動物看護師をしていて感じた事

2015.11.23

動物看護師をしていて感じた事

動物看護師として働いてたくさんの病気のワンちゃんや飼い主様に出会い、私自身愛犬との向き合い方が変わりました。 今回は動物看護師をしていて感じた事をお話したいと思います。

診察室

トイ

動物病院で働いているとあたりまえですが毎日病気のワンちゃんが来院します。
私は動物看護師として、お耳の悪い子が来院すれば耳を洗浄する準備をして診察室へ行きワンちゃんを押さえます。
先生がお話をしている時は飼い主様がゆっくり話を聞けるように横でワンちゃんを抱いています。
診察が終わったら先生がカルテを書いている間に掃除をして次の診察の準備をします。
病気のワンちゃんを間近で見て先生の話しを一緒に聞ける診察室は私にとっては看護師としてとても勉強になる場所でした。
しかしそんな診察室に行くのがとても気が重く嫌な時もありました。

検査の結果が悪かった時。特に癌だと伝えなければいけない時は私も胸が締め付けられる想いでした。
こんな時診察室に入るのがとても憂鬱です。
説明が始まると、飼い主様の顔がどんどんこわばっていき、言葉を失ってしまう方、涙される方、信じられないという様子の方。
診察室には重い空気が流れ飼い主様の辛い気持ちが痛いほど伝わってきます。
手術をして治る見込みのあるワンちゃんなら、それからの治療について説明をしますが、
時には見た目はとても元気そうに見えるワンちゃんなのに余命宣告をしなければならないという状況もありました。
これからワンちゃんが苦しまない為にどのような処置をしていくか相談します。こんなに悲しい事はありません。
私も犬を飼っているので飼い主様の気持ちがよく分かります。横で聞いているのがとても辛く、今腕の中にいる元気そうなワンちゃんが死んでしまうかもしれないなんて…と思うと耳を塞ぎたいとさえ思いました。

様子を見ようは危険

私自身、病院で働くまでは愛犬の様子が少し位おかしいなと思っても様子を見ようと思ってしまった事もありますが、元気そうに見えるのに癌に侵されている子もいるという事や、様子を見てしまい危険な状態になってしまった子を見て、やはりいつもと違う事があればすぐに病院へ行くべきだと思うようになりました。
ワンちゃんの体にできた小さな吹き出物。「こんなのが??」と思うけれどそれが悪い腫瘍だったりもするのです。
少し神経質のように感じるかもしれませんが「もっと早く病院へ行っていれば・・・」とあとから後悔したくないですよね。
そのままワンちゃんが亡くなってしまうような事があったら飼い主様はそれから先ずっとこの後悔を想い出して辛い想いをする事になってしまいます。
それまでのワンちゃんとの楽しかった想い出も悲しい物になってしまう事でしょう。
言葉の話せないワンちゃんだからこそきちんと診察しなければ分からない事もあります。
ほんの少しでも「あれ?」と思う事があったらすぐに病院へ行きましょう。
きっと「あの時病院へ行かなければ良かった」と後悔する人はいないと思います。
何でもなくても、何でもない事が分かれば安心ですよね。

最後に

パグ

看護師として毎日病気のワンちゃんを見ていると今愛犬が元気で私の側にいてくれる事が当たり前ではない事なのだなと感じました。
病気ではなくても年齢を重ねていけば、いつか目が見えなくなるかもしれない、耳が聞こえなくなるかもしれない、毎日楽しみにしていたお散歩に行けなくなる日が来るかもしれない。
そう思うと今一緒にいる1日1日がとても大切な時間に思えてきます。
毎日一緒にいるとそれが当たり前でずっと続く時間のように思ってしまいますが、ワンちゃんの方が先に旅立ちます。
元気でいられる今のうちに楽しい想い出をたくさん作って、愛犬にとって充実した毎日を送りたいと思います。


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おぎゆみ

おぎゆみ

子供の頃から動物が大好きで動物関係の専門学校で数々の資格を取得後、動物病院で看護士兼トリマーの仕事をしていました。 飼い主さんとペットが毎日楽しく幸せに暮らしていけることを願って、私の持っている知識、経験を元にいろいろな情報を発信していきたいと思います。

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