覚えておきたい犬のコマンド!あなたはいくつコマンドできる?

2019.01.13

覚えておきたい犬のコマンド!あなたはいくつコマンドできる?

飼い主さんの指示に従えるようにしつけをするのは、愛犬が安全に暮らせることにも繋がります。 今回は、しつけのカギを握る「コマンド」をいくつかご紹介しつつ、しつけの大事さについてじっくり考えいきます。

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ワンちゃんとの生活には「しつけ」が欠かせないもの

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人間と一緒に生活する犬にとって、人間界のマナーはとても大切です。
愛犬が過ごしやすくするため、また危険な目にあわないようにするため、「こうすればいいのだよ」「こんな行動は危ないのだよ」と教え込む必要があります。

それが“しつけ”です。

しつけをするまえに必要なのが、犬と人間との間に「信頼関係を結ぶこと」です。

◆「飼い主さん=信頼できるリーダー」と位置付けてもらおう

人間と一緒に生活する犬にとって、飼い主さんが「リーダー」となることが重要。

もともと野生で集団生活をしていた歴史がある犬たち。
彼らには、「集団のなかのトップ」が存在していました。
みんなから「リーダー」として一目置かれ、行動ひとつひとつに指揮を取る役割ですね。
リーダー以外の犬は、「信頼できるリーダーの指示に従っていれば安心」という認識のもと、リーダーの指示に従って生きていきます。
野生界でのリーダーは、みんなの統制を取る重大なポジションです。

ペットとなった犬にとってのリーダーは、飼い主さんでなければなりません。
仮に、ワンちゃんが飼い主さんをリーダーとして認識しなければ、「自分がリーダーなのか?」とピリピリとした神経で過ごさなければならず、そのプレッシャーはかなりのもの。
本来、愛情をかけて育てられるはずのペットなのに、のびのびとした気分で生きられなくなってしまうかもしれません。
愛犬が穏やかに安心してくらせるように、飼い主さんが安全を守るリーダーになってあげましょう。

◆リーダーと思ってもらえなければ…?

飼い主さんと愛犬との間で大事なのは、主従関係です。
「主従」というワードを耳にすると、なんだか「犬を圧迫した気分にさせているのでは?」「命令するのは可哀相…」などと思うかもしれません。

でも、主従関係ができていないと、犬が自由に行動するようになり、結果的に犬を危険にさらす恐れも。
家のなかで飼い主さんに威張ってしまうのは日常的、外に行けば「通行人に飛びつく」「他のワンちゃんを威嚇する」など、問題行動を起こしたときに飼い主さんがコントロールできなくなってしまうでしょう。
このように「リーダーと認識してもらう」というのは大切なことなのです。


コマンドとは?代表的な「コマンド」を覚えておこう

犬 コマンド

“コマンド”とカタカナで言われると分かりにくいかもしれませんが、簡単に言うと「犬に伝える飼い主さんからの指示」のことです。
代表的なものが「マテ」「スワレ」「フセ」などで、コマンドを伝えて服従させられるようになります。

ここでは、犬のしつけで覚えておくと安心なコマンドをいくつか紹介していきます。

◆その1:『マテ』『ステイ(stay)』

食事タイム、遊びタイムなど、犬達には我を忘れて行動したくなるときがあるでしょう。
ごはんを準備しようとしたら、食べたい衝動が強すぎて飼い主さんの方に突進してくると危険ですよね。

それに、ドッグランに行って興奮し過ぎて「わーい!」と突然走り出すと、周囲の人間や犬たちにぶつり迷惑がかかってしまうかもしれません。
そんなときに覚えておきたいのが「マテ」の命令です。
「マテ」というコマンドを愛犬に伝えれば、ワンちゃんは行動をせずにずっと黙っている状態。
犬の行動にブレーキをかける意味合いもあります。

