肉食動物の猫と果物や野菜の関係

◆猫は肉食動物!
猫は元々は完全肉食系の動物で、ネズミなどの小動物を捕食して生きていました。えっ!?猫といえば魚じゃないの?と思われる方もいるかもしれませんが、猫の先祖が住んでいた地域は乾燥地帯で魚はいない場所だったのです。
肉食と聞くと肉ばかりで大丈夫なの?野菜や乳製品からの栄養が足りてないんじゃないの?と心配になってしまいますよね。
ですが肉食と言っても肉の部分だけを食べる訳ではありません。骨からカルシウムを得たり内臓からビタミンも摂取できるので、野菜などから補う必要が無かったのです。
現在は昔と違って技術も進み、栄養のバランスがとれたキャットフードが沢山開発されているので、猫が食生活の中でバランスを崩すことは殆どありません。
◆猫に果物は必要?
現在でも野生の猫達はそうして生きていますが、完全室内飼いの猫ちゃんはキャットフードから猫に必要な栄養分がきちんと補えていますので、基本的には他のものは必要ありません。
逆に食べ慣れていないものや、与えてはいけない食べ物と知らずにキャットフード以外のものを安易に与えると、体調を崩したりなんて危険性もあるので注意しなければなりません。
猫にとって野菜や果物は必ず必要なものではありませんが、水分補給などの補助になる場合もあります。与え方や分量を充分注意した上で与えるようにしましょう。
●猫と魚についての記事はコチラ

食事は猫ちゃんの健康管理の一番の要素。良い素材のものを与えたいですね。 「猫ちゃんの大好きな魚を食べさせよう!」 こんな風に考えてしまう方は多いのでは? 実は「猫は魚が好き」という認識、あまり正確ではないのです。そしてちょっと危険なことも・・・。

