり口の中に押し込める必要はありません。哺乳瓶を嫌がる子猫にはシリンジやスポイトで少しずつ口に垂らすようにして与えます。母猫の体温は38~39度ですが、ミルクはそれよりも少し温かい40度程度の方がよく飲んでくれます。
栄養不足による低血糖は子猫の死因の上位に位置します。寝不足になりますが頑張って授乳するようにしましょう。保護した子猫がぐったりしていて、子猫用ミルクが手元にない時は、砂糖水を与えましょう。低血糖状態を抜け出すことで子猫が生き延びる可能性は大きくなります。その後はできるだけ早く子猫用ミルクを与えてください。
子猫の育て方③排泄補助

通常であれば母猫が子猫の股間をなめることで子猫の排泄が促されますが、母猫がいない場合は人間が股間を軽くこすって排泄を促してあげます。
おしっこの拭き取りは哺乳の度に必要です。かなり大変な作業ですが、生後21日前後から人の手で刺激をしなくても排泄するようになります。
おしっこのふき取りは、汚れてもいいようにタオルや新聞紙を膝の上に置き、子猫のお腹を支えて下向きに保持します。濡れたコットンやティッシュなどで股間を10秒くらい軽くこすってあげると、薄黄色のおしっこが出てきますので、色が付かなくなるまでこの作業を繰り返します。
便のふき取りは24~36時間に一度行います。お腹を支えた時パンパンに張った感じがあるなら、肛門付近をおしっこと同じ手順でこすってみましょう。溜まっている場合は茶色~黄色でペースト状の便が出てきます。色が付かなくなるまで何度かコットンを換えます。便が緩すぎたり硬すぎたりする時は、念のため獣医さんに相談しましょう。
まとめ
生まれたての子猫の育て方は、離乳した子猫に比べると格段に難しく、飼い主さんも負担が大きいと思います。不安な時は獣医さんに相談するなどしましょう。
拾った子猫は感染症や寄生虫の心配があります。先住猫がいる場合、駆虫とワクチン、血液検査が終わるまで先住猫との接触は避けましょう。
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