走り出そうとしたときに「マテ」と言えば、犬は止まってくれます。
突然興奮して走り出す好奇心旺盛なワンちゃんをコントロールするときに役立つコマンドです。

◆その2:『オスワリ』『スワレ』『シット(sit)』

犬へのコマンドのなかでも、初級編的なものが「オスワリ」でしょう。
「オスワリ」と指示すれば、両方の後ろ足をたたんでお尻をつけるスタイルでじーっと待ってくれます。

食事のときには、一度「オスワリ」をさせて落ち着かせてから、「マテ」で待たせることも多いでしょう。

道路で飼い主さんと歩いているワンちゃんが、ちょっと立ち止まったときにオスワリしているシーンを見かけることもありますよね。
表情は、とても落ち着いていて安心しているかのようにも見えます。
オスワリで腰を落とせば、興奮状態の気持ちが自然に落ち着くのかもしれませんね。

オスワリを覚えさせると、家のなか、外出先のあらゆるシーンで役にたちます。
基本中の基本…のコマンドとして、初めに覚えておくといいかもしれませんね。

◆その3:『フセ』『ダウン(down)』

「マテ」「オスワリ」とセットで使われることが多いのが、「フセ」。
言葉通り、犬を地面に伏せたスタイルになることを指示するコマンドです。

家で食事をさせるときに、「オスワリ⇒フセ⇒マテ」という流れですぐに食べさせないしつけをしている飼い主さんも多いのではないでしょうか。

実は、この“伏せポーズ”は、ワンちゃん的には楽な体勢なのだとか…!
確かに、お腹部分を床にベッタリつけたポーズなので、長く待たされても負担が少ないのかもしれませんね。
公共の場面で「その場から動いてもらいたくない」「ちょっと長く待ってもらいたい」などのシーンでは、愛犬の体に負担をあまりかけなくても済むでしょう。
特に、動物病院などで黙っていてもらいたいときに役立ちそうですよね。

◆その4:『おいで』『カム(come)』

遠く離れているワンちゃんを飼い主さん側に呼び寄せるときに役立つコマンドが「おいで」です。
よほど大きな家だったり、広い庭だったりなどでない限り、家のなかではあまり使う機会はないかもしれません。
「愛犬の名前を呼べば来てくれる」ということも多いものですよね。

でも、リードを外して遊ばせるドッグランに頻繁に行くのであれば、このコマンドを覚えておくと安心です。
遠くからでも飼い主さんの声を察知し、シュッと戻ってこられるようにするのが理想です。

◆その5:『ハウス』『ケージ』

家のなかでは欠かせないコマンドと言えるでしょう。
留守番させるときには、ケージやサークルなど「犬専用のスペース」に入ってもらうスタイルをとる飼い主さんも多いかと思います。
「ハウス」と言ってケージに入ってくれる犬にしつけると外出時にスムーズになります。

来客があってケージに入れたいとき、部屋の掃除機をかける、家具を動かす…など、犬が落ち着ける場所に誘導するため「ハウス」を覚えておくと安心ですね。

また、寝るときにも「ハウス」と言えば、ワンちゃんは自分の居場所でリラックスして眠れるようになります。

◆その6:『ヨシ』

「マテ」「オスワリ」「フセ」などの待たせるポーズから、「動いてもいいよ」の合図が“ヨシ”です。
特に、食事のときによく使いますよね。
「飼い主さんからのOKサインがないと食べられない」と思わせることができます。

◆その7:『ダメ』『イケナイ』『ノー(NO)』

「ヨシ」が愛犬の行動を開放するコマンドであるのに対し、「ダメ」は制止する言葉。
「マテ」と同じように、ワンちゃんが急に興奮したときに使えるコマンドです。

ただし、「ダメ」というワードは訓練でどうにかなるというよりも、本当にやってはいけないことをしたときに現行犯で叱らないと覚えられない言葉。
タイミングを間違えないように、覚えさせていきましょう。

また、ワンちゃんの名前で叱るのはNG。
「○○ちゃん!」と大きな声で叱れば、自分の名前を呼ばれるのがマイナスイメージに繋がってしまいます。

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◆その7:『お手』

「お手」は、どちらかというと芸に近いコマンドかもしれません。
犬の芸のなかでも入門編的な動作と言えるでしょう。
飼い主さんが手を差し出すと、犬は自分の前足をちょこんと乗せてきます。
とても可愛らしいポーズですよね。
愛犬と握手をしているような気持ちになり、幸せ気分も高まりそうですね。

