直接?手につけて?色々な猫の水の飲み方とその理由
一緒に暮らしている猫は、ちゃんと水を飲んでくれているでしょうか?
もともと猫は液体を飲む動作があまり得意ではありません。人間や他の動物のように吸いあげたり喉に流し込んだりできないので、舌を使いますが、一度にたくさんは飲めません。
猫は舌先の表面だけを水に軽く接触させ、舌を後ろ向きに丸めます。すばやく舌を引き上げると、慣性力によって液柱ができます。そこでその柱が壊れる前に、顎を閉じて水を口の中に入れているのです。
中には、口を近づけて飲むという通常の飲み方とは違う飲み方をする猫も多くいます。猫は鼻が敏感で匂いや温度に対しても好みがあります。そのためか、個性的な飲み方をすると言えるでしょう。
◆水の飲み方①水道の蛇口から飲む

水道の蛇口から水を飲む猫をテレビやネットで見たことがありませんか。流れて落ちてくるところを飲むのが好きだという猫は多くいます。
なぜ流れている水を飲むのでしょうか?
それは、流れている状態に興味がある、好奇心から舐めるということが一番の理由かと考えられます。流れているので興味があって近づき、飲んで見たら美味しかった、ということかもしれません。
また、猫の嗅覚は人間よりもずっと優れているので、味や匂いも関係しているでしょう。人間にはわからないような、わずかな違いを感じているのです。
水の温度としてはぬるま湯が好きだと言われています。野生の時から食べていた、獲物の血の暖かさと近いからかも知れません。
◆水の飲み方②貯めてある水に手を入れて、手につけて舐める

手に水をつけてそれをペロペロなめる、という舐め方をする猫もいます。
この飲み方をする理由は、そのほうが猫にとって飲みやすいからとか、入っている量や深さを確かめながら飲んでいるなどの説があります。
実際、顔を近づけて舌で飲むのが好きではない猫は、前足につけて飲むことがあるようです。
また、水を前足で触ると面白くて遊んでしまい、その後濡れた足を舐めているだけという場合もあるようです。
◆水の飲み方③ペットボトルやコップの結露(水滴)をなめて飲む

