今話題になっている「無麻酔歯石除去」っていいの?

2015.07.15

今話題になっている「無麻酔歯石除去」っていいの?

重要な病気として「歯周病」がありますが、歯石を取る方法は2種類あります。 この2つの方法は「メリット」もあれば「デメリット」もあります。 一体どんな事なのか…ご説明しましょう。

最近では犬も高齢化社会を迎え、様々な病気と向き合わなくてはいけなくなりました。
例えば、心臓病、腫瘍などが増えた事。
そして…もう一つ、重要な病気としては「歯周病」です。
「歯周病」の主な原因は歯石によるものと言われています。

では、歯石を取る方法とは、どんな事があるのでしょうか?
現在では2種類の方法があります。
この2つの方法は「メリット」もあれば「デメリット」もあります。
一体どんな事なのか…ご説明しましょう。

無麻酔歯石除去

メリット

麻酔をかけないでできることが最大のメリットです。

デメリット

  1. 歯の裏側など歯石を全部取りきれず、歯周病や口腔内腫瘍を見逃す恐れがある
  2. 知識がないと歯石を取る際に、顎の骨などを折ってしまうことがある
  3. 保定など体制を維持しなければいけないため、体への負担がかかる
  4. 鋭利な機材を使用するため、歯の表面を傷つけ、歯石がつきやすくなることや歯肉の炎症をまねく

麻酔による歯石除去

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メリット

  • 歯石を取る際に、奥歯や歯の裏側など隅々まで観察でき、病気を見逃さない
  • 超音波スケーラーを使用し、歯を傷つけずに歯石除去を行う事ができる
  • 歯周病になっている場合は、歯周ポケットと言う歯の根っこに問題が生じている事が多く、その部分の消毒などを行う事ができる。
  • デメリット

    麻酔の危険性を考慮しなければならない

    まとめ

    歯周病を治すということをしっかり考えるのであればやはり麻酔は必要不可欠な事がわかり、無麻酔での歯石除去はデメリットが多い事がわかります。
    知識がないまま歯石除去を行う事は危険です。
    目の前の事だけではなく、総合的に判断する事が必要です。
    もちろん歯石を付かないようにする歯磨きはとても大事ですので、毎日行う様にしましょう。

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    Dr.佐藤 貴紀

    Dr.佐藤 貴紀

    幼い頃から大の動物好きで、獣医を志す。 麻布大学獣医学部卒業後、西荻動物病院、dogdaysミッドタウンクリニックにて副院長をつとめる。 また、獣医生命科学大学内科学教室において循環器を主に学ぶ。 2008年7月に「白金高輪動物病院」開業。 2011年4月に「中央アニマルクリニック」開院。 専門は「循環器」。全国に約60人しかいない(2013年5月現在)「日本獣医循環器学会認定医」の一人。 専門外来を特徴とし、確定診断にもこだわり、かかりつけ医を推進している。 誠実でやさしい人柄と確かな技術に惹かれて、全国の飼い主さんから相談が絶えず寄せられている。

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