ノミって?
ノミは体長1~2mmの小さな虫でハエや蚊に近親な小さな虫です。しかし動物の体について吸血をし、様々な病害をもたらす外部寄生虫です。
種類は多くありますが皆さんがワンちゃんを飼われていて問題となるのは、イヌノミ・ネコノミです。特に野良猫を中心に拡がっているネコノミはワンちゃんや人にも寄生・吸血し、大きな問題となっています。
ノミは、外気温が13℃を超すと活動・繁殖をはじめ、20℃を超すと非常に猛烈な勢いで増えていきます。通常ノミのメスは、一日に20~30個、生涯に400~500個の卵を産卵するといわれています。
ダニって?
ここでいうダニとはマダニ類のことで、家にいる微小ダニ類とは種類が異なります。
8本の足を持ち昆虫ではなくクモやサソリと近親です。
マダニは世界に800種以上が生息するといわれ、うち国内に数十種、さらにワンちゃんへ感染するものは約種類と言われています。ノミとは違い、草木など茂みの多い自然環境化に生息し、寄生相手の動物が来ると体表を移動して皮膚の薄くやわらかいところに食いつき吸血します。十分に血液を吸うと皮膚から落ちて脱皮して再度寄生します。成ダニになると十分に吸血して皮膚から落ちて産卵をします。これが3000~4000個といわれ、条件の良い温暖な時期には、大発生するようになります。

ノミやダニが寄生するとどうなるの?
ノミやダニは、寄生すると皮膚を刺傷し吸血します。
ノミが刺傷した部位は炎症を起こしたり、腫れたりして強い痒みが出ます。特にノミは痒みが強く、自分で掻くことで皮膚炎を起こしていきます。また繰り返しの寄生により、ノミに対してアレルギー反応が起こり、一匹の寄生でも全身に湿疹ができて、さらに強い痒みが生じます。
マダニは、皮膚の薄くやわらかい場所に刺入して吸血しますが、吸血中に離れないようにかなり強固に食いつきます。このため吸血した後は強い炎症と腫れが残ります。
またノミやダニは多数寄生すると貧血を起こすこともあります。
これらの症状はノミ・マダニとも直接吸血することで起こす病害ですが、そのほかにウイルスなどの病原微生物の運び屋として様々な病気の原因になります。
ノミは、瓜実条虫(サナダムシ)といわれるお腹に寄生する寄生虫を運びます。この寄生虫は全長最大50cmくらいになり、お腹の中で栄養を横取りするため栄養失調を起こしたり、痩せて毛艶が悪くなったりします。
マダニは、ウイルスやリケッチアなどの病原微生物によるダニ熱やヘモバルトネラ症という赤血球に寄生して貧血や発熱を起こす寄生虫病の原因となります。
どうすれば予防できるの?
現在は、月に回首筋に滴下するスポットタイプの薬剤があります。
時期は、ノミが活動してマダニ類も活発に増殖しだす3月下旬から4月上旬(地域によって異なりますが一般的に桜(ソメイヨシノ)の開花時期くらい)から始めて平均気温がノミ・ダニの活動気温を割り込む12月初旬くらいまで続けることが推奨されます。
ただし一度寄生してしまうと家の中では一年中ノミ・ダニの活動気温になる場所が何ヶ所もありますので、1年中予防する必要があります。
またノミの寄生は、その他の皮膚病の悪化要因のひとつとも考えられています。特にアレルギー・アトピーなどの疾患を持っている場合は、通年予防することをお薦めします。
とにかくノミ・ダニは寄生させないこと、繁殖させないことが大切になりますので、適正な時期に積極的に予防をしましょう。
