腎臓で尿をつくり、体の外に老廃物として押し出すことは、健康な体づくりのために重要です。また、水分量の調節だけでなく、血液の濃度や血圧を調節したりもしますから、腎臓の機能が悪化すると貧血や脱水を引き起こしてしまいます。また、腎臓が正常に働かないことにより、老廃物が体の内部に溜まり、他の病気のリスクも高めてしまいます。
基本的に総合栄養食と新鮮な水があれば、生きるために必要な栄養は確保できます。新鮮な水をできるだけ多く飲ませてあげたいものです。また、塩分の高いおやつをあげすぎると、塩分過多で腎臓機能が悪くなるので要注意です。
●腎臓病の治療費ってどのくらい?
腎不全となり4~5日入院すれば、それだけで10万円は超えてしまうようです。また、退院した後にも通院するとなると1回の受診について、数千円程度かかります。
全体的に見ると、15万円前後と考えられます。
皮膚病
愛猫がなんとなく体を痒がっている、毛が抜けてきた、皮膚に湿疹が出てきた・・・などの症状があれば、皮膚病の可能性があります。
●生きていく上で大事な皮膚
体全体は皮膚でおおわれています。皮膚は体の表面を保護し、体温を調節するのにも機能を果たしています。
皮膚がなければ体内に異物が侵入しやすくなることから、ウイルスをシャットアウトする意味でも皮膚は大事です。
●皮膚病にはどんな症状がある?
常に外界にさらされているので、さまざまな原因により皮膚病を発症することがあります。猫の皮膚病で多いのが、「膿皮症」「ノミアレルギー性皮膚炎」「アトピー性皮膚炎」「皮膚真菌症」などです。
●皮膚病の治療費ってどのくらい?
皮膚病の場合は、入院とはならず通院のみで治療ができるでしょう。症状によって変わりますが、炎症部分への薬の塗布をしてもらったり、飲み薬を処方してもらったりするのが一般的です。皮膚病の症状が結構進んでいる場合には、通院日数も長くなります。
1回の受診につき4000~5000円ということが多いようです。通院は4日程度で済むような軽症のこともありますが、中には重症化して20日程度通院するケースも・・・。
長くなればなるほど治療費の支払いが厳しくなってしまいます。通院が伸びれば、数万から10万円以上になることもあります。
●皮膚病の予防ってできるもの?
皮膚病はさまざまな理由から起こります。ダニやノミが体に寄生することが原因でなることは多いです。
実は、体に1匹いれば数十匹いるほど、寄生虫の威力は恐ろしいです。ノミダニ予防の薬を病院で処方してもらう予防法もありますが、家の中の猫の生活範囲を清潔にしてあげることも大切です。
また、カビが原因となることもあります。予防対策として、シャンプーをすればいいと思いがちですが、洗い過ぎが逆に皮膚病を引き起こしてしまうこともあるので、あまり頻度を増やさなくてもOKです。
それに皮膚病の症状が出始めた時に、一般のシャンプーで洗ってしまうことがありますが、逆に症状を悪化させることもあるので気をつけましょう。
膀胱炎
人間の病気でも耳にすることが多い膀胱炎。オシッコの回数が増えるけれどそれほど量が出ない、オシッコが出にくい、血が混じった尿が出るなどの症状が見られる病気です。
●どんな症状になる?
メス猫の方が膀胱炎にかかりやすいと言われています。膀胱炎になってしまうと元気がなくなるだけでなく、食欲が落ちてきます。愛猫のトイレの回数が増えているのに、尿がそれほど出ていないので気づくかもしれません。
●膀胱炎になる原因とは
いろいろと原因はありますが、多くの場合、細菌に感染したことによります。膀胱の中へ侵入した菌が繁殖増加し炎症が起こってしまうのです。
尿道が短いメス猫は細菌が入り込みやすく、膀胱炎はオスよりもメスに多く見られるようです。
そしてそれ以外の原因にも注目したいところです。実は「ストレス」が起因していることもあるのです。
そもそも猫は性質的にデリケートでストレスに敏感。暑い、寒いという気候の変化や引っ越して新しい環境に馴染めないというストレスが病気に影響することもあります。ストレスは膀胱炎以外にも、さまざまな病気の原因となることがあるので注意したいところです。
●膀胱炎の症状が見られたら病院へ!治療費は?
ひどくならないうちに病院に行って適切な治療をしてもらうようにしましょう。膀胱炎は尿結石を引き起こしたりすることもあり、場合によっては手術や入院が必要になります。「そのうち治るだろう」と安易に考えた結果、重症化してしまうことも!それにより、愛猫が辛いだけでなく飼い主さんにとって治療費の大打撃を受けることになります。
病院では尿検査、投薬で済む軽症のケースなら1万円程度ですが、膀胱洗浄や手術が必要になると5~8万円と治療費が10万円近くもかかってしまいます。
さらに、尿結石を伴い手術と入院が長くなれば、数十万円と高額になることもあります。
●膀胱炎は予防できるもの?
細菌感染しないためにはまずは清潔な環境を整えてあげることが大切です。猫は水をあまり飲まないため、泌尿器の病気のリスクが高いです。
そのため、膀胱炎以外にも泌尿器科系の病気のリスクを防ぐには、なるべく水を飲ませるようにしましょう。飲み水は一か所だけでなく、猫が通る場所数か所に置いておけば、飲む回数が増えるかもしれません。
また、ストレスを溜めないように、猫がリラックスする環境をつくってあげることも大事です。コミュニケーション不足や運動不足もストレスとなるので、スキンシップしながら一緒に遊ぶことを日課にするといいかもしれませんね。
治療費は病院によって異なるもの
動物の病院の場合、受診の際に相場的な料金というものが定められていません。そのため、動物病院のある場所、病院の規模などによって、同じ病気であっても料金に幅があるのが現状です。また、同じ病気でも進行具合により治療内容が異なり、費用が変わります。
また、猫が動物病院を受診しても人間のように健康保険がある訳ではありません。かかった費用はすべて飼い主負担です。
早期発見、早期治療が大事
早期に治療を始めることができれば、悪化せずに治るものもあります。重症化してしまうと手術や入院などが必要になります。早めに治れば、猫達も苦しまずに済みますし、何より費用がかからず飼い主的にも安心です。
ペットが加入できるペット保険の活用
病気にならないように予防するのが一番ですが、かかってしまったら動物病院での治療に頼るしかありません。愛猫がどんどん具合が悪くなる様子を見るだけなんて辛いですよね。
保険に入ると治療費の面で安心です。愛するペットのため、お金をかけて治療するのはとても大事ですが、一度に大金を支払う余裕がない・・・なんてことになったら大変なことです。
そこで、「ペット保険」に入っていざという時に備えるという飼い主さんも多くなってきているようです。加入年齢や保険料などについては、各保険会社で異なりますが、万一の高額な治療費の負担が軽減される方法と言えるでしょう。
猫がかかりやすい病気をいくつか挙げてみました。病気が重症化してしまうと治療費が大きくなってしまうこともあります。何より、愛猫が苦しんでいる姿を見るのはかわいそうでなりません。
愛猫の病気を見逃さないように日ごろから観察しておき、少しでも変わった様子がないかチェックしておくことが大事です。また、それが予防にも繋がります。
いつまでも元気でいて欲しいから、愛猫の気持ちに寄り添って一緒に幸せに暮らしていきたいものです。
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