愛猫と一緒に食べられる秋の果物

猫に栄養面の意味では果物を与える必要はありませんが、秋の果物を一緒に楽しみたいと思われる方もいらっしゃると思います。愛猫と一緒に食べられる美味しい秋の果物をご紹介します。
◆梨
秋の果物と言えば梨!殆どが水分である梨は、猫が食べても危険性のない果物です。食欲がない時や水分補給の為には害もないのでいいと思います。食べたがらないなら無理に与える事は避けた方がいいですが、与える際には食べやすいように小さく切るか、すりおろすなどして与えましょう。
◆りんご
りんごも秋になるとよく見かけるようになる果物の一つですね。こちらも梨と同様に猫に与えても問題のない果物です。
ただし、猫はりんごに多く含まれている食物繊維を消化するのが苦手で、与えすぎると下痢などの症状を表すこ場合もあります。りんごを与える際は、猫の体に合わせた量を小さく刻んで与えるようにしましょう。
また、種や葉にはシアンなどの有毒な物質が含まれていますので、絶対に与えないようにしましょう。
◆栗
栗も秋の果物の代表ですね。栗は脂質が少なく、食物繊維とミネラルが豊富なので、火をしっかりと通して実の部分を与えるならOKです。
ただし、炭水化物の消化が猫は苦手なので、あまり与えると消化不良を起こしてしまう危険性があります。食べやすいように柔らかく煮て、少量にしておきましょう。
◆みかん
みかんは秋から冬にかけて昔から日本人に親しまれている果物です。みかんにはビタミンが豊富で猫には皮をしっかりと剥いて筋も綺麗にとって与えてあげれば食べさせても大丈夫です。
気をつけなければいけないのは皮です。皮が実についた状態のまま与えてしまうと、皮に含まれるリモネンという成分を猫は代謝できず、手足の震えや嘔吐を引き起こす可能性があるので注意しましょう。
これらの秋の果物は猫に与えても危険ではないとされています。ですが、与え方を誤ったりすると愛猫が体調を壊しかねないので、無理には与えずに欲しがった場合は量や与え方などを調節してみて下さい。
それから猫に果物や人間の食べ物を与える際に1番気をつけなければならないのが、猫が食べると病気や死に至る事もある食べ物があるという事です。知らずに誤って与えてしまったなんて事を防ぐ為にも代表的な食材をご紹介させて頂きます。
猫に与えてはいけない果物、野菜、その他
逆に猫に与えると危険な食べ物も存在します。キャットフードだけを与える事で徹底していれば問題ありませんが、野菜や果物、その他与えてしまうと危険を伴う食材も知っておきましょう。
◆玉ねぎ(ねぎ全般、にんにく、らっきょう、ニラなどユリ科のもの)
玉ねぎに含まれる成分のアリルプロピルジスルファイドは猫にとって有害で、こちらは加熱しても破壊できません。
赤血球のヘモグロビンを壊してしまうので、下痢や嘔吐など分かりやすい症状の他、貧血や黄疸や頻脈、場合によっては死に至るケースもあるので絶対に与えないようにしてください。
◆ほうれん草
ほうれん草にはシュウ酸が含まれています。猫の体内のカルシウムとの関係で尿結石になってしまう恐れがあります。
◆アボカド
アボカドに含まれるペルシンという物質は人間以外の動物は中毒症状を起こす危険性があります。痙攣や呼吸困難などを伴うこともあるので与えてはいけません。
◆ぶどう(レーズン、プルーン)
猫に与えると危険かどうかはまだ立証されていないようですが、犬での臨床報告では嘔吐や肝機能障害をもたらす事もあるそうです。死に至る事もあるようなので、猫では定かでないとしても与えない方が賢明です。
◆チョコレート
チョコレートの原料となるカカオに含まれるテオブロミンという物質は猫にはとても危険です。嘔吐や下痢の他痙攣や呼吸困難を引きを起こす可能性があるので、手の届く位置に置かず、きちんと管理して下さい。
◆アルコール
猫の肝臓は人間と違い、アルコールを分解出来ません。内蔵の機能に障害をもたらす可能性もあるので、匂いなどを嗅いで興味を示してきても面白がって与えたりするのは絶対にやめましょう。
◆イカ
昔から猫がイカを食べると腰が抜けると言いますが、イカに含まれるチアミナーゼとゆう物質はビタミンB1を分解する酵素を多く含みます。それによってビタミンB1欠乏症を引き起こす事があり、症状が進むと瞳孔が開き真っ直ぐ歩けずフラフラになるなどの症状があらわれます。欲しがっても与えないようにしましょう。
◆アワビ
猫にアワビを食べさせると耳が落ちると聞いたことはありませんか?これはアワビに含まれるフェオフォーバイドという物質が原因で皮膚炎を起こし、耳など皮膚の薄い部分にたどり着くと取れてしまうほどの炎症になってしまう事からです。猫に与える機会はなかなかないかもしれませんが知っておいて損はありません。
◆カフェイン
コーヒーやお茶に含まれているカフェインですが、人間はコーヒーを飲むと目が覚めたり頭が冴えますよね。これはカフェインがもたらす興奮作用からなるものですが、体の小さい猫には強すぎます。コーヒーはもちろん、お茶などもテーブルの上にそのままにしておくと飲んでしまう可能性があるので注意しましょう。
◆人間用の牛乳
牛乳にはラクトースという乳糖が含まれていますが、それを分解するラクターゼが元々不足している人もいます。牛乳を飲むとお腹を下す方などが該当されます。猫も同じくお腹を下してしまう可能性があるので、ミルクは猫専用のミルクを与えて下さい。
◆生の豚肉
生の豚肉は人間にとっても危険です。トキソプラズマという寄生虫の感染源で、猫に誤って与えてしまった場合、その嘔吐物や排泄物から人間にも感染する危険性があります。豚肉を与える際には充分に加熱してから与えるようにしましょう。
◆香辛料
人間にはスパイスとして親しまれる香辛料は、猫には刺激が強すぎます。タバスコやトウガラシ、カレーやこしょうなどは内臓障害や胃腸炎などを引き起こす可能性も。反応を面白がったりして与えるのは絶対にダメです。
これらの他にも猫には危険な食べ物が沢山あります。
人間用の甘いお菓子(ケーキやプリンなど)は糖分が多過ぎて虫歯の原因にもなりますし、人間用のお魚の切り身やジャンクフードなどは塩分過多になります。
猫はキャットフードで充分栄養が補えているので人間用の食べ物を与える必要はありませんが、どうしても愛猫が欲しがる場合や、一緒に楽しむためにお裾分けしたいと考えた場合、与える前に猫に与えても危険がない食べ物なのかきちんと調べてからにしましょう。
愛猫と秋の果物を楽しもう
愛猫が美味しそうに食べている瞬間は、飼い主側も微笑ましいものですよね。ですが危険に晒してしまっては元も子もないので、与える食べ物には充分注意して素敵なにゃんこライフを送ってください。
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