謎の水たまり、実は…
帰宅すると家の中のどこかに複数の小さな水溜りを発見するようになってから2~3日経った日のこと。
娘の部屋を見上げてうずくまるそらさんのそばに座っていました。暫くしてカタカタ、という音でそらさんに目をむけると…。
そらさんが震えていました。瞳孔が開き、顔がビクビクと痙攣し、目に見えない何かに怯えるように何度も後ろを振り返ります。そして口からは驚くほど大量の唾液がポタポタと垂れていました。家中にあった水溜りはそらさんの唾液だったのだと気付きました。水溜りの数イコールそらさんの痙攣の回数だったのです。
震えて怯えていたそらさんは、すぐに走って逃げて行きました。そらさんの居た場所はベタベタに濡れていて臭いました。そらさんはこの時失禁していたのです。
てんかんだった
初めてそらさんの発作を目撃した時点ではまだ他の病気を疑っていました。脳の障害や泌尿器系の病気、娘が居ないストレスによる異常行動…。
けれどすぐにその考えは否定されました。何度かの痙攣発作の後、そらさんがついに大きな発作を起こしてしまったからです。
二階の寝室で休んでいた時、下から何かが猛スピードで駆け上がってくる気配がしました。あちこちにぶつかりながら寝室に飛び込んできたのはそらさんでした。寝室の壁に沿って家具にぶつかりながらぐるぐる走り回って、そらさんはバターンと倒れました。四肢が空を搔き、フッフッと息は荒く、体や頭は痙攣しながらドンドンと床に打ち付けられています。
私は呆然と見ていることしかできませんでした。一方で「ああ、そらさんは、てんかんなんだな」と冷静に考えてもいました。
そらさんの症状をネットで調べると必ずヒットする「てんかん」という病気。認めたくなくて、もしてんかんであっても年に数回のことかもしれないという思いもあり様子を見ていたのですが、もう猶予はないな、と発作の治まったそらさんを抱き上げて思いました。
そらさんが可哀想で、早く病院に連れて行かなかったことが申し訳なくて、泣きました。
治療開始
翌日、仕事を休んで朝一番にかかりつけの病院へ。
診察中にそらさんが小発作(部分発作と言います。脳の一部分で電気的ショートが発生した時に部分発作が起こります)を起こしました。
発作時のそらさんの状態を観察した先生は、今までの診察履歴ですでに血液検査等で内臓等に異常がないことを確認していたこともあり「てんかん様発作」ではなく「てんかん発作」と診断。すぐに投薬治療が開始されました。
抗てんかん薬のフェノバールが処方され、6mgを1日2回服用。薬の血中濃度が上がるまでは何回か発作が起こるかもしれない、もしかしたら薬の効果が得られないかもしれないと言われていましたが、そらさんの場合、服用を開始すると直ぐに発作は治まりました。
安心する反面、いつ再発するかヒヤヒヤの毎日。帰宅して一番にすることはそらさんの状態チェック。
お尻を触り、失禁していないことを確認。家の中に発作の痕跡がないか確認。発作の前兆がないか確認。そらさんの不安を解消するため、祖母宅にいた娘にも帰ってきてもらいました。
そらさんは薬の効果か1日中うつらうつらとしていました。
てんかん発作が起こったら
突然ペットがてんかんの発作を起こしたら飼い主さんはとても驚くことと思います。実際、私は血の気が引く思いで何もできないまま見ているだけでした。全身を痙攣させ、唾液を垂らし、失禁するそらさんはショッキングでした。
発作を起こした時、飼い主さんは何をすれば良いのか?病院の先生に教えてもらいました。
まずはペットの頭や体が家具などに打ち付けられないよう保護する。
嘔吐があった場合は窒息しないようにする。
以下のことを観察する。
・発作を起こした時、何をしていたか
・発作の強さ
・何分くらい続いたか
・発作が治まった後の状態
・発作を起こす前に何か変わった様子があったか
発作の前兆として、落ち着きがなくなる、そわそわする、隠れて出て来ない、やけに甘えてくる、などの行動があるようです。
治療開始から1か月、血液検査で肝機能低下が認められため薬の量を調整する必要がありました。発作の再発もないので問題ないと思っていました。
けれどそらさんの「てんかん」は終わりではありませんでした…。
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