「オカワリ」も「お手」とセットでよく覚えさせる芸のひとつです。
どちらかの手で「お手」をさせ、「今度は他の手を差し出してね」という指示が「オカワリ」です。
「絶対覚えた方がいい」というものではありませんが、応用編としても使える動作。
散歩から帰宅したときに、「お手」で足を手のひらにあげてもらえば、サッと拭いてあげられますね。

◆その8:『持ってきて』『持ってこい』

遠くに投げたものをワンちゃん自身に持ってこさせるコマンドが「持ってきて」です。
これも、遊びの延長線上として役だつコマンド。
ボールやオモチャを取ってきてくれるようになるでしょう。

この指示が聞けるようになれば、愛犬とのコミュニケーションの幅がかなり広がるかもしれません。
上達すると、オモチャ以外のものも取ってくれるようになるかもしれませんね。

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コマンドを覚えさせるときのポイント

言葉の通じないワンちゃんへコマンドを教えるのは、簡単にではありません。
ただ、飼い主さんがポイントをおさえておけば、しつけも楽しみながら行えます。

◆スキンシップ好きな犬にする

コマンドを教えるときには、ワンちゃんの体に触れて覚えさせることもあります。
「オスワリ」「フセ」などは、愛犬の体を座らせるように覚えさせます。
そんなときに、「触らないで」と拒否されるとコマンドを覚えるどころか、噛まれるリスクもあるかもしれません。
触られるのが苦手とならないように、スキンシップを日常的に取り入れましょう。

◆コマンドの言葉は家族間で統一しよう

さきほど、いくつかのコマンドを紹介しましたが、さまざまな指示の出し方があります。
座らせようとすれば、「オスワリ」「スワレ」と日本語で伝えてもいいですし、「シット」と英語で伝えてもいいでしょう。
ケージに入ってもらうときも「ハウス」「ケージ」など、いろいろなパターンがあるでしょう。

ただ、大切なのは「ひとつの決まったワードにする」ということ。
家族間で「お父さんやお母さんは日本語で指示しているのに、子供達は英語で指示」となれば、犬はパニックになってしまいます。
英語・日本語や言葉の伝え方など、家族みんなで統一したコマンドを出してあげましょうね。

◆ご褒美の与え過ぎに注意しよう

犬がコマンドを覚えるためには、何度も何度も行うことが必要です。
そんなときに使うのがオヤツなどのご褒美。
ただ、オヤツを与え過ぎるとワンちゃんの肥満の心配も出てきます。

オヤツは、カロリーが高くないものを用意し、一日の摂取量を守るようにしましょう。
オヤツをあげすぎた分は、その日に食べるドッグフードの量を調節もして、カロリー過多にならないようにしてみてくださいね。

◆長時間教え込まない

犬の集中力が切れたのに教え続けると、犬にとっては苦痛です。
覚えてくれるどころか、ちょっとしたストレスで参ってしまうでしょう。
1回10~15分程度という短時間で切り上げることがコツです。
「今日はできなかったから明日ね」というように、時間をあけてチャレンジしてみてください。
続けて長く訓練するよりも、気持ちが切り換えられて覚えてくれるかもしれません。
愛犬が飽きていないか、疲れていないかを確認しながら、上手に時間配分していってくださいね。


まとめ

いかがでしたか?
しつけは、飼い主さんとしてのマナーであると同時に、「愛犬を危険に巻き込まない」「人間社会で幸せに暮らす」ということにも繋がっています。
そんなしつけのカギを握るのが「コマンド」。
コマンドを覚えておけば、いざというときに愛犬を守ることもできます。

とても賢い犬たちですが、飼い主さんとの信頼関係があってこそ覚えられるもの。
「一緒に楽しく遊ぶ」「可愛がる」「しつける」「叱る」「褒める」など、メリハリをつけてふだんから“絆”を深めていってくださいね。



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笹本 雅

笹本 雅

犬が好きです。小型犬でも大型犬でもとにかく犬が大好きです。これから犬種についてや豆知識や健康についてなど、幅広いワンちゃんについての情報をご提供していきます。犬好きの方にぜひとも見ていただいてご意見いただければと思います!

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