冷えたペットボトルやコップについた水滴を舐めるのが好きだという猫もいます。また、窓の結露を舐めたり、キッチンのシンク、お風呂場などで水を飲んだりする猫もいるようです。
キラキラして面白いから、ペットボトルやコップの舌触りが好きだからなどという理由が考えられます。また、お皿から飲むよりも、舐め取る方が楽で飲みやすいから、ということもあるでしょう。顔を下に向けたり量を気にしたりせずに、舐めるだけで飲めるからです。
猫によって、好みの水の飲み方が違うことは、おかしいことではなくむしろ当然と言えるでしょう。匂いや味に敏感な猫にとっては、個体差があることが普通なのです。どのような状態でも、水分を摂ることができていれば、体調に関しては大きな問題はないと考えて良いでしょう。
猫は水をどれくらい飲んだらいい?
猫が1日に必要な水分の量は、体重1kgに対して40ml〜60ml前後と言われています。これは水だけではなく、食べ物から摂る水分も入っています。
個体差もありますが、1日に150ml〜250mlを目安として、できるだけ飲んでもらうようにしましょう。
猫は水をあまり飲む生き物ではありません。それは祖先であるリビアヤマネコが砂漠で暮らしていた名残だと言われていて、体内から排出される水分が少ないため、排泄する尿が少なくとても濃くなっています。ただ、そのために腎臓病の危険性や、凝縮された尿が原因で尿路系の病気にかかりやすくなっています。
現代の飼い猫は、水をしっかり飲んだ方が体には良いとされます。
猫が水を飲まない時の原因と対策法!
猫が飲んでくれない時にはどうしたら良いでしょうか?
砂漠に住んでいた祖先の名残で、もともと動物としては尿量が少ない猫にとっては、水を飲むことはとても大切なことです。飲む量が少ないと、病気にかかる可能性が高くなります。
かかりやすくなる病気として、腎臓病、膀胱炎、尿結石があります。どれも普段から水を飲ませるようにして予防したい病気です。
– 水を飲まない原因として考えられること –
・美味しくない、気に入らない
・入っている器が気に入らない(匂い、素材など)
・水が好きではない
・ウェットフードを食べている
・歳をとったために、飲みたがらない
・体調が良くない
水を飲ませるためには、これらの原因を取り除けば良いということになります。
◆美味しくない、気に入らない
水を新鮮なものに変えてみましょう。最低でも、一日一回は交換してください。
猫は温度にも敏感なので、好みの温度を見つけてあげましょう。ぬるま湯以外には、冷たくしてみる、氷を入れて興味を持たせてみるなどの方法があります。
ミネラルウォーターは、猫にとってよくない場合が多いので与えない方が良いでしょう。尿路結石ができやすい動物なので、カルシウムやマグネシウムが入ったミネラルウォーターは病気のリスクが高まるためです。
軟水であれば多少は大丈夫だと言われていますし、ペット用のお水や夏場であればスポーツ飲料も販売されています。成分をしっかり確認して与えましょう。わからない場合は、獣医さんに聞いてみると良いですね。
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◆入っている器が気に入らない(匂い、素材など)
入っている器にも、問題がある場合があります。猫の嫌いな匂いがしたり、器の広さが気に入らなかったり、飲みにくいためなどです。
この場合、器を一つ一つ変えて観察するのも良いですが、手間がかかります。
すぐに水分不足をなんとかしたい時には、まず器を複数置いてみましょう。飲む機会が増えれば、必然的に飲む量も増えることになります。その時に、器を変えて置いておけば、どの器が気に入っているのかを見つけることもできます。
器については、洗って綺麗なものを使うことは当然なのですが、洗剤の匂いや味が残っていて、飲まない場合もあります。汚れがひどくない場合は水やお湯洗いのみでも良いでしょう。洗剤を使った場合、匂いや成分が残らないように、しっかりゆすぐことが大切です。
また、置いてある場所が気に入らないという時もあります。落ち着いて飲めるような場所に水飲み場を作ってあげてください。
◆水が好きではない
水に興味を持ってもらうこと、飲むと美味しいということを覚えてもらう必要があります。
流れる水が好きな猫は多くいます。ペット用の流水給水器が売られていますので、これを使用する方法もあります。給水器を使う場合は、かえって水アカがたまりやすかったり傷みやすかったりするので、こまめなお手入れが必要です。
そのほか、氷を入れてみる、ぬるま湯にしてみるなど、いつもと違う条件にして与えてみると飲んでくれるかも知れません。興味を持って遊び感覚でも飲むようになれば、普通に飲んでくれるようになる可能性もあります。
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◆ウェットフードを食べている
ウェットフードを食べている場合、水をどのくらい飲んでいるのかを把握するのは難しいことです。ウェットフードの7割から8割ほどが水分だと言われていますので、水を飲まない猫にはむしろウェットフードをあげて対処することが効果的です。
ただ、水は常に飲めるようにしておいてあげるのはもちろんですが、ウェットフードをあげているからと安心しないでください。
フードを食べる回数を小分けにして増やすと、飲む水分量も増える傾向にあります。フードは食べるけど水をあまり飲まない場合には、ごはんの回数を増やしてみることも一つの方法です。
また、ウェットフードを食べた後に水を飲むと汚れやすいので、こまめに交換していつも新鮮で綺麗なものをあげてください。
ドライフードでも、1割〜1.5割は水分が含まれていますが、必ずいつでも水を飲めるようにしておくことが肝心です。
◆歳をとったために、飲みたがらない
加齢のために飲む行動そのものが面倒だということもあります。冷たい温度を嫌って飲まないということもあるでしょう。
歳をとった猫に対しては、水の種類や器、飲みやすさなどに、より気を使ってあげる必要があります。
また、首を下に下げるのがつらくなっているという事もあります。器の足部分が高くて、あまり首を下げなくても飲めるようになっている器を使ってみましょう。
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◆体調が良くない
すでに何らかの原因で体調を壊し、水を飲まないという場合もあります。
猫をよく見て、異常を感じたり、いつもと違うと思ったりしたら、早めに病院で診てもらうようにしましょう。
気づかないうちに病気にかかり、症状が出る頃には悪化しているということもありえます。特に問題がない猫でも、一度獣医さんで健康診断をしてもらうことをおすすめします。
まとめ
猫と水との関係はとても大切なものです。猫の飲む量を観察しているだけでも、好みや体調が悪いなどの変化に気づくことが出来ます。どのような水の飲み方をしても、しっかり水分を取ることが出来れば良いでしょう。
水を飲まないことでかかる病気については、症状がでた頃には手遅れの場合も多いので、異変を感じたらすぐに獣医さんに連れていく目安になります。
体重と1日の目安の量を基準にして、新鮮で綺麗な水を飲ませてあげて、健康な生活をさせてあげましょう。
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